本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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桃色真珠紛失の謎/アガサ・クリスティ(おしどり探偵)
タペンスの尽力により最初の事件を無事(?)解決したトミー&タペンス夫婦。

その後も余り繁盛してはいない様子で、本棚を片付けようとしていた途中に椅子ごと倒れこんでしまった夫を見たタペンスは『あなたって、何をしているの?』と、実に冷めた対応をしています。
この物語の冒頭のくだりは、『シャーロック・ホームズの災難』での『夫人失踪事件』へ移植されています。
古今東西の名探偵のやり方を試してみよう…!というのが、初心者探偵トミーの当面の指針となったのでした。
まずシャーロック・ホームズを意識したトミーはバイオリンをかき鳴らし、ペルシャ風スリッパを用意して、依頼人が訪れた際にもタペンスを紹介した後、『この人の前では気兼ね無しに話してくださって結構です』と、定番の台詞で出迎えています。

しかし初っ端の『この時間ではバスは大変な混みようでしたでしょうね』の推理を外してしまったので、記念すべきアガサ・クリスティによるホームズのパロディは持ち越しとなり、今回はソーンダイク(ホームズと同時期に人気を集めた法医学の知識を用いた科学捜査を得意とする命探偵)のやり方を試してみることになりました。

さて、トミー演じるソーンダイクが今回直面した事件は、依頼人の女性の家へ泊まりにきていた夫人が桃色の真珠を紛失してしまったというものでした。おそらくどこかに転がり込んでいるのだろうと思っている婦人は、警察に言って騒ぎを大きくするよりも、トミーに探してもらおうと踏んだのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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民法の楽しい読み方/弁護士 近藤彰子
正しい読み方ではなく、楽しい読み方。
弁護士の近藤彰子さんが監修された民法の変わった規定などを紹介した本です。

最近裁判員制度の導入や、テレビ番組での法律のクイズ化など、法律を身近に考える機会が増えてきており、この本のように手軽に法律の規定を楽しみながら学ぶという本も増えてきていますが、近藤彰子さんの『民法の楽しい読み方』は、他の多くの本と少し異なる特徴があります。

それは娯楽目的の民法の本のようにみえて、実は条文や規定、判例などが豊富に盛り込まれた内容であることです。
取り上げられている内容こそ『裏口入学の謝礼は、不合格なら取り戻せるか』などといった具合に民法の面白い規定、意外な規定に終始しているものの、その解説の部分となると、『民法ではこのように規定されているんですよ』では終わらず、条文や解釈、適したものがあれば実際の判例や事件を例に挙げて徹底的に解説を施します。
そう、この本は解説の部分になると急に専門書に化けるのです。

この本を読んでいて近藤彰子さんと、僕の大学時代のある教授とが重なりました。
その教授は憲法の教授でしたが、たとえ話であったり、実際の判例などについても関連する人を茶化すように説明して笑いの絶えない講義をすることで知られており、僕が通っていた大学では唯一、講義が大講義室で行われるという人気振りでした。
この教授も楽しい話で人の興味を誘っておいて、『結論が知りたい!』と思う段になると、きちんとした解説をして講義を終わらせるというスタンスを取っており、肝心の話に行き着くまでに講義が終わってしまうという悪癖があったものの、非常にわかりやすく教えてくれる教授でした。

入り口は広く、入りやすいほうがいい。
別に入り口まで厳格な雰囲気である必要はない。

特に今後、法律を生業としない私たちもそういう場に自らの意見を持っていかなければいけない時代になるのですから、こういうスタンスで作られた本の重要性は今後ますます高まっていくべきだと思います。

最後に一つ、興味深かった内容を紹介します。
民法は、同性同士の結婚を禁じていないってご存知?
これは意外と勘違いしている人が多い規定ですが、同性同士の結婚を不可能にしているのは民法ではなく憲法です
なんでまた憲法がわざわざ民法の領域に踏み込んできて同性同士の結婚を禁止しているんだ…と思う方もおられるでしょうが、これはどうも憲法がそこを禁止したくて禁止という形になっているわけではなさそうです。
同性同士が結婚できない理由となる条文は『婚姻は、両性の同意にのみに基づいて成立』するというものです。
この規定、解釈の仕方は様々にあるので絶対とはいえないものの、おそらく両親などが強制的に子供たちの結婚相手を決めてしまうという古い形を否定し、自由意志で自分の結婚相手を決められるという自由について規定したものです。
その時に結婚する二人のことを『両性』と表現しているので、両性=男性、女性=男性と女性が結婚しようね♪と同意しないと婚姻は成立しないという事になってしまったのです。
単純にこの場所が『当事者同士の同意』といった具合に性別を盛り込まない表現になってさえいれば、現行民法ではその当事者同士が同性であろうが両性であろうが禁止されていないのです。
もちろん憲法>民法だから、わざわざ憲法で結婚を男女としているものに対して二重に否定する必要はないか…という理由で民法にその規定がなければ、憲法を書き換えるのと同時に民法で改めて禁止…という可能性もありますが、もうそんな時代でもないでしょう。
もしかすると今後の改憲議論の中でこうした声が上がるかも…!?

このような読み方をしてみれば法律というのは本当に面白い。
一歩踏み込んでみれば、更に興味深い。
気軽な入り口に、こんな本はいかがでしょうか…。



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文章の作り方 実例辞典/監修:大隈秀夫
必ずうまくなる』という強気なフレーズを掲げる文章の構成などを解説した一冊です。

この本の最大の特徴はただの文例集に留まらない基礎固めにあります。
第二章の『現代日本語の基礎知識』では、文章を作る以前の段階に踏み込んで日本語という言葉の基礎を学びなおします。
言霊信仰の強かった時代の言葉から、新しく生まれた流行語や略語、慣用句や隠語―。
改めて普段使っている言葉を見直す事は文章を作る際に、その文章に合わせて使うべき言葉、使う事を避けるべき言葉を考える材料になります。

この本は文例集というよりも、読んでいる感想としては国語の教科書といった雰囲気が強く、文法の技術に関してはこの手の本の中ではかなり重点が置かれています。
この手の本でありがちなのは、こういう表現はダメ。それはこういう理由からで、こういう表現にしておくのが正解。…と、ここまでで留まってしまうケースが多いのですが、この本では更に『ここをこういう風にする事で、こういう風に伝えることが出来る』というところにまで踏み込んできます。

一つのことを伝えるのにも、TPOや相手の性格、そしてこちらに非があるのかどうか…様々な要素によってただ綺麗に言葉を伝えれば良いとは限らないシチュエーションも多々ありえます。
また同じ伝え方としても、たとえば『警句法』(例:阿呆はいつも彼以外の人々を悉く阿呆と考えている)や『頭韻法』(語頭を同じ言葉にして文章を作ることで言葉にリズムをつける)といった技巧を用いることで読む側に更に印象付けたり、『暗喩』(語句を省略して簡潔に相手に伝えることで言葉を端的に届ける技巧)などの技術面も解説しています。

この本を読むと、確かに文章が上手くなる。
そしてこの本で学べる『上手さ』とは、決して当たり障りの無い間違いの無い文章の作り方ではなく、読む側が引き込まれていくような技術的な『上手さ』を含んだものです。

そういえば銀行の内部事情を世間に公開して話題をさらった横田濱夫さんのエピソードに『最強の稟議書』という言葉がありました。
非の打ちようのない完璧な稟議書に、上司は許可を出すことしか出来なかった…というものです。
たとえば綺麗な文章を作るだけであれば、体裁の整った稟議書が出来上がり、それは上司も検討して是非を返しますが、この本の目指すところは上司に有無を言わせない稟議書を作るための技術を学べる本…そのような感じです。



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ねこの肉球 完全版/写真・坂東寛司、文・荒川千尋

肉球…。

肉球…!

