本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

About Me

Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

最新入荷記事☆

本棚

カレンダー


02月 | 2008年03月 | 04月
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


お勧め。


ポストで買取,eBook Off

年代別ブログ図鑑

皆様の感想文

トラックバック

ベストセラー

にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ

稀覯本『ハムレット』/ ヴィンセント・スタリット(シャーロック・ホームズの災難 上)
ワトソン博士の著作をお読みになっていれば、こういう誤りは犯さなかったと思うんですがね

探偵:シャーロック・ホームズ 語り手:ワトソン

エラリィ・クイーンもその仕上がりを史上最上質と評した一作で、シャーロック・ホームズの災難の作品でここまで紹介した中で、ようやく真っ向なパスティーシュ作品の登場です。
しかもその出来は、まるでコナン・ドイル自身の作品を読んでいるかのような完成度です。

作品の始まりもベーカー街のいつもの下宿から道を見下ろし、依頼人を見極めるという定番シーンから始まります。
ちなみにここでホームズが推理した依頼人の職業『蒐集家』を、ワトソンは『集金人』と勘違いします。
日本語で読んでいるとワトソンが間抜けな聞き違いをしたように聞こえますが、英語でcollectorは収集家と同時に集金人の意味もあります。
なのでワトソンは『未払いはないはずなんだが』と、ホームズシリーズには意外と登場しない現実的な言葉を口にするのでした。チャンチャン。

依頼人は親友が持っている1602年の四つ折版のハムレットを失くしてしまったのだった。
思わずホームズやワトソンがその存在に感嘆するほど貴重な逸品だったが、依頼人の親友がそれを保持していたのである。
シェークスピアやエリザベス朝期の研究を行ってきていた依頼人にとってその本は非常に魅力的なもので、本の持ち主にその本を見せてもらえるように懇願します。
その条件も、本の持ち主の家で、猟銃を持った監視つきでかまわないというものでしたが、親友はこれを笑い飛ばし、気軽に貸し出すと応えたのでした。
依頼人はその責任の重さに悩んだものの、結局貸してもらう事を決めました。

そしてすぐ近所の親友の家から自分の家へと戻っていく最中…彼は襲われ、本を奪われてしまった。
しかもその本を奪ったのは、親友がボディガードにつけてくれた親友の家で働く召使二人だったのでした。

そして起こってしまったことの重大さに、ホームズの元へ助けを求めてやってきだのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
洗濯ひもの冒険/キャロリン・ウェルズ(シャーロック・ホームズの災難 上)
キャロリン・ウェルズが描いたシャーロック・ホームズのパロディです。
原題のThe Adventure of the Clothes-Lineは思わずニヤリとさせられるタイトルですが、内容は更にニヤニヤさせられるようなものになっています。

まず設定としていつもの下宿からは大きく離れて、ある名探偵協会の会長としてホームズが登場します。
そしてその下に集うのもルパンに思考機械、イギリスの泥棒紳士ラッフルズ、ヴィドックといった名探偵たちばかり。
そう、この洗濯ひもの冒険はホームズのみならず、世界中の探偵を一堂に集めたパロディなのです。

ホームズが探偵たちへ提示した一つの怪事件。
ある軽侮が高架鉄道に乗っている際に見かけたという不思議な風景…それは安アパートの棟から棟へ張られた洗濯ひもを伝って苦しげな表情を浮かべた美女が移動しようとしていたというものだった。
そして地上へ残された一つの足跡…。これはスリッパを落としたものらしかったが、そのサイズは彼女が履くには小さすぎるサイズのものだった。

ホームズが事件の説明をしている間にも名探偵たちからはいくつもの質問が飛ぶ。
思考機械ことドゥーゼン教授からは洗濯機でも考えそうな質問が、ルコックの質問はホームズに『だからどうしたというのかね?』と突っ込みを受け…。
なるほど、単体だと個性豊かで思慮深く感じる名探偵たちもこうやって揃うと実にやかましい。

ホームズはこの事件に検証がかかっていることをつげ、各自一週間の期間で調査を進めてくるようにと告げる。

実はこの物語、非常に短く調査の過程などは一切すっ飛ばしていきなり一週間後に飛びます。
そこで各自の推理を自信満々に持ち寄るのだが…思いもよらぬ結論に、誰もがあっけに取られるはずです。

この作品は長いものの、どことなく示唆的というか興味深い内容でした。
各自が自分たちの得意とする方面から物を考え、(幾分か悪ふざけなパロディ気味ではあるものの)それぞれの結論を導き出す。
探偵小説というのは、事件ありきではなく、探偵ありきで…たとえばキャサリンは京都の風雅に関連したトリックを、十津川警部は乗り物のトリックを、浅見光彦は風土に関連したトリックを事件から見出していくように、たとえ同じ起点からスタートしたとしても、行き着く結論は異なる終点になるものです。
この作品はそんな傾向を面白おかしく描いているようにも感じます。

さて、名探偵たちの中に隠れてひっそり登場しているのがわれらがワトソン。
すばらしい、ホームズ君。最高だよ
ただ、この一言を言うためだけに。
(ちなみに三回言って、そのうちの一回は出かけなければならなかったので蓄音機で流しています。名探偵をその気にさせるのも助手の仕事…!?)



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ベストカー
売れ筋カー雑誌の一つ、ベストカー。
CARトップに比べると多少マニアまでカバーしているものの、極端に偏向しない一冊です。
ただしCARトップとの最大の違いは水着グラビアがないことぐらいでしょうか。
待合室や電車などで読むのにはこちらの方が安心です。

傾向としては予想CGを大胆に出してきます。
その分、的中率ではCARトップより劣るようなイメージもありますが、毎号ごとに表紙はインパクトたっぷり。復活やら速報やらスクープやらと大胆な言葉が並んでおり、愛読者は『またまた~』とか言いながらも好んでだまされにいくという変わった現象がみられます。

扱う車種も幅広いものの、どちらかというとスポーツカー志向が強めで、その影響からか、他誌に比べると自動車評論家がクローズアップされており、名前を冠したコラムなども多く掲載されています。
しかしその反面、電話で販売店などへの突撃取材を敢行したり、自動車業界外の執筆者やアマチュアの自動車愛好家の率直な意見を綴った記事なども多々掲載されているので、玄人志向の報道に流されない意見に触れることが出来る一面もあります。
また記事の内容も自動車業界のみならず政治的な一面などを見たりと、全体的に明るいイメージがある一方で深く掘り下げた読み応えのある記事も多く掲載されています。

