耳が不自由な方がコミュニケーションに用いる方法と言えば手話、それが出来ない相手には筆談…というイメージがありましたが、最近になってそれ以外にも幾つものコミュニケーション手段がある事を知りました。
その一つが指文字。
日本で用いられているのは大曽根源助さんという聾唖学校の教員を勤めている方が考案した指文字で、手話が出来る人同士でも、手話になっていない単語などを表現する為に用いられているそうです。
手話に比べると難易度は低め。覚えるべき数も限られるのでこれだったら…という気がして手に取りました。
今回紹介する菊池 清さんによる指文字の教本は、基礎レベルの指文字を教えてくれます。
特徴として、あ~んまでを、それぞれ動物のイラストに溶け込ませています。例えば、『い』は左手の小指を立てるポーズを、イヌの尻尾に見立てて、『え』の軽く握ったこぶしはエリマキトカゲの顔…といった具合で、非常に無理がある説明ながらも、イラストと手の握りの詳細の二種類のイラストで解説しているので、判り易いです。
難易度からすると、これは子供向けの教材に適しています。
指文字を覚え、動物の名前を覚え、そして手話と言うものへの興味を喚起する…。頻度から言えば、余り機会に恵まれないかもしれない。
でもこの知識は確実にこれからの人生を広げてくれる知識です。
さぁ、恥ずかしがらずに指で動物を作ってみよう!
ちなみに『を』と『ん』は、こども『を』おんぶでラッコ、ペ『ン』ギンといった無理のない形で処理されています。