肉球…!!

嗚呼!

…そんな本です。

猫の肉球を網羅した一冊。
猫愛好家ならたまらん一冊です。

様々な猫の様々な肉球。
著者は1,000匹以上の飼い猫の肉球と性格の因果関係を調べ、『肉球占い』まで作成しています。
著者曰く『臨床データ』に基づくこの占いですが、僕自身の飼い猫で言えば大正解。
他の思い当たる猫でもかなり的中しているのでは!?と思います。
肉球の模様から性格を分類するというものです。

ところでこの本の意外な副産物があります。
猫の肉球を撮影するのに、主に眠っている猫を用いています。
この事によって肉球+猫の寝顔という最強タッグが完成しています。

めんこいわぁ…



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美味しんぼ ラーメン編/作・雁屋 哲 画・花咲アキラ

料理マンガのロングセラーである『美味しんぼ』から、ラーメンに関するエピソードのみを選んだ作品集です。
扉にも『今やラーメンは日本の国民食だ!!』とある通り、ラーメンという食べ物は日本人に広く浸透している食べ物の一つです。
そして奇妙な魅力を持つ食べ物の一つです。

ある人は高級なラーメンに舌鼓を打ち、ある人はお店のラーメンよりもカップラーメンの方がいいとも言う。
事実、この作品中に収められている『ラーメン戦争』のシリーズの中で、山岡たちはラーメンの一つの方向性として化学調味料を排除した上品な味わいのラーメンを作ることによる失敗が描かれており、その打開策として化学調味料を使わずにグルタミン酸の味わいを持たせるという手段に出ています。
これはラーメンという食べ物の特異性をよくあらわしたエピソードだと思います。

上品さではなく、親しみやすい下品さ。
『国民食』とまで呼ばれるのに必要な素質は、妙に肩に力を入れて食べるのではなく、自然体で食べることが出来ることなのかもしれません。

さてこの『ラーメン編』ですが、作品としては『中華そばの命』、『ラーメン戦争』そして『スープと麺』の三作品しか収められていません。
理由は単純明快、ラーメン戦争が全9話、スープと麺が全3話という構成になっているからです。

雁屋 哲さんもよほどのラーメン党とみました。

『中華そばの命』は、ラーメンの調理過程の重要性を説いた作品で、麺を作る担当、スープなどの調理担当を別々のキャラクターとすることで、二つが一つにならないと美味しいものが出来ないということを如実に表現しています。
『ラーメン戦争』は全ての要素から美味しいラーメンについて研究する内容で、合言葉は『ラーメンは地球を救う』でした。上記のエピソードも含め、非常に深く追求しています。
…その結果の全9話。この本を買って『このエピソード面白くないなぁ…』と思ったら、すっごく損してしまいますのでご注意を。
約310ページの内、230ページほどがラーメン戦争です。
『スープと麺』は素材を選び抜いて作った冷やし中華のエピソードで、ファミコンのゲームとして発売された『美味しんぼ』に収録されていたエピソードであり、ラーメン戦争の際に山岡が究極のメニューとして参加を渋った理由である『一度やっている』とういのはこのエピソードでした。
収録順が逆になっているので、読む際にも逆転させたほうがわかりやすいかもしれません。



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DORAGON QUESTⅣ 導かれし者達/NINTENDO DS
導かれし者たちの思いが集い、奇跡は起こる


小説版のドラゴンクエストの感想文をあげていた時期にDSで移植されたドラクエⅣが出るというニュースを見ていたので、ようやく購入しました。
ロトシリーズが終わり、天空シリーズに切り替わった最初の作品にして、FCで出された最後のDQ。
発売当時から、容量がFCに収まりきらず、割愛された物語がある…という噂が流れていました。

それがはじめて出たのがプレイステーションへの移植の際でした。
今回のDSでの移植も基本的な部分ではPS時代を踏襲したものです。
操作性でも一番近いのはPSのDQ7辺りです。
LRボタンによる画面の展開が生み出す立体的な画面、そして多彩なグラフィックで再現されています。
また、キャラクターもAIのみならずプレイヤーの操作も可能になったのでミネアの銀のタロットなどのレアアイテムも使いやすくなっています。(※FC版のDQ4は、各章が終わると、主人公以外のキャラクターをプレイヤーが操作することは出来ず、作戦を提示する事で何とか希望に近い動きをとってもらうようにしなければなりませんでした)

以下はFCとの対比です。

ゲームのシステムでは仲間同士の会話が追加されており、それぞれの場所に関する話題や話しかけた町民たちの返答に対する感想などがあるので一度はこの面子で、次はこの面子を中心にクリアーしてみよう!というやりこみ要素になっています。
特に5章以降ではVSキングレオ、バルザック戦でのマーニャ/ミネア姉妹や、サントハイムでのアリーナ/クリフト/ブライといったそれぞれに縁故のある人間の会話も興味深く、面子が限られてしまうDQ4でありがちだった固定メンバー以外馬車の中から出すことがないといった状態を軽減させてくれるはずです。

またこの会話システムによってそれぞれの性格がより際立っています。
ライアン:意外とスケベ。
アリーナ:とにかく戦いが好きで、そこら辺中の相手に挑みたがってる。
クリフト:アリーナへの思いがFCより強まっている。
ブライ:フィールド移動の際に馬車の外はご不満?
トルネコ:天空の装備を揃えた辺りから燃え尽き症候群気味。
マーニャ:街へ対する評価はカジノの有無のみだ。
ミネア:洞窟が好き。
特にミネアの洞窟好きは異様な雰囲気を発している。

キャラクターで最も変更が加えられたのがMr.インパスでしかなかったトルネコです。
ランダムに発動されるために自由には使いこなせないものの遊び人的な様々な特殊攻撃に加えて、敵を呼び寄せる口笛や街を探す鷹の目、宝箱の残りの数を探したり…と、フィールド上で使える呪文(?)が追加され、存在感を増しています。
またアクセサリー類が追加されているのも注目点でしょう。

DSにハードを移したことで実現した二画面は特にフィールド移動時に効果を発揮しており、下が移動する画面、上が地図ということで船取得後の移動は非常に楽になっており、うまくやれば便利なアイテムなどを先回りして獲得することが出来ます。
街の中や洞窟の中ではより広域を見渡せるので、宝箱の見落としを軽減したり、行き止まりを察知したりと効率が非常に上がっているのでFCで既にクリアしているというユーザーでも気軽に再挑戦できます。

また『移民の街』の機能では、DSの持つすれちがい通信の機能が盛り込まれてよりアクティブに無限大の可能性を持つ機能にベースアップされています。

そしてFCとの最大の違い、追加された物語とは―?