そういえば水着グラビアがないことをCARトップとの差異として挙げましたが、心配することなかれ。
モーターショーのコンパニオンやレースクィーンなどの取り上げ方はCARトップを上回る勢い。
車好きのニーズにきっちり応えています。

この辺り、さすが売り上げ№1の実績です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
遅かりしホルムロック・シアーズ/モーリス・ルブラン(シャーロック・ホームズの災難 上)
探偵・ホルムロック・シアーズ

アルセーヌ・ルパンの作者であるモーリス・ルブランが当時の探偵小説界の大スターだったシャーロック・ホームズを自らの生み出したルパンと対決させるに至った作品です。
当時の著作権に対する意識がどの程度のものだったのかは判りませんが、この試みに際してコナン・ドイルには無許可で登場させた為にドイル側からの抗議を受け、その結果として探偵の名称の変更を余儀なくされています。
それがホルムロック・シアーズ。
ちなみに一般的に良く出てくるルブランのホームズの名前はスペルを入れ替えたアナグラムである『エルロック・ショルメ』の名称が良く知られていますが、このホルムロック・シアーズという名称はホームズの生まれ故郷であるイギリスで、もう一歩ホームズの名前の原型を崩した形にしたものです。

エルロック・ショルメ(今回の訳ではホルムロック・シアーズ)はこの後も登場するのですが、その際にはコナン・ドイルの抗議を受けてかなり設定を変えてきているので、モーリス・ルブランの描いた贋作ホームズとしてはこちらが王道といえそうです。

ちなみに物語の解説で、エラリー・クィーンはルパンが決してホームズに対して引き分け以上の成果をあげられなかったことについて『フランス紳士ルブラン氏からの、あらゆるイギリス人に対する、忘れがたい挨拶であったとはいえないだろうか』と触れています。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
CARトップ
人気のカー雑誌から、CARトップをご紹介。

BESTカー、ホリデーオートに並ぶ売り上げ上位の雑誌の一つですが、新車の予想CGの的中率の高さや車に詳しくない人でも気軽に読める幅広い内容や解説が嬉しい内容になっています。
スポーツモデルから一般ユースの乗用車まで幅広く扱っているので、一部の雑誌のようなマニアックさでは劣るものの、扱う情報量は非常に大きいです。

しかし!
このカートップの最大の特徴はそこだけではありません。
毎号グラビア付き
そう、この雑誌なぜか水着グラビアが毎号付いています。
簡潔に説明すると、表紙でポーズを取っている女の子の水着グラビアがついている、と。
傾向としては二十代半ばくらいの、免許を持っている年頃向けの(?)年齢の女の子が多いです。
ちなみにグラビア+インタビューなのですが、一応形式的くらいに車の話題に触れているものの、ほとんど関係なし!
更に言えばその女の子と車のツーショットがあるわけでもない
雑誌の中で試乗をするわけでもなく、車を紹介するわけでもなく、車を使ってグラビアをするわけでもなく、特段車好きというわけでもなさそうです。
突如カー雑誌の中に登場する水着グラビア。

これこそカートップのアイデンティティ(笑)!

ちなみにこの雑誌ではそのほかにもポロポロと女性は登場します。それは車に女性が乗った感じがどうなるのか?というもので、ちょっとミニスカートだとしても別に意味はなさそうです。
しかし更に2008年3月現在で言えば、『じどうしゃ男塾』ではこれまた美脚を披露しながら様々な名車を女性目線で鋭く車評していく阪本麻美さんをピックアップした連載があるなど、妙に艶っぽい路線に強い内容になっており、興味のない車の記事でもついつい読んでしまうという意外な相乗効果を生み出しています。

若者の車離れに歯止めを掛けるのはカートップだ!!

興味のない車の知識も…とお考えの方にはお勧めの一冊です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ペグラムの怪事件/ロバート・バー(シャーロック・ホームズの災難 上)
探 偵:シャーロー・コームズ
語り手:ホワトスン

シャーロック・ホームズシリーズの短編発表の翌年には書かれていたという、最も初期のホームズのパロディの一つがこの『ペグラムの怪事件』です。
著者はロバート・バー。発表当時にはリューク・シャープと名乗っていました。

分類としてはホームズの特徴を面白おかしく誇張したような表現になっています。
たとえばホームズお得意の『依頼人が来たようだ』という推理も、依頼人の姿を見るや否や、まだ部屋に挙がってきても居ないのに唐突に『どうぞ、入ってください』と口にし、ホワトスンを困惑させてしまったりしています。
また依頼人がジャーナリストであることを言い当て、依頼人にスコットランド・ヤードのグレゴリー並だと評された際、それが褒め言葉であるにもかかわらず気に入らなかったホームズは銃を手に取ると、こう告げた。
死んでもらいます
こ、こんなのホームズじゃないやい!と思うことなかれ。これも贋作ホームズの楽しみの一つ。
ちなみにホワトスンがこの銃殺をとめた際の説得は『カーペットが汚れたらどうするんだ。』。
その説得の方が妙に迫力があると思う

さて持ち込まれた事件の概要は以下の通り。
依頼人は事件に直接関係するわけではなく、特ダネを狙って話題のニュースの解決を依頼してきた。
その事件とは、ある紳士が普段通勤に用いているのとは違う特急列車の中でしたいとなって発見されたというものだった。
奇妙な点は四点。
まず被害者が普段使う駅に停車しない特急列車で死んでいたこと、彼の持っている定期ではその電車に乗る前に駅員に止められているはずだったこと、殺人者が姿をくらましていること、両隣の客室の乗客は銃声などを一切聞いていないこと…。

そう、まるで走っている電車の中に突然遺体だけが現れたかのような事件だったのだ…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
東京モーターショー2007/モーターファン別冊

東京モーターショーの総集編です…と思ったら、モーターショー直前、全ての会社から出品される車種が発表された時点でのガイドブックでした。
なのでこのときに一番注目を集めたスカイラインGT-Rの後継、NISSAN GT-Rは細かなスペック等は掲載されているものの、モーターショー当日まで隠され続けたフロントマスクは予想CGまで。
ただしほとんどそのまんまなので、いいかなぁ?と思うものの、ちょっと損した気分です。

さて2007年の東京モーターショーは第40回というメモリアルであると同時に、近年下火気味だったスポーツモデルの新型が大量に投入されるということで注目を集めました。