ネタバレ等は続き以降で。
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叙情まんが 小さな恋のものがたり 第1集/みつはし ちかこ
みつはしちかこさんの長寿漫画シリーズである『小さな恋の物語』の最初の一冊を読んでみました。
年齢以上に幼く見られる小さな少女と、長身で秀才、スポーツ万能という誰もが憧れる少年のカップルの小さな恋を描いた漫画です。

ここでチッチとサリーの出会いが描かれている…と思って手に取ると、意外な肩透かしを受けます。
最初のチッチことチイコはまだ恋愛に憧れるだけの学生さん。
壁の落書きに混じって書いた自分の相合傘も相手の欄には『募集中』と書いたり、美術室の彫刻にキスをしてキスというものの味を体験してみたりと、まだ相手さえもいない状態が描かれています。

そしてやがて来る二人の出会いは、雨の中を帰るチッチにサリーが傘を貸すというもの。
この時にさわやかな風貌、そして優しさに一目ぼれして親友のトンコに頼んで探してもらったというのが二人の出会いなのでした。
特に愛の告白があるわけでも、お互いに意識しあうわけでもなく、結ばれていく二人。
こういう時代だったのかな?
オープンな今の時代とは少し違うくっつき方でした。

二人のチッチとサリーというニックネームが登場したのもこの第1集です。
チッチが『ノッポのサリー』(リトル・リチャードの代表曲のタイトル、原題はLong Tall Sally)から、長身のサリーのニックネームを提案した際に、『ぼくのかわいいチッチィ』と返したのがきっかけで二人の、以後世代を超えて愛されるニックネームが登場したのでした。
ちなみに二人の本名は小川チイコ村上サトシ
きちんと名前から派生したニックネームなのです。

ネタバレ等は続き以降で。
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ドラゴンズ’ヘヴン2 ハイパーT&Tリプレイ/安田 均 グループSNE
シンプルなシステムが売りだったT&T。
そこへ少しシステムを追加することで、町中の冒険の要素など、ストーリーにボリュームを与えられるように補強したのが、T&Tの翻訳を手がけたゲーマー集団㈱グループSNEが出した『ハイパーT&T』でした。
T&Tの醍醐味であるシンプルな面白さを残しつつも、職業の追加やスキル制やいざという時に余分にサイコロを降れるハイパーポイントの導入などが行われています。

2作目は物語自体は1作目からの続きです。
ゲームバランスは多少補正が施されているようですが、困った時にはハイパー・バーサーク戦闘のシステムで無理やり凌ぐ!といった部分は改善されず、結局GM側もそれを見越して猛烈な数の敵を用意するといういたちごっこのような展開が見られます。
これを醍醐味とするのか、欠点とするのかは個々人の受け取り方次第でしょう。
本文のラストでスコットは582点をはじき出して30体の骸骨と渡り合っています。
豪快な戦いはプレイヤーのみならずGMまでも魅了するようで、GMは安田 均さんかな?は途中でNPCの台詞ではなく『ヒヒヒ』という不気味な笑い声を立てています。

さてこの2巻で特徴的なのは、1巻の最後から出てきた流れを汲んで物語の本編が見えてくる事、そしてドラゴンズ’ヘヴンの成り立ち、グループSNEがハイパーT&Tの舞台としたドラゴン大陸についての設定の熟成が見られることです。
島の少年たちといった雰囲気だったキャラクターたちも前半までにレベル3になり、様々な状況に対して様々な選択肢を用いて乗り切るようになっており、この辺りでT&Tとの違いが色濃く出てくるようになってきたような気がします。

シナリオでは彼らが大きな事件に巻き込まれていくきっかけとなる戦車レースが印象的でした。
ヒールに徹した彼らはレース参戦中に優勝候補へ妨害をしたりはするものの、なんとT&Tというゲームで『今回は戦闘がほとんどない』というフレーズが飛び出す、そんな展開もあるのです。

ネタバレ等は続き以降で。
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知らないと損するクルマの本/横山康博、石橋秀郎、松下 宏、柳原三佳、海道野 守、青山元男
先日、自分の車が急なトラブルで停車~JAFという状況になりました。
その時にあわてて開いたのが、クルマを購入したディーラーから渡されていた簡単な整備の手帳と車の取扱説明書でした。
もちろんそれでもないよりは良いと思ったものの、やはりそれ以上の情報がほしい!と切実に感じました。

その際にJAFの方とも話したのですが、やはりよく知られている対処でも、車の状態と相談しながらやらなければクルマの状態をより悪化させてしまったり、最悪取り返しの付かない状態になってしまうことがあるそうです。

こんな状態の時、もう少し詳しいクルマの本があれば…!
そう思い、今後のために購入したのが『知らないと損するクルマの本』です。
この本にはトラブルのみならず気になる税金などの維持費対策洗車方法、トラブルを防ぐための日常のメンテナンスや気をつけて見るべきポイントが合計で365項目も紹介されています。
この本が重点的に押さえているのが一般的な認識や噂の是非の確認です。
たとえば洗車の際に食器用洗剤が有効だというのはよく耳にする噂ですが、本当に大丈夫なのだろうか?は、やはり高額な車だけに余り試してみようとは思えませんが、この本ではその辺りのことにまでサクッと触れています。

こういう本を一冊、車の中においておけば何かがあったときにクルマにとって最良の手段を模索することが出来ます。
もちろん今の時代だから携帯電話で色々な情報を検索するのも一つの手段ですが、誤った情報が多いのもインターネットの真実です。また、JAFなどのロードサービスにしてもトラブルが起こった現場からすぐ傍に待機場所があるとは限りません。
僕の場合でも40分の待ち時間がありました
この40分、正しい対処をしているのかどうかが、あなたの大事なクルマのその後を変えてしまうかもしれません。



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乗ってはいけない!/牧野茂雄
自動車事故対策センターのオフセット衝突試験が初めて採用されたことに伴って登場した本です。
これは車を真正面からぶつけて測定するフルラップ前面衝突テストに対して、車の一部(この実験では6:4の割合で、運転席側40%の部分のみ)をぶつけることで、すれ違い衝突を再現するもので、実際の事故により近い調査結果が得られるものとされています。

さてこの本は国土交通省/自動車事故対策センター(OSA)の評価に対して、『真っ向から反対する』というコンセプトに基づいて作成されたものです。
従来の評価では採点の基準として頭や胸へ…致死率の高い部位へのダメージを重視し、致命傷に至りにくい部位へのダメージより反映させるような傾向があるそうです。
この本では、それでも大怪我や後遺症の残る危険性が残るかもしれない車への評価が正しくなされていないのではないか?と考え、頭や胸部へのダメージと同様に他の部位への深刻なダメージの有無をも評価対象として組み込んで、再評価しなおしたもので、軽四、小型車、ミニバン、高級車クラスまで合計24台が挙げられています。

ちなみに使用しているデータは真っ向から反対しているOSA提供
要するに多くの車で少し点数がダウンします。
これはもう同じデータでより詳細に…というコンセプトを掲げた時点で再検討するまでもなく決まっているようなものだと思っていいでしょう。一部、わずかに点数を上げているものもありますが、本のコンセプトが上記のようなものである以上、下がっていないとおかしいわけで、余り採点の数値自体には意味はないと思ってよさそうです。

この本で参考になるのは、どこをどのように評価するのか?という観点です。
この観点こそ、この本で最もピュアなデータであると言えそうですし、また同様のデータを見た時にもどこをどうみて、どのように判断するべきなのか?という点で役に立つはずです。

また事故の際にダメージを大きくするような姿勢や乗り方、そして各ジャンルで発売/開発されているダメージ軽減のための商品やコンセプトなどにも触れています。
また実験の評価の仕方以上に、こうしたデータへの評価が高まるにつれて出てくる問題にもOSAの方へインタビューで突っ込んで触れています。

僕、この本を読んで一番感じたのはOSAの懐の深さかもしれません。
自分たちの評価にNOを突きつけようという相手にデータを提供したり、インタビューに応えたり…。
本のコンセプトに反して、OSAという機関に対する信頼度は上がったようなきがします。
ただしインタビューを受けた方の写真を見ると、目は完全に座っています
いや、軽くケンカ腰ですもん。
だってインタビューで『いまの真下さん(OSAの担当の方)の発言、よく覚えておきます』とか登場してますから。

ちなみに点数で最低点である★一つ(どの車にでも与えられる基礎点。要するに0点のこと)になったのは今は亡き三菱のトッポBJと、SUBARUのプレオ。逆に最高得点は5★中4.5★を獲得しているシビック(先代)とマーク2。特にマーク2はOSAの評価に0.5★追加での点数です。