まず目玉は先述のNISSAN GT-R。
スカイラインの名は外したものの、与えられた型番は『R35』。R34スカイラインからV35に移行した際に途切れた連番をそのまま引き継いだ、正当なる新型GT-Rとして5年ぶりに復活を果たした、そのお披露目でした。

またTOYOTAはレクサスブランドのISをチューニングしたIS-Fを出品。
話題性では伝統あるGT-Rに持っていかれたものの、性能ではGT-Rに勝るとも劣らない一台です。

HONDAからは消滅したCR-Xを髣髴とさせるスタイルを持つハイブリッドカー、CR-Zを出品。
ジュネーブで発表された段階から、更に市販化を見据えたスタイルになってきている事から往年のCR-Xファンの期待を集めました。

MITSUBISHIからは新世代に切り替わったランサーエボリューションX。
こちらは既に市販開始されているモデルながら、数が出る車ではないだけにここでチェックという方も多かったはず。ちなみにこちらは名前はそのままなものの、現行ランサー(国内用ランサー)を母体とせず、新型のギャラン・フォルティス(海外用ランサー)を母体として生まれ変わりました。
ちなみにMITSUBISHIはここで研究を進めているiの電気自動車モデルi Mievの2ドアクーペモデル、i Miev SPORTも紹介しました。

またランエボとしのぎを削るインプレッサも、新型から1グレードではなく独立モデルになったWRX STI Versionを発表しています。
通常のインプレッサとは大きく雰囲気の違うエクステリアも注目を集めました。

MAZDAからは復活RX-7への模索と噂されるNAGAREシリーズの集大成として『大気』を発表。走行中の空気の流れがそのままデザインになったような奇抜な車体が印象的です。
ちなみにこの大気は同時に出品された次世代型のロータリーエンジン(RENESIS)を搭載しています。

SUZUKIからはSUZUKIのフラッグシップカー?とうわさされるKizashiのワゴンタイプを発表。
軽自動車、小型車のイメージを一新するかのようなダイナミックな一台です。
そしてWRC参戦モデルであるSX4 WRCも出品されました。

DAIHATSUからはこのまま2代目コペンになるのではないかと噂された啓規格で作られたオープン2シーターのOFC-1が出品されています。
コペンの次期モデルであることは否定されたものの、液晶サンシェードや充分なトランク要領など、完成度の高さが目立つ一品でした。

ちなみに光岡からもオロチの進化モデル、オロチ・カブトが登場しました。

さて、モーターサロンの本でもそうでしたが、なぜかこういう雑誌で結構なスペースを割いているのがモーターショーコンパニオンの皆さん。
今回は40回目の方々だけでなく、40回の歴史からメーカーごとの衣装の傾向を探るという特集ぶり。
ちなみに40回の傾向は城で露出度の低い衣装が中心だったそうで、『こうなると素材のよさが問われる。』と、車評のごとき言葉まで登場しています。
ただし『皆様お美しいのでまったく問題ない』との事。
何の本だ、これ

もちろん車でも同様の特集が組まれており、歴史に名を残す名車が紹介されています。
ざっと見ただけでもフェアレディの原型となるダットサン・スポーツカーは5回目、ロータリーエンジンは10回目、19回目では幻になった日産のロータリーエンジンなど、歴史ありです。

ちょっとページ数が少ないものの、商用トラックや二輪の特集ページもあり、『開催前』ではあるものの、ショーの雰囲気を楽しめる一冊です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
CITY HUNTER A MUGNAM OF LOVE'S DESTINATION- 愛と宿命のマグナム(サウンドトラック)
シティーハンターの映画化第一弾、『シティーハンター 愛と宿命のマグナム』のオリジナルサウンドトラックです。

付属の小冊子には嬉しくてたまらない!といった様子の諏訪道彦さんのコメントや、映画のあらすじ、キャラクター紹介などが掲載されています。

ちなみにここで改めて紹介された主要キャラクターの解説を一部ご紹介。

冴羽 獠:天才的なガンテクニックと無節操な下半身を持つ男。
こ、こう淡々と紹介されるとただの変態じゃないですか…。
槇村 香:獠のスケベのストッパーとなっている。
…おーい。
伊集院隼人:通称"海坊主゛。獠の良きライバル。(全文)
…短い。

映画の物語も映画だけにワールドワイド。

日本の警察に情報を売ろうとしていた情報屋が空港で射殺された。
しかし肝心の極秘情報を父親を探しに孫のニーナと来日していたクラウス持っているらしいことがわかり、彼らはその情報を奪おうとクラウスに襲い掛かる。
一方、空港での騒ぎに乗じてクラウスを巻いたニーナはシティーハンターの下へ父親探しの依頼を持ち込んでいた。
実は極秘情報はニーナのペンダントに隠されていたのだった…。

こんな感じの物語。もちろん言うまでもなくニーナは美女という設定である。

サントラの内容は、シティーハンターらしいなぁという感じです。
ちょっとおしゃれな感じで、だけど少し哀愁を帯びたような、冴羽 獠の人柄を映すような楽曲です。
オープニング曲は『週末のソルジャー』で金子美香さんが、エンディング曲は『十六夜』で 高橋真梨子さんがそれぞれ歌っています。
他、『ONLY IN MY DREAMS』と『LOVE GAMES』の二曲も歌付きで、洋楽から採用したのかと思いきや歌っているのは国分友里惠さんでした。
どの曲も作品の世界にすごく合っていて、聴きながら『あぁ、ここはこんなシーンに使いたいなぁ』とニヤニヤしながら聴ける内容で、原作を読む際のBGMにはばっちり。
ちなみに僕のドライブの時のお供によく採用されています。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山の経済散歩
岡山の経済史を追った本です。

経済散歩』なんて風雅な名前とは裏腹に、内容は結構データ重視の資料が中心になっています。
色々な時点での統計データが数多く掲載されており、それが順繰りになっていないので、完全な資料的な価値としてはそれほどではないものの、断片的に岡山の経済の歴史を知るのには充分です。
たとえば『ビールの価格の移り変わり』では、明治10年に16銭で始まった価格が段々と上がり、大正の3年には22銭、昭和の3年では41銭、終戦後には120~130円台となり、昭和55年の段階で240円と変化しています。