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頭文字[イニシャル]D プロジェクトD伝説/しげの秀一、清水草一
頭文字のプロジェクトD以降後の解説をした一冊です。
プロジェクトD以前に触れている『頭文字Dドリドリドライバーズテキスト』とは少しコンセプトを変えて、この一冊ではあくまでも物語中のレースの詳細やマシーン、ドライバーに重点をおいています。

バトルはプロジェクトD開始~埼玉最終戦まで。

僕が印象的だったのは僕自身の愛車でもあるユーノスロードスター登場編と、高橋啓介に思いを寄せる恭子のFDを駆っての埼玉最終戦でした。
前者は単純に思い入れだけで、あっけなく負けてしまうロードスターという展開です。
そしてこれをもって僕は『頭文字DはプロジェクトD以前の方が面白いよ』という意見を持つようになりました(笑)。
軽量ボディにテンロクエンジン、FRにNAというよく似たタイプの車だけにもう少しいい感じで描いてくれてもいいのになぁ~と思いつつ、ドライバーの末次トオルの『別にフルチューンのエンジンでなくたって・・走り屋でいるかどうかは気持ちの問題だろ』という台詞や、彼女からの最後通告など、実用性も力も兼ね備えない車を乗る同士、なんだかすごく共感しました。
埼玉最終戦の時はトラブルで自身の車が動かせなくなった際に啓介のレースを見に来ていた恭子のFDを使うというエピソードで、一緒にレースをした経験から使い慣れていない別のFDでも使いこなして見せると言う啓介の成長振りがうかがえます。
でも結局この本の時点では二人は幸せにならず。
しげの秀一さん、なかなか人を幸せにしません。

また興味深いところでは、時代の変化に伴って出てきたインテグラDC2シビックEK9のFFのタイプR陣。
ここまでレースの中心がFRもしくはインプ&エヴォの4WD中心だったのにも変化が生まれてきています。この本の出版が2004年、まだまだ時代はスポーツカー冬の時代なのでした。

この本ではレースの詳細に加えて車の解説(改造点など)や人物の紹介も詳しく、既に脇役になって久しい『秋名スピードスターズ』も『オマケの』と、妙な形容詞つきで紹介されています。
リーダーの池谷浩一郎はS13シルビア。データは『たぶんライトチューン
うぉっ、情報が少ない!!

健二は180SX。SXの意味が『SEXY』というトリビアまで紹介している割に車の事には『たぶんライトチューン』の事。
たぶん、出た!
ちなみにシルビアとは姉妹関係の車ながらこちらはMC後の2000CCでした。
そしてメンバーではないけれど立花祐一…スタンドの店長さん、こちらはV40型のカムリ
一応国内専用車種としては最後のカムリになりますが、ここで紹介するか!?的な雰囲気が…。誰も知りたがっていない知識のような気がします。

ちなみにメンバーで一番詳細が出ているのはAE85カローラレビンの武内 樹。
女性層を狙った見た目だけAE86に合わせた83馬力という驚愕のマシーンです。
これに施された改造はSOHC1500ccターボ搭載です。
地味な存在ではありますが何気に出力は150馬力にまで増加しているので、実はそんなに遅いというわけではありません。
ちなみにシャコタンにはパチモン足回りを使っているそうです。

他、マシーンで注目なのは恋愛事情ばかり注目されがちな岩瀬恭子のFD-3S
こちらはツインターボのFDをシングルターボにデチューンすることでターボのラグを解消させ、地元の峠での走行に合わせたマシーンに仕上げています。考え抜かれた一台です。
そして衝撃のカプチーノも注目のマシーンです。
コーナリングでは拓海のハチロクを凌駕し、結果的にはストレートでの加速勝負に持ち込むという驚きの展開になったことでも知られる坂本の操る一台の詳細も掲載されています。
こちらはRHIタービン交換、オリジナルコンピューターの採用、ブローオフバルブ、エアフィルター、クロモリフライホイール、メタルクラッチという装備で、最大出力を130馬力まで引き上げています。
690kgに51:49という重量バランス、そして車体からは考えられないほどのホイールベースという素材のよさは、RX-7とも渡り合える戦闘力を持つそうです。

頭文字Dドリドリドライバーズテキスト』では池谷先輩が実車の解説をするコーナーがありましたが、今回は岩瀬恭子の解説(ただしところどころ延彦の受け売り中心)になっています。
ダーリンの前ではかわいくなりたい』だの、『私とダーリンの愛車なんだから、誰にも文句は言わせないわ』だのと、ところどころ気になる台詞を加えながら解説してくれます。

正直に言うと僕はレースの詳細に関しては、プロジェクトD以降はあんまり興味が持てません。
ライトを消してみたり、軽くぶつけてみたり…。
なんかちょっと違ってきたなぁという感じを受けていた時期の作品でした。

さて、今回もドリフトの仕方についての記載があります。
吉沢典子先生(美人)※←原文ママ!の初歩のドリフト教室では、マンガではなく写真で解説しているので判り易いです。
基礎の基礎、定常円旋回ドリフト、Jターン、8の字ドリフト、そして実践へ…と、判りやすく解説しているので、とりあえずお尻を滑らせるのに必要な知識は得られますが、公道での実践は駄目です…って書かれても、この本では説得力ないないなぁ…



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アパートに妖精がいる~お茶をどうぞ/アガサ・クリスティ(おしどり探偵)
トミー夫人には、いささか探偵業に従事されるのも、おもしろいんではないのかな

トミー&タペンス夫婦が国際秘密探偵社を開設するまでのお話です。

結婚したときには何でも返るお金に愛すべき旦那様…という結婚生活にばら色を思い浮かべていたタペンスだったが、そんな生活に物足りないものを感じ始めていた。
そう、彼女が求めていたのは刺激だった…。
以前、危険に満ちてはらはらしながら過ごしたあの生き生きした日比のことを考えてみてよ
彼女は毎日の生活に退屈をしきっていて、帽子を買う事以外は楽しみを感じられないといった様子。

もうこの夫婦関係そのまんまな会話です。
トミーの方はといえば平穏な暮らしを望みんでおり、タペンスからは『暮らしに余裕が出来て、栄養もたっぷり、肌などテカテカして、何の心配なしに毎日を送ってる』と痛烈な皮肉を食らっています。
ちなみにトミーが自分が居なくなってありがたみを判るようにさせようと浮気をにおわせた際には、『あなたがほかの女に夢中になれないことぐらい、あたしは百も承知よ』と余裕の一撃。

この流れだけでこの本の方向性がはっきりと見えてきます。

さて、そんな夫婦の下を訪れた局長のカーターから提示されたのは、ブラント探偵事務所という探偵事務所の建て直し―。トミーはなんと、夫婦でこの探偵社を経営することになったのだった…。

最初の事件、『お茶をどうぞ』とネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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ポピュラスDS
まさに神ゲーの復活!?