経済の歴史を追っていて気づいたのは、経済の変化や多様化の歴史をたどるごとに、自分の知っている現在の岡山の町の形に近づいていくことです。
経済散歩とはうまい事言ったもんだなと、妙に納得します。
僕たちが知っている町の商店街や、時には老舗が登場し、そして交通網が整うことや、時には天満屋のような大型の店舗が登場することで繁華街が移動したり…。

もちろん歴史の授業で習ったような景気の上下もあります。
たとえば山陽新報が行った岡山のお店の業種別人気投票で唯一現在まで残っているのは表町にある細謹舎さんのみで、一時的には人気を集めたお店でも歴史の変化の中でいつまでも続けていくことの難しさを痛感させられます。
また、今になってみれば『そんなことがあったんだ』と思うようなこともあれば、普段何気なく見ている風景や建物にその頃の痕跡が残されていたり…。過去があるからこそ現在があるという事を痛感させられます。

ちなみにこの本が昭和55年の出版。
僕より年上です。
今ではすっかり閑散としている百貨店、天満屋の屋上にある遊園地の写真が、なにやら活気にあふれているようで驚きました。経済という視点を通して、岡山の町の歴史を散歩できる一冊でした。

ただ途中古い資料の引用が多くて、頭の中がカタカナだらけになって困ったなぁ…。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
海からの贈物/作・ アン・モロウ・リンドバーグ 訳・吉田健一
リンドバーグ夫人として知られるアン・モロウ・リンドバーグさんが、家庭から離れて単身で島での暮らしを、波の音が今にも聞こえてきそうな一冊のエッセイに仕立てたものです。
大西洋単独無着陸横断飛行のイメージが強い著者ですが、今作で象徴的なのはそういった自らや夫の特異性をすべて排除した、まるで普通の家庭人が少し家庭から離れて自分自身の生活を振り返ってみた…そういった感じで描かれていることです。
ここに登場するのは一人のアメリカに住んでいる主婦であり、その夫もただの夫でしかなく、家庭を構成するメンバーの一人として以上は描かれていません。

冒頭で触れたとおり、リンドバーグ夫人は一人家庭から離れて島で暮らし始めます。
都会での喧騒から離れた彼女は海や海辺に落ちている貝から、今までの自分の暮らしを振り返り、そして『空白』の大切さに気づかされます。
我々は宝ものを、――貝殻を持ちすぎているという場合も生じる

そんな気持ちに至るまでの過程を、彼女はいくつかの貝殻に託して言葉にしています。
そしてそれは女性、主婦の生き方に対するメッセージであり、人間の人生に対するそれでもあるようです。

・ほら貝
ほら貝~ヤドカリと受け継がれ、今は空き家になったほら貝を見つめて、その簡素さに感嘆する。
そしてそのほら貝の簡素さは市までの生活にも通じる。
どれだけ少ないものでやっていけるか…。
荷物も少なく、建物だって簡素で松の木で目隠しが出来れば充分…。
自分たちがいかに多くのものを持ちすぎてこんがらがっているのか?を見つめなおすエピソード。

・つめた貝
女が満たされるために必要なこと…。
その答えをつめた貝(ツメタガイ)は『一人になること』と答える。
主婦だけが定期的な休暇がない労働者である』ことに対して、週に一回、一日に一時間でも一人で居る時間を作ることで、自分というものの本質を再び見出すことが出来る。
リンドバーグさん自身もコネティカットの自宅の部屋の机へ置くことでその重要性を常に再認識するようにするそうです。

・日の出貝
友達が夫人にいきなりくれたという日の出貝は脆いものだが、左右対称で蝶のような模様をした美しいもので、この左右対称になっている事から、夫人は夫婦というものについて考えさせられるようになります。
月日の流れで段々と変化していく夫婦の関係…。
それをもう一度呼び戻すための方法は、女が一人でどこかへ出かけるような時間をとるか、もしくは出会った頃にお互いが惹かれたのと同じように二人きりで旅行をすることだと考えます。
日常生活の中での様々な喧騒や、増えた家族との関係…様々なものが二人の距離感を開こうとしても、たまに二人きりで過ごす時間をとることで再び二人の関係は戻せるはず。

・牡蠣
しかし、と日の出貝のエピソードに対して続くエピソード。
日の出貝のような関係を続けていくことも大事だが、いつまでも日の出貝の関係である以上に、それぞれが変化していくことも出来る。それを思わせたのはそれぞれが様々な形に成長し、小さな貝殻を身に纏った牡蠣の貝殻だった。
牡蠣は決して美しい貝ではないが、その生活に適応するための形である。

たこぶね
(注:たこぶねとは、たこぶね科の蛸が卵を入れるために作る殻で、不要になると破棄するもの)
更に牡蠣から流れるように物語が進み、子育てが終わった過程の様子を、同様の目的で使われるたこぶねにたとえていますが、このたこぶねはこのエピソードで唯一『専門家の収集でしか見たことがない』ということで、どうやら机の上にも並んでいない様子。
子供が孵り、泳ぎ去ると母の蛸はこのたこぶねを捨ててまた新しい生活を始める。
これまでの親密なだけの関係から、個々が別々に二つの孤独になるような時間をも同時に持つこと…。

・幾つかの貝
荷造りをしている夫人。
彼女は島へやってきたばかりの頃の貝の集め方を思い出していた。
今でも充分に机の上は貝だらけになっているはずですが、当時の彼女は収集する余りポケットはびしょぬれになるわ、本棚から窓の棚まで貝で一杯になる有様だったようで、そこで彼女はいいものだけを選んでおくことを気づきます。

浜辺中の美しい会を凡て集めることはできない。
少ししか集められなくて、そして少しのほうがもっと美しく見える。


これが彼女が島で得た大きな体験だったのではないでしょうか。

・浜辺を振返って
いよいよ帰ることになった夫人。
ものや情報があふれる社会へ帰るに際して、『現在』しかありえなかったこの島から、社会への疑問を投げかけます。
未来は現代の代用になるだろうか。

家庭という中にある女だからこそ、知っている個人というものの大切さ。
現代の社会はそれをそろそろ返上しなくてはならないのではないか?と彼女は問う。
現代社会はたくさんのものを抱え込みすぎている。
現代は未来に追いやられ、自分の居る場所も見えずに世界のどこかを気にかけている。

海からの贈り物とは、もっと両手に抱えた荷物を降ろしてでもやっていけるという人生の楽しみ方なのかもしれない。




もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
猿/芥川龍之介
ある軍艦で起こった窃盗事件を描いた作品です。