最近、ポピュラスのNINTENDO DS移植版を楽しんでいました。
このゲーム、そもそもはエレクトロニック・アーツが1989年に発表した、ゲームとしてはネオクラくらいには余裕で分類されるような作品になります。
今回のDS移植版は開発の段階からエレクトロニック・アーツが担当、タッチペンでの操作によって、よりスピーディーな操作を可能としています。もちろんその分だけゲーム内容も高レベルになると、シビアな操作が要求され、ちょっとのミスが勝敗を左右してしまうようなことさえもあります。
またワイヤレス通信を利用した四人プレイなど、ハードを最大限利用したスタイルになっています。

このゲームの主人公は神様。
他の神様(呼び名は悪魔。見ている限りは両方とも悪魔的だが。)と、その信者を滅亡させるという、ぱっと説明されると非常に怪しい雰囲気満点の内容です。
簡単に言えばシミュレーションゲームの走りのようなものです。
プレイヤーはある神様(レベルごとに選べる神様が増えていく)の側につき、神様の力で土地を造営して自分の信者を増やしたり、敵地へ奇跡を起こし、たとえば地震で土地を壊滅させたり、津波を起こして異教徒を溺れ死なせたりすることで、勢力争いをし、最終的にはハルマゲドンを起こして信者どうしての殺戮で勝敗を決するという、CERO Aというのがどうしても信じられないような作品になっています。
この時代にこんな作品がよくぞ発表できたものだと驚きます。

冒頭でも触れたとおり、今回の最大の特徴はタッチペンによる操作が追加されたことで、土地の造営も慣れればかなりの速度で出来ますし、マップ上の移動などもその恩恵を受けています。
その反面、操作面でのプラス分以上に高レベルの難易度が上がったような気がします。
(気が付いたら自分の陣営キノコだらけとか、どうしようもないくらい毒沼汚染されていたりとか、取り留めのない状況になることが多々あります。)

今回のポピュラスDSは起源に立ち戻って一番最初のDSがベースになっています。
前作で古くからのファンの支持を受け切れなかったのですが、この復刻版はそういった方の心の琴線に触れることが出来る内容になっているのではないでしょうか。

攻略についてですが、自分が神様の代理でやっているとかそういう細かいことは忘れて卑劣に徹すれば大丈夫です。
溶岩では津波、空中庭園では突風で敵の信者を一気に殺せますし、後半で悪魔の数が増えた時には、我関せずを突き通して、他の信者よりも外側を中心にこちらの信者を反映させていけばハルマゲドンの際には有利にことが進みます。
主人公が正義の味方なんて時代は、もう終わったのです。



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シャーロック・ホームズの災難 上/エラリィ・クィーン編
無数の雑誌に無数の『冒険』のパロディが掲載されたというほど、世間に数多く溢れた贋作ホームズ。
それはホームズが現役で活動してた頃から、エラリィ・クィーンの言い方を借りれば『現時点では新作は期待できず』という状況になって以後、そして現在までたくさんの贋作が発表され続けています。
それをエラリィ・クィーンが『最良のものを選んで編集』したのがこの『シャーロック・ホームズの災難です。
ちなみに原題はTHE MISADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES
災難と日本語にしてしまうと判り辛いですが、この本のタイトル自体も実は立派な贋作なのです。
様々なところに発表された贋作ホームズを古今東西を問わずに掲載したのがこの一冊で、自身も相当なシャーロッキアンであるエラリィ・クィーンは、自分たち以前にこうしたアンソロジーを作った人がいないことを訝しがると同時に、その仕事が自分たちの手によって出来るということを次のように表現しています。

天国へ至る前に一生に一度だけ授けられる特別な祝福かもしれないのです

それぞれの作品の感想文への目次ページです。

ペグラムの怪事件』ロバート・バー
遅かりしホルムロック・シアーズ』モーリス・ルブラン
洗濯ひもの冒険』キャロリン・ウェルズ
稀覯本 ハムレット 』ヴィンセント・スタリット
ホームズと翔んでる女』アントニィ・バークリィ
夫人失踪事件』アガサ・クリスティ
高名なペテン師の冒険』アンソニィ・バウチャー
ジェイムズ・フィリモア氏の冒険』エラリィ・クィーン
不思議な虫の事件』スチュアート・パーマー
二人の共作者事件』サー・ジェイムズ・M・バリー
大はずれ探偵小説』マーク・トウェイン
盗まれた葉巻入れ』ブレット・ハート
シャムロック・ジョーンズの冒険』O・ヘンリー




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シャムロック・ジョーンズの冒険/O・ヘンリー(シャーロック・ホームズの災難 上)
探偵:シャムロック・ジョーンズ 語り手:ホワッツアップ

O・ヘンリーが描いたシャムロック・ジョーンズの中で唯一、シャムロック・ジョーンズが主人公らしく振舞っているのがこの『シャムロック・ジョーンズの冒険』です。
エラリィ・クィーンは冒頭でO・ヘンリーのネーミングのセンスに触れていますが、今回のホームズ役もシャムロック=シロツメクサ。(アイルランドの国花)で、アイルランドを象徴するもののロゴなどに良く用いられるものです。

名前の雰囲気や推理の仕方などはホームズを受け継いでいるものの、設定はかなり本家と異なります。
まず仕事はニューヨーク市の警察刑事部所属。
しかもその仕事は内勤で、タイプライターの名人として働いています。
更に既婚者で、最初のホワッツアップが尋ねた時には奥さんから小指に結び付けられた糸が意図するところ(うぉ、しゃれになった)を考え込んでいるという場面になっています。

ちなみにこの小指の糸を、彼は結び目(KNOT)→勿忘草(forget-me-not)→花(flower)→小麦粉(flour)と言葉遊びで解決していきました。

このシャムロック・ジョーンズはこういった筋が通っているようで、よく読んでいると妙に穴の多い推理を披露するという、推理小説に対する一つのアンサーコールのような作品です。
そしてその推理を聞くたびに、感激してみせるワトソン役のホワッツアップ。

冒頭の言葉遊びのところで、ふと贋作ホームズの『シュロック・ホームズ』が頭に浮かびましたが、見当違いな結論に導いていくシュロックに対して、シャムロックは妙にその推理を的中させていく。
なんとも愛すべき探偵なのです。



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江戸の繁盛しぐさ/越川禮子
口を開けば国際化とよく言われますが、まずは自国の伝承文化である「江戸しぐさをしっかり見直し、把握することが必要だと思います

本を買うときにタイトルで選ぶことが多いのですが、この本で『江戸しぐさ』というものを知りました。
これは江戸の承認が人間や経済の動向を知るためにしていたものが発展したもので、その為にこの本のタイトルにもなっているように『繁盛しぐさ』とも呼ばれていたそうです。
それはたとえば『忙しい』という言葉が心を亡ぼすと分解できることから、心を失った人は人間ではないとさえ考えていたために忙しいという言葉を使うことを否定したことや、ありがたいという言葉に込められた自分の店を選んで買い物をしてくれたことへの感謝の気持ちといった価値観であったり、腕組をしていてはお客さんが安心して飛び込んでこれない、著者の越川禮子さんも芝 三光さんから実践された打てば響く反応の速さなど、お客様に対する姿勢のあり方であったり、人ごみの中で人の足を踏んでしまった時に踏まれたほうからも『こちらこそうっかりいたしまして』と謝るような気遣いであったり…。
様々な他者への思いやりが『江戸しぐさ』というものを生み出したのです。

そしてこの江戸しぐさは、江戸時代の庶民文化の根底にあった『粋』というものを判りやすく具現化したもののような気がします。

そういえばこの本の中で紹介されているエピソードですが、GHQもこうした江戸しぐさや、それを生み出した江戸の文化を研究していたといいます。
倒幕後、江戸時代の文化を必要以上に否定した明治以降の日本教育。
芝 三光さんも敗戦後にアメリカ軍から江戸のすばらしさを教えられたそうです。

何でも舶来の時代。
僕の中にも海外から最新のトレンドが来れば、なんとなくそれが優れているように思ってしまうところがあります。
仕事上でも『アメリカや欧米ではこんなシステムだ』と聞くと、なんとなく日本の既存のシステムが時代遅れのような気がしてくることが多々ありますし、それを取り込んでいく事が改善であると思っている人も少なくないと思います。
しかし日本の文化が劣っているとは限らないし、もしかしたら何百年も昔の文化が今を凌駕している事だってあるかもしれない。
事実、GHQは当時の日本が否定さえしてしまいそうだった『江戸時代』を評価していたのだから。
そんなことを教えてくれる一冊です。



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盗まれた葉巻入れ/ブレット・ハート(シャーロック・ホームズの災難 上)
探偵:ヘムロック・ジョーンズ

ブレット・ハートという人は『濃縮小説集』というパロディ集を出している方で、エラリィ・クィーンに『一筋縄では行かないパロディ作家』と評価されています。
確かにキャラクターの持ち味や個性を壊さずに誇張して展開していく作品には、シャーロック・ホームズの正典では決してない展開…しかし、他のパロディ作品と比べて大きな違和感を感じないという不思議な魅力があります。

たとえばこの作品で、ワトソン役の『わたし』はホームズの足元に這い蹲り、その靴を抱きしめるような生活をしており、結果として診察を放り出すような形になったために自らの患者を急激に減らしてしまっています。
もちろん本家ではこのようなことはないものの、ホームズの事件に帯同するたびに隣の医者に患者を預けてしまうワトソンに、同様の心配をした人も多いはず。ブレット・ハートの器用さは、その辺りの読者の感情をうまくさらっていることにあるような気がします。

さてこの作品で、探偵役のヘムロック・ジョーンズ自身が盗難事件の被害にあっています。
盗まれたのはトルコ大使から事件解決の際に貰ったダイヤモンドがちりばめられていた葉巻入れだった。もちろんジョーンズは自分自身の手で事件を解決することを宣言した。
そしてジョーンズは『わたし』に調査の指針を尋ねた。そして彼を部屋に残して調査へ出て、戻ってきた際には眠っているのを起こそうともせずに見守り、彼がコートを着るのを手伝い、最後に抱擁をして送り出したのだった…。
そして、それから数日がたったある日、ジョーンズから夜に面会を求める手紙が舞い込んだ。
しかし、その面会は『ヘムロック・ジョーンズとも永の別れになろうとは!』という結果になってしまう。

事件の驚くべき展開とは…?

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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大はずれ探偵小説/マーク・トウェイン(シャーロック・ホームズの災難 上)
マーク・トウェイン(Mark Twain)といえば『トム・ソーヤーの冒険』の作者です。
エラリィ・クィーンはマーク・トウェインの作品中に精密に隠されているしゃれの部分に関して、『彼はいくつかのたいへんおかしなおふざけ作品を、疑うことを知らない人々に上手くつかませた責任を負わなければなるまい』としています。
そしてこの『大はずれ探偵小説』に関しても、意図しているものは『探偵小説を入念に茶化すこと』として、読者に注意を喚起しています。

さて、この物語。
探偵小説と銘打たれている割には、前半はマーク・トウェインの得意な世界観から始まります。
身分違いの結婚に際し、身分の低かった夫は義父が陰で言った言葉に復讐を近い、妻に屈辱の限りを尽くすことで、やがて義父を失意の中で死に至らしめることに成功した。
残された妻は、そんな元夫への復讐を誓っていた…。

やがて時は流れ、彼女には一人の息子が誕生した。
そしてその息子には得意な能力が備わっていた―それは、ブラッドハウンドのような暗視や鋭い嗅覚だった。
彼女はその能力を用いて元夫への復習をすることを思いつき、息子を自分に忠実に育て上げ、やがてある程度の年齢になると、予め調べておいた元夫の下へ息子をけしかけたのだった。

計画は入念に練られ、過去の自らに犯した行動を暴き追い立てるというものだった。
そしてその結末は決して『死』ではない。
追いたて、移住させ、そして再びその移住先を突き止め、追い立てる…。
そう、『さまよえるユダヤ人』とする事こそが最大の目的だったのです。

当初、この計画は上手く進んだように思えた。
息子は自らの父親を追い立てた…はずだったが、あるとき母の届いた手紙には『罪を犯したあの男のいとこなのです』と書いてあり、彼は慌てて追い立てた男を元の暮らしに戻せるように手配をしようとしたのだが、その時に男を見失ってしまう。
そして息子は世界中を探し回る事になってしまう。
そう、まるで彼自身が『さまよえるユダヤ人』になってしまったかのように。

そして三年間、彼を追い続けた果てに、ある鉱夫のキャンプへ行き着いた。
もう息子自身が『元気が無くなって、困ったことに、時には希望を失いかけるようなこともあるんです』という状態に陥ってしまっていた。

さて、そんなキャンプへシャーロック・ホームズが訪れた。
そして…タイミングよく?悪く?爆発事故で人が死ぬ事件が起こったのだった。

ただ高名な探偵の代表として登場している程度のホームズですが、マーク・トウェインによって美味しく調理されています。

そして、驚きの結末も…。

どちらかというと探偵小説の部分よりも物語の方が面白かったです。
っていうか、既にホームズが登場する頃には『なんでホームズがこんなところに!?』と、ホームズの本を読んでいることさえ忘れてしまっていました。
こういう贋作ホームズも、時には新しい出会いになっていいかもしれないですね。



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二人の共作者事件/サー・ジェイムズ・M・バリー(シャーロック・ホームズの災難 上)
探偵:シャーロック・ホームズ 語り手:ワトソン

これまでが探偵小説を書いている作家による贋作ホームズでしたが、ここからが著名文学者篇となります。
トップバッターはサー・ジェイムズ・M・バリー。ピーター・パンの作者です。
実はこの短い贋作ホームズこそコナン・ドイルが『数あるパロディのなかの最高傑作』と評した作品なのです。
これは実は内輪ウケな作品で、バリーとドイルが共作した『ジェイン・アニー、または善行のご褒美』の興業が失敗に終わった際にバリーからドイルへ送られたジョークのようなホームズパロディです。

冒頭は驚くほどストレートなホームズのパスティーシュ。
ただしホームズはもくもくと事件をまとめているワトソンの輪郭スレスレへ銃弾を打ち込み、驚くほど精巧なワトソンの肖像画を撃ちあげるといった、少し違和感のあることをしています。(本当はヴィクトリア女王のイニシャルを撃ちこむ、愛国心溢れる行為です。…まぁなんにせよ室内ですることではないけども)

窓から見える二人の男。
デュランツ・プレス評論を破いたり踏みにじったりしている様子を見て、ホームズは『コミック・オペラの共作者だよ』と推理する。
ちなみに推理を聞いたり、驚くたびにワトソンは天井まで飛び上がる為、既に天井はかなりへこんでいたとのこと。

そしてその男の一方は『長い間僕の優れた仕事の名誉をわがものにしていたんだ』という人物。
そう、彼らは既にこの文章の中に名前を連ねている人物です。

依頼の内容は彼らが書いたオペラに客が入らなかった理由―。
そして鮮やかなホームズ(=バリー)の推理。

「ばかだな!僕のおかげで、これまでぜいたくすることができたのに!」
これは劇を一通り見て理由を考えて欲しいという提案を断ったホームズが消される直前に発した言葉です。

うむー。
この作品、いつ作られたんだろう。
1993年に劇をしているのですが、『最後の事件』(1893発表、一度ホームズが死んだ事になる作品)前後で、意味合いが変わってきそうな一言です。



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不思議な虫の事件/スチュアート・パーマー(シャーロック・ホームズの災難 上)
女探偵ヒルディーの作者、スチュアート・パーマーが徴兵へ出向く前に書き上げたという、なんとも時代を感じさせるエピソードつきの作品です。
こちらもエラリィ・クィーンと同様にソア橋で紹介されている語られざる事件を題材としたものですが、ちょっと結論はにやりとさせられるような結論になっています。