船内で多発した盗難事件の犯人を捜すべく、人々が動き出します。
まず全員を裸にして身体検査を行いますが、総勢600人もの軍艦。主人公はこの風景を表現して曰く『奇観』。
さて、主人公はこの身体検査から離れて別の調査を始めます。

この時点で、僕はもう『あぁ、猿ね』と思い、なるほど芥川でもモルグ街の殺人の影響を受けるんだなぁなどと妙な新説を打ち立てかけていたのですが、猿が犯人の事件は既に追憶の中で登場してしまいます。
艦長の時計を持って逃げ回った猿のエピソードですが、猿に限らず色々と購入したり譲られたりした動物が船内には居たようで、猿を探し回っている間にも『犬が足にからまるやら、ペリカンが啼き出すやら、ロオプに吊つてある籠の中で、鸚哥(いんこ)が、気のちがつたやうに、羽搏きをするやら』と、実に大騒ぎになったそうです。

ちなみに猿は無事に捕まり、飼い主の手によって『満二日、絶食の懲罰』を受けたのでした。
うぉ、可愛らしいエピソードだな、それ。

さて調査の段階で既に犯人は判明します。
最初はその盗人猿と同様に『猿は猿』などと称して探していた主人公ですが、犯人を目の前にすると不思議な感覚にとらわれます。

この男を罪人にしようとしてゐるのだ―

猿は二日の絶食で許された。
しかし人間はそうは行かない。過酷なことで知られる浦賀の海軍監獄へ送られる。
正しいことをしているとはいえ、人の人生にそれだけの重みをつける事になる。
それは猿を捕まえるのとはまったく異質なものだった…。

この物語を軍艦という特殊な舞台で表現した芥川龍之介さんの意図もまた興味深い。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ぼくらの七日間戦争/宗田 理
解放区より 愛をこめて

宗田 理さんのぼくらシリーズ最初の作品がぼくらの七日間戦争です。
当時アイドルとして売り出し中だった宮沢りえさんを中心とした映画化も大成功、やんちゃな中学生と大人との戦いを描いた作品は世間に衝撃と感動を与えました。
僕が持っている本の表紙にはまだ幼さの残る宮沢りえさんなど、映画化の際の出演者の写真が掲載されています。ちなみに彼らが登っている戦車は映画のみに登場したもので、原作中には登場していません。

今回はその原作を開いてみました。

□ あらすじ

夏休みを控えた終業式の日、ある中学校の1年2組の男子生徒が怪我をしていた1人を残し、全員姿を消した。

自分たちの意思で?それとも誘拐されたのか?
慌てふためく大人たちを傍目に子供たちは荒川河川敷にある空きビルに集まっていた。
そして彼らが砦と決め込んだその建物の名前は『解放区』。
そこから大人たちへ向けたラジオを放送することにした。

彼らはかつての全共闘の子供世代だった。
自分の親達がそうしたように、改めて大人に対して抗議を行うため、立ち上がったのだった…。

□ 全共闘へのアンサーコール
この本を最初に読んだのは主人公たちと変わらないくらいの頃でした。
今回ブログに書こうと思い読み直していて、当時の僕が幼かったせいもあるのか気づかなかったことが一つあります。
この『ぼくらの七日間戦争』の主題は、全共闘へ対するアンサーコールです。
東大全共闘での最後の放送を締めくくった、次なる再開まで『一時この放送を中止します。』という言葉に対する『放送再開』が、物語の根底にあるような、そんな気がしました。

小回りのきく子供だからこそ、いたずら好きな子供の発想だからこそ大人へ手痛いしっぺ返しをくらわせられた…。そんな痛快な一面も『ぼくらの七日間戦争』の魅力ですが、それと同時に途切れたままになっていた全共闘の放送再開という、痛いほどシリアスなメッセージがこめられているのもこの作品の一面だと感じられました。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
BOФWY SINGLES/SCORE HOUSE
BOФWYのベストアルバム、SINGLESのバンドスコアです。
スコアとしてはごく普通のスコアですが、注目すべきは+αの部分。

まずそれぞれのジャケット写真。なかなか見かけないものだけに興味深いです。
ただしメンバーの写真がジャケットに登場するものは少なめ。
ホンキー・トンキー・クレイジーの頃はとにかく若い。
みんな若い…のに、一人まるで時間が止まったかのように風貌の変わらない高橋まことさんが衝撃的。
NO.NEW YORKBAD FELIN'はメンバーの写真無し。
わがままジュリエットはみんなきらびやかな服装。布袋さんが妙に坊ちゃんっぽい写真写りになっているのが気になり、そして時間が止まったかのように風貌の変わらない高橋まことさんが衝撃的。
B・BLUEWORKING MANONLY YOUMarionette季節が君だけを変えるCLOUDY HEARTは写真無し。
ところどころメンバーのライブ写真があり、やはり文句なしで格好いい氷室さん&布袋さん!そして淡々とベースを弾く姿が渋い松井恒松さん。そして時間が止まったかのように風貌の変わらない高橋まことさんが相も変わらず衝撃的。

さて肝心の楽譜ですが、一つ嬉しかったことと一つ残念だったことがありました。
まず前者はONLY YOUのBメロで入るコーラス。
あれはANDER(UNDER?) THE MOONLIGHTと唄うんですねー。
そして後者はCLOUDY HEART。最後のサビの部分で歌われる英語の歌詞が掲載されていません。
これ、掲載している譜面もあるんですけどねぇ…。(ちなみにネットで歌詞検索をすれば見つかります。氷室京介さんのソロのライブでしか聴いたことがない人は『痛みに絡まる~♪』の部分の原型だとご理解ください)

巻末にはそれぞれの曲のエピソードが紹介されています。
スコアの解説らしくアレンジ面に触れているものもあるのですが、たとえば16がもともとは二つの曲だったということや、B・BLUEのタイトルが当初はTRUE BLUEだった(同時期に出たマドンナのアルバムタイトルとかぶったため変更)といった、ちょっとした豆知識が手に入るので楽器が出来ない人でも楽しめます。

さて。改めてスコアを見ていると、意外と演奏自体は簡単というか…シンプル。
シンプルで格好いい。ただし、それだけにごまかしがきかないアレンジになっていました。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
ホームレス中学生/田村 裕
公園で住んでいたことがある…。
人気お笑いコンビの麒麟のメンバーである田村 裕さんの衝撃的な学生時代を描いた一冊です。