そう。
この事件でパーマーはワトソンにスポットを当てたのである。
しかも無理やりではなく、ごく自然に。それが今まで存在しなかったほうが不自然なように

ある四月の雨の日、ホームズは暇をもてあましていた。
コカインに手を伸ばそうとするホームズに、それを止めようとするワトソン。
しかしコカインの代用に勧められたアイリッシュ・ウィスキーでは彼の気持ちを高揚させるのに不十分だった。
そんな時、彼の精神を高揚させる新たな事件が持ち込まれたのだった。

よろめきながらやってきた依頼人は見た感じ、ホームズよりもワトソンの助けが必要そうな有様だった。
彼が持っているビンには得体の知れない不思議な生き物がつめられていたのだった…。

依頼人は最近話題になっている論題を手がけているジャーナリストだった。
突然歩道で倒れ、気が付いた時にはチャリング・クロス病院にいた。彼は病院のスタッフが別の患者に手を取られている間にそこを脱出したのだ。彼が持っている未知の生物が入っているビンは、その際に枕元においてあったのを持ってきたものだった。
ホームズは依頼人の記事の標的になった外科医師会の事務官や分かれた妻のことを聞き出し、調査に出ようとワトソンに馬車の手配を頼む。

しかし、ワトソンはこう答えるのだ。
こんな大雨だよ

そして、安楽椅子にもたれかかるのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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What's Michael?5
かつて一世を風靡したホワッツ マイケルの第五巻を読んでみました。

ここまで猫の習性を前面に出したり、キャラクターを前面に出したりと成長を続けてきたマイケル達ですが、マイケルのイラストもこの辺りで落ち着き、長いブランクをはさんでの復活劇までに通じる顔つきになっています。

第五巻で一番印象的なのは伸之助の成長です。
ここまで猫に対する犬という立場を担ってきた伸之助も、段々と脇役から主要キャラクターへの成長を遂げ、表紙の次の見開きページではマイケルよりも大きく描かれているフルカラーの伸之助を見ることが出来ます。
作品としてもVol.87の『伸之助悲歌』、Vol.91の『伸之助の幸せ』、Vol.104の『お見合い』の三作品でメインを張っています。
伸之助悲歌ではマイケルが可愛がられる様子を見て、飼い主の背中に飛び乗って強かに殴り飛ばされています。
気が狂ったっぺか~~!
今林さん、相変わらずの迫力です。
Vol.104のお見合い相手はポッポ。
猫と犬との暮らし方の理想の違いを描いた、小林まことさんらしい観察力にあふれる作品です。
ここで語ったポッポの趣味は『泥棒をすることです』。
ちなみに逃げ足が速いらしいです。

マイケルの飼い主としては大林家が中心になり、飼い猫の居る暮らしを描いています。
この頃の大林家のマイケル一家はまだ余りしゃべりません。
ただしVol.102の出産祝いでは、大林家に生まれたはじめてみる人間の赤ちゃんに戸惑いを隠しきれない様子で喋り捲っています。家族の一員としてたまみちゃんを受け入れることに決めた彼らからの贈り物は蛇とネズミ

家族といえばこの頃にはマイケルとポッポの子供も定着していますが、第五巻の時点ではくっついて動き回っているだけです。
第六巻では巨大に成長するミニケルですが、ここではまだまだ可愛らしいミニマイケルそのもの。
Vol.89『セミ』ではミニケルどころかポッポも含めた三匹全員が漫画中で全く同じ動きだけをしているという仲睦まじい様子が描かれています。


※真ん中の本はノリ子夫人によるエッセイ。マイケルの舞台裏…先生たちと猫のエピソードが描かれています。amazonのなか見!検索で夫婦の写真を見ることが出来ます。


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ジェイムズ・フィリモア氏の失踪/エラリー・クィーン(シャーロック・ホームズの災難 上)
『シャーロック・ホームズの災難』の編者であるエラリー・クイーンも作品を提出しています。
それがこの『ジェイムズ・フィリモア氏の失踪』です。

他の贋作ホームズの作品群に引けを取らないマニアックぶりを披露しているこの作品は、エラリー・クイーンがホームズを操るという形ではなく、ホームズの正典中に出てくる、いわゆる『語られざる事件』を題材にしています。
探偵はもちろんエラリー・クィーンの分身ともいえるエラリー・クィーン&クイーン警視のコンビです。

ちなみに扱っている事件はシャーロック・ホームズの事件簿へ登場する『ソア橋』で触れられたジェイムズ・フィリモア氏の不可解な失踪に関連するものです。(この事件に関しては正典やジューン・トムスンのパスティーシュを参考あれ!)

物語は演劇の台本のような形式で描かれています。

病気でダウンしているクィーンの下へ父親の警視がやってきて、投資の詐欺を働いているリトル・ジムことジェイムズ・フィリモアの逮捕が近いことを告げる。
ようやく一件落着というのがうれしいらしく、その態度が病床から見ていて気に入らなかったのか、エラリーは見送った後に『くたばれ……おやじ!』と、とんでもない悪態をついています。

しかし逮捕直前、家の周りを包囲して構えているその瞬間に、一度空模様を気にして家へ引き返したリトル・ジムは二度と彼らの前に姿を現さなかったのである!
事の異常さに気付いた彼らは慌てて室内を捜索するも、リトル・ジムを見つけることが出来ない。
ちなみにリトル・ジムという名称は、犯人の身長が低い事から。
そのコンプレックスゆえか、従僕は非常に長身で、『非常に背の高い者以外はお雇い入れになりません』lとの事。中途半端に自分より高いのは目立つから嫌なのでしょうか…。
そして外面的な特徴してヒゲを伸ばしているのも、『きっとそれで大きくなったようなえらそうに成った気がしていらっしゃるんじゃないでしょうか』との事。
リトル・ジム、良いヤツなんじゃないか。
かいがいしいじゃじゃねぇか…。

なかなか犯人が見つからないので、警視は一旦帰宅してエラリーの意見を参考しようとする。
そして再捜索すべきポイントをいくつか挙げ、今度は病気に臥したエラリーの世話をしていたニッキーをつれて現場へと戻るが、それでもなかなか見つからない。

ちなみに後半、ニッキーのボケが良い味になっています。
小男であることから、冷蔵庫の中の調査も依頼したのだが、ニッキーの返答は『おいしいものがいっぱいです』。
こりゃ、見つからんですわ。

こんなドタバタ劇な感じで物語が進んでいきます。
ラストは、やはりさすがエラリー・クイーン。
リトル・ジムの身体的な特徴を上手く用いて綺麗に纏め上げています。
じっくり本を読む人ほど騙される…。
エラリー・クイーンから読者への軽い挑戦状です。

ちなみにこの事件の解決に登場するリトル・ジムはホームズが取り逃がした先述の事件の孫に当たる人物という設定になっており、この事件の解決の内容こそが、実はホームズの語られざる事件の真相とも同じではないでしょうか?と、意見を求めて詳細を手紙にして送ったというものです。
そして意見の返送と共に、近影を求めている…!