『ご覧の通り、まことに残念ではございますが、家のほうには入れなくなりました。厳しいとは思いますが、これからは各々頑張って生きてください。…………解散!!
こんな言葉を残して、当たり前の日常からホームレス生活に入った田村一家。

一番年少の田村 裕さんは他の兄弟に迷惑をかけないようにと、一人近所の公園で暮らすことにした。
これが彼のおかげで不名誉な『まきふん公園』の名を日本中に知られることになる、彼の新たな住居で、ここで彼はウンコのオバケとして子供と戦ったり、時にはダンボールを食べたりと、おおよそたいていの日本人が体験することが出来ない経験をするのだった…。

ところで、この本はここまでのあたりが非常にセンセーショナルに描かれていますが、実は意外と公園でいわゆる『ホームレス』として暮らした部分はそれほど長く描かれていません。
その後、友人の親などの善意により、どうにか住む場所を確保した上でお兄さんとお姉さんと暮らせるようになります。そしてお兄さんの協力の下、きちんと生活をし、ホームレスになった中学時代を経て高校にも入学をしています。
僕は読んでいて、田村 裕さんよりもそのお兄さんの人柄に感嘆しました
もっと自分のことを考えれば、もう少し弟に我慢をさせれば、自分自身がもう少し楽が出来たかもしれないのに、弟に親が居なくなったことをペナルティとしない生活をきちんと送らせています。
(注:お兄さんの目線で描いた『ホームレス大学生』という作品も出たそうです)

本の中盤辺りで唐突に語られ始めるエピソードですが、田村一家の離散の始まりとしてお母さんの早すぎる死が挙げられます。
直腸癌でお亡くなりになったお母さんは非常に優しい方だったそうで、物語の中でもくじけそうなとき、道を誤りそうなとき…お母さんの面影に救われたという発言が幾度も登場しますし、この本も『いつか、僕を見て周りの人が、僕ではなく、お母さんのことを褒めてくれるような立派な人間を目指して。』という決意のメッセージで締められています。
そして妻と母を急に亡くし、自分自身も妻と同じ直腸がんをわずらってしまい入院中に会社をクビになるなど苦しい状態に陥った父親の口から解散という宣言が飛び出たというのが経緯だそうです。

田村 裕さんは、この本を読んでいる限り、非常に人に恵まれていると思う。
それは亡くなった母親、そして面倒を見続けてくれた家族といった肉親に限らず、友達の親によるサポートもあれば、熱心に話を聴いてくれる担任の先生も然り。
しかし彼が幸運だった…というのも、少し違うような気がします。

自分の父親に対して、『感謝の気持ちでいっぱい』と語り、本を出版した時点では行方がわからないままだったお父さんへ『今度は僕たちがお父さんを守る番』と語る田村 裕さん。
この人柄が自然とやさしい人をひきつけたのでしょう。
そういえば本の表紙の内側にある写真が、色が変わった現在の『まきふん』です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
Uガイド33 倉敷・岡山 瀬戸大橋/松田十泊
岡山県のガイドブックで、僕が持っているのは1990年版…すばらしく古いです。
既にガイドブックとしての役割は新しい版に託されていますが、これはこれでなかなか面白く、サイクリングやテニスといった、微妙に時代を感じさせる発言があります。
また、写真の中の車も懐かしいものが多くて、長い月日を経て、自動車ファンを喜ばせる本へと変化しているようなきらいがあります。

エリアや観光地をそれぞれ『みどころ』、『あじ』、『みやげ』、『やど』といった分類に分けて紹介した本ですが、この本で最も特徴的なのは、意外と紹介する記事の口調がフランクなことです。
こういったガイドブックだと『○○だ』といった完結するだけの文章が並びがちですが、この本ではそれぞれのエリアごとの紹介の前文として、実際に取材に回った記者の方の感想やお勧め、はたまた『拾ったもちを片手に帰途についた』などと、まるで紀行文のようなフレーズが登場する。
時には『鍾乳洞のしずくの1滴は、人の悲しみの涙であり、またもう1滴は喜びの嬉し涙なのだろうか』(新見市、井倉洞・満奇洞)といった、まるで詩人のような発言も見られ、ガイドブックでありながら読むだけでも充分に楽しめてしまうという妙な特徴になっています。

もちろんガイドブックとして毅然とした文章で紹介している部分が大半であり、実用性の高い内容になっているのですが、読み進めているうちに、著者が取材をした風景や、感じたことを読んでいることがなんだか楽しくなってきて、いっそのこと松田 十泊さんがメインで紀行文として発表すればよかったのに…とさえ思いました。

ちなみにこの本は倉敷・岡山 瀬戸大橋というタイトルになっていますが、紹介されているエリアは岡山県エリアに、実は兵庫県の赤穂、姫路、龍野のエリアまで紹介されています。
新書サイズで、地図も一ページごとに区切られているので、意外と大体の場所はわかる…という人には妙に開いて大きくなる地図よりも、こちらの方が使いやすいのかもしれません。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
風車小屋だより/作・ドーデー 訳・桜田 佐
ドーテーが自らプロヴァンスの片田舎へ移り住んだ際に聞いた話や、その地域に伝わっていた伝聞をオムニバス形式で一冊にまとめたのが、この『風車小屋だより』です。

タイトルにある通り、ドーテーが移り住んだ家は既に使われなくなり破棄されていた風車小屋です。

かつては小麦を作るのに一日中働いていたこの風車小屋も、ドーテーが訪れた際には動物たちが先住民として暮らしていたために、彼はうさぎ軍を追い立ててしまうことになり、また思索家のふくろうとは部屋の上下を社エアする賃貸契約を新たに結びなおさなければならなかったほどだったそうです。
実はドーデーは胸を患って、この地へ療養へ来ています。
それだけに自然豊かなのどかな場所を選んだのでしょう。彼はこの地で自然に溶け込んだような暮らしを体験します。

簡素な農村での暮らしの中で、出会った人々や伝わってくる話。
それがこの物語の核となる部分です。
時にはちょっとした噂話であったり、神話のような物語であったり、そして時にはドーデーが移り住んだ風車の元の持ち主である『コルニーユ親方の秘密』といったエピソードも紹介されています。
特にコルニーユ親方の秘密はこの作品の中でも人気の高い作品の一つで、時代の変化を感じさせる物語でした。
風車で小麦粉を作っていた親方が機械化の波に押されて段々と仕事を失っていく中で、それでもプライドを守って風車にこだわり続けていることに賛同した周囲の人々が、やはり親方の作るのが良い!と、親方の気持ちを汲んで仕事を回したという物語です。
この地にはそんな合理的に染まりきれない人々が暮らし続けているのです。