どうやらエラリー・クィーンは『ホームズはまだ生きている』説を採っているようです。



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高名なペテン師の冒険/アンソニー・バウチャー(シャーロック・ホームズの災難 上)
アンソニー・バウチャーが実在の事件(ナチの大物、ルドルフ・ヘスがイギリスへ単独侵入を決行した事件)を題材にして、ホームズの分析力をクローズアップした作品を描いています。

場所はサセックスの養蜂場。
痩せこけた老人と、その友人である年寄りの医者こそ、探偵小説に名跡を残すホームズ&ワトソンの老後の姿である…という設定です。

グラスゴーの病院に収監された自らをホーンと名乗っていた男は、後に自分がルドルフ・ヘス(ヒトラーの『我が闘争』の口述筆記をしたりしたナチの有力者)であることを明かした…という事件で、この物語の舞台はその事実がセンセーショナルに報道されている時期のようです。

老人は言う。
1941年の5月現在、最大の話題の人物といえばこのホルンとか言う、あやしげなドイツ野郎だろうな

そう。
老人は自らをヘスだと名乗った人物を当初名乗ったホーンという人物だと言ったのである。
そして状況証拠を一つずつ挙げていくことで、本物のヘスは既に暗殺されており、その事実がヘスの派閥の離散や反逆につながらないように、影武者を丸腰でイギリスへ向かわせ、華々しく戦死したかのように演出する必要があったのだ…と。

この推理の部分、実はヘスに関して実際によく言われている噂です。
老人はこれを分析的に解決してみせたのである。

そう。
僕のやり方はわかってるだろう?
老人は友人に問う。
不可能なものを取り除いていったら、後に残るのは…。
この先はシャーロッキアンなら言わずもがなですね。

老練な分析力を見せるホームズ。
こんな老後の設定も、なかなか興味深いです。



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発表!エクセル関数大賞 Excel2007対応編
使用頻度の高い(=便利な)エクセルの関数を集めた一冊です。
頻度をビジネスシーンと限ったことで、内容はかなり実践的になっています。

タイトルからするとある程度は使える人じゃないと難しいのかな?と思ったのですが、そんなことは無く基礎の基礎、関数の入力の仕方もフォローしています。
関数の入力も含まれている第一章の『関数基礎講座』をきちんと押さえて、後は掲載されている内容に忠実に行えば、大半の関数はエクセルの関数を始めて使うという人でも入力できるはずです。
全部で九章からなり、先述の一章と合計や平均といった『絶対覚えておきたい関数』(第二章)までが基礎になっており、第三章以降は計算を楽に行う、データに条件を与えて処理する、統計(偏差値、最頻値など)を取る、データの検索や集計をするさいに便利な関数、少し経理的な部分で財務や家計に求めるようなローン返済、減価償却費の計算や、頻度自体はそれほどでも?と思うものの使えたら格好良い日時や時刻に関する関数、文字を一括変換する関数といった具合で紹介されています。

関数の入力の仕方や使い方に関して等は細かく記されているので、机に一冊置いておくだけで『こんなことできるかな』や、余り使わない関数で『どうだったかな』という際には非常に便利です。
とくに各関数ごとに用意されている『まとめ』では、結構『こう記述すればこうなる』程度に流していた関数の一つ一つの部位の意味なども紹介されているので、そこをきちんと把握すれば似たような別の関数を考えることができます。

しかしこの本の醍醐味はそれだけではありません。
Excel2007対応編と銘打ったこの一冊。

実は関数を実際に入力するのに使ったのはEXCEL2002

うぉ、旧バージョンだ!

もちろん文章中にExcel2007の場合だとこういう画面が出る…といった注釈が入っているものの、どことなく理不尽さが漂う感じが最高です。

ちなみにタイトルどおり、各章で大賞が割り当てられています。(1章は除く。ちなみに2章は合計が大賞…確かに全ての基本になる大事な関数だけど、ちょっと理不尽?)
大賞のみ、一般利用者と思われる方からコメントが寄せられています。

第五章、統計に関する関数の大賞
条件に合ったデータの数を数える
コメント:表からを数えるのは面倒ですし、間違えやすいのでこの関数は重宝しています。

…データの統計は間違えなくなったみたいですが、文章がちょっと間違えてるような…。

ところでこの本で唯一よく判らなかったのは、選出の基準。
実際の利用者からのコメントが入っているなど、パッと見た感じ投票でも行われたかのようにも思えるのですが、表紙にもある『ビジネスマン・OL大調査』がどのように行われたのかがさっぱりわかりませんでした…。

ちなみにお買い上げはコンビニでどうぞ。


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夫人失踪事件/アガサ・クリスティー(おしどり探偵/シャーロック・ホームズの災難)
僕はひとつそれぞれのやり方をやってみて、結果を比べてみようと思ってるんだ

贋作ホームズというと少し違和感の生じる作品です。
そもそもは『おしどり探偵』というタイトルで出版されたもので、トミーとタペンスの夫婦を主人公にしたシリーズの短編集に収録されています。
この本自体がパロディをテーマにしたような内容になっており、短編ごとにホームズに限らず様々な探偵小説のキャラクターの身振りや発言、推理方法を採用して事件に挑むというコンセプトになっています。

そしてもちろんこの『夫人失踪事件』はシャーロック・ホームズのやり方を踏襲することで事件に挑んだ作品です。
なので、主人公はホームズではなくトミーであり、助手も黒子役に徹するワトソンではなく夫婦として同じくらい活躍をしてみせるタペンスです。

さて、ホームズのやり方でいってみようと思ったトミー。
わざわざ化粧着、ペルシャ風のスリッパ、バイオリンというアイテムをそろえて構えています。
依頼人を迎えるや否や、『あなたはタクシーでここへ来られましたね』と、例のアレで迎え撃ちます。
ちなみにこのタクシーだと言い当てたのは『あてずっぽう』だそうです。

依頼人は冒険家で、北極からイギリスへ帰って来たばかりだった。
たまたま知人のヨットに同乗できたので予定よりも二週間も早く帰還でき、さっそく婚約者に会いに行こうと思ったのだが、その婚約者の所在がどうもはっきりしない。
親戚の家を訪ねてみても、数日後には戻ると嘯くばかりで、言われた知人の家にも行っていない様子だった。そこでトミーの元へ調査依頼が舞い込んだのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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ホームズと翔んでる女/アントニィ・バークリィ(シャーロック・ホームズの災難 上)
他の作家の文体の模倣をこととしてはならないということは、文学的技巧の第一原則でもある
探偵:シャーロック・ホームズ 語り手:バーティ・ワトスン

ユニークな批評などでも知られるアントニー・バークリーが描いたホームズは、ドイルの文体を模倣して作品を作るというパスティーシュの王道を敢えて否定し、その上でP・G・ウッドハウス(イギリスのユーモア小説の作家) にドイルの代打を頼むとして、模倣ではなく彼独自の文体でホームズを書いてみるとどうなるのか…?というものでした。

これは面白い試みだと思います。
結構ホームズを題材にしたブラック・ジョークの作品は出ているものの、あえてP・G・ウッドハウスの文体にこだわった結果、非常に不思議な感じのホームズのパロディが構築されています。

依頼人からの手紙の内容もドイルとは少し違っています。
内容自体も酔っ払った男性から受けた求婚の話が翌日になって無効だといわれ、それをどうにかして欲しいというものでしたが、『わたくしが言いたいことは、どうなってんの、ということなんですけれど』などと、ドイルの筆からは絶対に飛び出しそうに無いフレーズが出てきます。
しかも依頼人が到着した際のホームズの発言も要注目。
ワト公、賭けてもいいな。女はちょっと気取ってて、しかもすこぶるつきの上玉だ』

うぉ、こんなホームズ見たこと無い!

ちなみに実際に依頼人の女性を見たワトソンの感想は『美味しそうなチーズの上に輝く日光を思った』とのこと。
ちなみにホームズはそのまま依頼人と一緒にお茶へ出て行き、思いもよらぬ(ホームズを愛してやまないファンには絶対に想像できないような)方法で事件を終わらせて戻ってきます。

もちろん正統派を好む人には悪ふざけしすぎな感じもあるでしょうし、これのどこがホームズやねんという意見もごもっともですが、ドイルの文体というものから思い切って離れてみることで印象がこれほど大きく変わってくるというのも、なかなか興味深い。
願わくば既存の事件でも、オリジナルの事件でも、この文体で一個正当なものを読んでみたい思いました。



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