コルニーユ親方のように、のどかな農村にもやがて訪れた時代の変化と向き合わざるを得なかった人もいれば、『』で紹介されているエピソードでは、急な増水で家に帰れなくなった憧れのお嬢さんとすごした一夜を『この星の中で一番きれいな一番輝いた一つの星が道に迷って、私の肩にとまりに着て眠っているのだ』と満ち足りた気持ちになる羊飼いの話が紹介されています。
彼は、きっとそれだけが幸せでその星を自分のものにしたいなんて思いもしなかったのでしょう。
今の時代にはない、本当の純愛の形です。

またある時は自由を求めたがゆえに命を落としてしまったやぎのエピソードも紹介されています。
この地に暮らす一人一人がそれぞれの物語の主人公として登場するのです。
少し街から離れ、少し文明から離れるだけで、生活はずいぶんと違って見えてきます。

また少し遠出をしたドーデーについて、アルジェリアの町での一日をすごしたり、カマルグへ狩猟へ行ったり…。

一冊の本で色々な日常に触れることが出来ます。

そしてその一つ一つが本当に些細なことで、だけど現在の日本では決して体験できないようなことばかりで、時間旅行に旅立ったような気持ちにさせてくれる、心の療養が出来る一冊です。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
図解猛毒動物マニュアル/今泉忠明
猛毒を持つ動物を紹介した本です。

以上。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
インターネットでお店やろうよ!/ASCII
ASCIIから出版されているムック、インターネットでお店やろうよ!
タイトルの通り、ネットショップを開業、展開していくための情報が詰め込まれた雑誌です。
巻によって開業までと、開業から収益アップを狙うところまでといった感じで重点に変化はあるものの、基本的には『ゼロから始めるインターネットショッピング開業マガジン』というコンセプトを貫き通しています。

サイトのデザインや商品の紹介の仕方、実際に開業しているお店の売れ筋商品…といった感じで、ある程度結果を残しているショップの展開を紹介するだけにとどまらず、たとえば商品の写真の撮影方法や顧客管理のしかたのためのエクセルファイルの使い方、パソコンの使い方といった、ただインターネット上でWebサイトを眺めているだけでは知ることが出来ない、実際にお店を回していく上での運営面の情報まで知ることが出来ます。

その他、その時のインターネット上の時事やトレンド、トラブルが起こった際の対処方法など巻毎にそれぞれ役に立つ情報を掲載してるので、最新刊はもちろん、バックナンバーも充分に読む価値があります。

基本は初心者向けではありますが、たくさんの経験談や新しいソフトなどの傾向を知ることが出来るので、ある程度の実績を残している人でも充分に元が取れる一冊です。





もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
布のリフォーム 80のアイディア
部屋の片隅になぜか転がっていた手芸の本。
ずっと置きっぱなしにしていたのですが、たまたま手にとって見て驚きました。

身近に転がる材料をリフォームして再利用しようという内容でした。
リサイクル時代らしい無駄のないコンセプトですが、これが『エコ』という言葉を超越して意外と面白い。
おそらくこの本を企画した人はエコよりも、趣味としての布のリフォームが基本コンセプトにあったに違いありません。
どっしり座った人形は糸巻きで、やクリスマスの飾りになりそうな松ぼっくりは使わなくなったストッキングで作られていました。
たとえば田中周子さんがインタビューを受けていますが、この方はセーター人形の第一人者としてセーター人形による絵本で『ヒロン』なるキャラクターを世に生み出した人。リフォームという言葉に実用性ばかりを追求するのではなく、リフォームする楽しさを追及する事を提案しています。

もちろん定番ともいえそうな、いらなくなった服を加工してバッグや小物入れなどにするようなものもあるのですが、完全にリフォームしてしまうのではなく、『リフォームしてこんな風になりました』という感じに仕上げているのが味噌。
浴衣を原材料にしたうちわや手ぬぐいは、浴衣の持つ涼やかな雰囲気を、着物を原材料にした巾着は和風の厳かな雰囲気を、そのまま残して新たな道を歩んでいます。

もちろんこの本の中で紹介されているリフォームされた道具たちは、そのまま加工をする方法が別ページに収録されているので、ある程度の原材料と好奇心があればすぐに実践可能!市販されている製品ほど完璧なものは作れない、でも市販されている製品以上に愛着が持てるものが、きっとあなた自身の手で作れるはずです。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
経済史教材(1)/神戸大学・西洋経済史研究室
いわゆる経済史の教材となる一冊です。

この(1)では農業、工業、商業という三つの産業が発展していく過程を収録したもので、かなり基点としては突き詰めた内容になっています。
たとえば工業に関しては『工業』という言葉を、『人類の歴史とともに古い』とし、石や骨を加工した道具を用いていたような時代にまでさかのぼり、商業の歴史では物々交換が成り立つところまでさかのぼって考えます。

そこまで突き詰める理由はこの本の第一章で掲げられている、経済史を学ぶ意義に集約されています。

経済史を学ぶ意義は、まず第一に歴史的な感覚を養い、歴史(=過去)を知ることで自分たちの判断を適切なものとする事です。そしてこの事は今向き合っている現在から更に先、将来的な予測をするうえでも重大な材料となりえます。
この点において、経済史という学問は『経済理論』を学ぶのとは、まったく違う方向から経済を考えていくことが出来るものです。
経済史の(他の経済理論と比べると)この特異な部分を最大限活かす為には、たとえばある程度工業が、現在の感覚で言う工業に近づいた段階、商業が物々交換から更に踏み込んだ等価交換などになっていった段階から学ぶのではなく、その起源から学ぶからこそ、将来へ続いていく経済の問題や選択肢に対する回答を最も多く学ぶことが出来るのです。

この(1)ではそうした最も根底の歴史から、近代までの流れを一通りなぞっておくという意味で、決して内容の充実さでは『この一冊で経済史が学べる』という水準ではないものの、経済史を学ぶために必要なものを頭へ入れておくことが出来ます。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
孤独な自転車乗り/シャーロック・ホームズの帰還 The Adventure of the Solitary Cyclist
1984~1901年までホームズは大変忙しかったという前振りから始まる物語です。
この『孤独な自転車乗り』事件の際にも、ホームズはかなり忙しくしていたようで、出来ればお断りしたいような気分だったようです。
それでも夜遅くに尋ねてきた美しい婦人からの依頼を聞く事になったのには、二人それぞれの理由があります。

まず、ホームズは『言いたいだけのことを言ってしまわない限り、腕ずくででもなければ追い帰すことは出来そうもなかった』という理由から観念して話を聞くことにしました。
一方のワトソンは『すらりとして優雅で気品のある若く美しい婦人からの助力と忠告を懇願されてみればむげに断ることも出来なかった』との事。
この医者、すでに前の奥さんとの『悲しい離別』からはすでに完全に立ち直った様子である。絶対に大事な要素は若くて美人なところなんだ、こいつ。
しかし、それでもタイミング的には好ましくなかったようで、ワトソンはその強い決意から依頼人を『美しい侵入者』と表現しています。

ちなみに美人だったからかどうかは知りませんが、ホームズは急に依頼人の手を取り、その手の特徴から依頼人の職業を言い当てるという新手の技を披露しています。
最近、逐一観察のネタをワトソンにばらされるのが悔しかったのか、一歩踏み込んでみました。
尚、この相手の手を取って職業を言い当てるという方法、現在では主に犯罪調査ではなく合コンなどで気に入った女の子に近づくために用いられるようになっております。

依頼の内容は今で言うストーカー行為でした。
依頼人は父を早くに亡くし、母と二人暮しだった。
余り充分といえない暮らしをしていた二人の下へ、ある新聞の尋ね人の欄に自分たちの名前を見つける。そこで知らされたのは、唯一の親族で長らく音信不通だった叔父の死だった。
その叔父に親族の面倒を見てやってほしいといわれた二人の男によって依頼人は家庭教師として…相場よりもずっと給料の良い条件で雇い入れられることになった。
そして一人残すことになった母親に会うために週末ごとに、屋敷から自転車で駅まで行くのだが、その途中で後ろから同じく自転車に乗った中年の男につけられていたのだった…。

ちなみにホームズの謎の自転車男に対する評価は『いずれにせよ、正面からぶつかる勇気のない男だろう』。ホームズの恋愛感が垣間見えるような発言でした。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
What's Michael?4/小林まこと
猫を主人公にした漫画の大家、小林まことさんの『What's Michale?ホワッツ マイケル』。
原点に戻ったかのように猫の生態が多く描かれた第四巻です。

第三巻ではかなりのキャラクターが登場し、猫のみならず、猫の周りにいる人々が占める割合も増えていたのですが、キャラクターが出揃ったこの第四巻では再び猫の生態にスポットが当てられています。
その傾向は『働くマイケル』で描かれた、別の動物がする狩猟や麻薬検査犬、競馬といったものに猫を当てはめてそれが行われていない理由を描いたり、フレーメン反応が描かれたVol.67や、また第四巻で登場する定番キャラクターの一人、冤罪から逃れる元獣医リチャード・キンブリ(vol.70The 逃亡者)といったキャラクターなどに色濃く出ています。
またより幅広く猫の生態を描くために登場するニューキャラクターに、マイケルの息子として始めて名前の与えられた『ミニケル』、そして犬と猫の対比として登場する犬の『伸之助』がいます。
ちなみに伸之助は冬場に小屋からはみ出した肩に雪が積もるエピソードや、飼い主と郵便局員の方言から、どうも当初は東北地方の飼い犬として登場したようです。

そういえばこの伸之助を見ていて、ホワッツ マイケルで初めて時代を感じました。
1987年ごろの作品ですが、まだまだ犬は外で番犬を兼任して飼育する事が多い時代だったのでしょう。小型犬に強い人気が集まり、室内飼いが多くなってきた現在とは少し違う状況におどろかされるのでした。
もう一つ時代といえば、『オーディオ』で流れているレコードはWHAM!。
あぁ、時代だ…。

この第四巻で僕がもっとも印象的だったのはVol.85の『リボン』。
梱包用のリボンがつめに巻きついて、振り払おうとしたマイケルがやがて新体操ばりに踊って見せるという作品ですが、この作品で描かれているマイケルの体というのは非常に詳細で、本物の猫そのものです。
もちろん本物の猫は腕を反ったり踊ったりはしませんが、小林まことさんの描写の細かさが存分に生かされた作品だと思います。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。
岡山の祭と踊/神野 力
庶民の歴史をひもとくとすれば、あるいはこうしたところに一つの鍵があるように思われてならないのである


岡山県内の祭りや踊りをピックアップした一冊です。
この本の冒頭にもあるように、祭りや踊りといったものの多くは、自然や祖先に対する祈りを形にしたものであり、自分たち自身が一年間を無事に過ごしていくことへの祈りでもありました。
元は同じような思想から始まり、それぞれのエリアで違う形へと昇華していった祭りや踊り。
その起源や特徴を知ることは、そこに住む人々の歴史に触れる事にもなる…そういった目的で、県内各地の様々な行事を紹介する一冊です。

決して○月は○○祭りだ、酒が飲めるぞ♪といった目的の本ではありません。

この本の末尾にある分布地図で紹介されているのは39種類の祭りや踊り。
もちろん有名な白石踊りや西大寺観音院の会陽、備中神楽といった定番も紹介されていますが、それ以上に興味深いのは地元の人間しか知らないようなちょっとした行事です。
大島の傘踊なんて見た目にも優雅で面白そうだと思ったらその起源は即興で踊った際に夕立があったというシンプルなものだし、年末(地名:トシズエ)の念仏踊は盆踊りとしては非常に原始的な形を残している踊りという点で非常に興味深い。
牛窓に伝わる唐子踊の起源を顧みれば、寄港地として様々な文化に触れてきた牛窓の歴史が見えてくる。

考古学の学者は、小さな破片から未知の歴史を切り開く。
なるほど、文化というのは小さな欠片からでも充分に過去を見せてくれるらしい。

もちろん祭りも踊りも参加して楽しむのが一番の醍醐味。
しかし、ちょっと視線を変えて見ればその動作一つ一つが地域の歴史を伝えてくれる。

ところで僕は、この著者の方の名前の読み方が非常に気になっております。



もしお役に立てましたら、クリックして下さい。喜びます、きっと。

ブログ内検索

amazonさんで探す

本の虫を管理する!

copyright 2007 本の虫、中毒日記 all rights reserved. powered by FC2ブログ.