本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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美味しんぼ1 豆腐と水/作・雁屋 哲、画・花咲アキラ
長寿シリーズとなり、マンガからグルメブームに一石を投じた『美味しんぼ』シリーズ。
ところで第一作目はどんな物語だったのだろうと思い、手にとって見ました。

第一印象、若い
グータラ社員と呼ばれた山岡士郎は、最新作よりもずっとボサボサでモノグサ…。
服装もだらけきっていて、ちょっとしたチンピラ風です。
今では家庭を守る母親役も板についた栗田ゆう子も、第1巻ではようやく配属先が決定したばかりの新入社員、22歳でした。ちなみに余り触れられることのない設定ですが、山岡士郎の初期設定は27歳です。
現在は30歳を過ぎたらしく、画風から感じるよりは緩やかに時間が流れているようです。

ちなみに最初に登場するのも、初期の物語の視点になるのも栗田ゆう子でした。
実は主人公は彼女だったのでしょうか。

無駄メシ食い』と呼ばれた山岡士郎と、新人の栗田ゆう子が会社の創立百年を記念したプロジェクト『究極のメニュー』に参加する事になったのは、二人がすぐれた味覚を持っていたためです。
第1巻では食にこだわる人々に嫌悪感を持ちつつも、自分自身食べ物に対してこだわらずにいられない…そんなジレンマからこのプロジェクトへの参加を固辞する山岡士郎。
そんな彼が『究極のメニュー』へ取り組むことを決意するのが、丁度この1巻の第6話まででした。

第1~9話までの概要とネタバレ等は続き以降で。
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アルセーヌ・ルパンの逮捕/強盗紳士
アルセーヌ・ルパンシリーズ第一作目となったのが、意外にも『逮捕』と冠されたこの一冊です。

舞台は大西洋横断の定期船、ブロバンス号。
快適な船旅を楽しむところへ、無電で届いた電文…。
アルセーヌ・ルパン船中にあり、一等、金髪、右腕に傷…そして、偽名のイニシャルはR。…と、ここまで伝えたところで電波は途絶えてしまったのだ。
ちなみに堀口大學さんの翻訳では、ルパンの肩書きは『強盗』。短編集のタイトルも『強盗紳士』で、なんだか折り合いの悪そうな言葉同士が肩を並べています。

この情報はいつの間にか乗客にも漏れてしまい、不安に駆られていた。
そんな中で主人公の『僕』ことダンドレジーは同じ乗客であり絶世の美女でもある彼女に良いところを見せようと、犯人探しを提案する。
Rという頭文字、そして幾つかの人相書きと類似点を持ち、他の乗客から身元の保証が無いロゼーヌという男性に疑いの目が向けられた。
しかも、事件は起こったのだ。ある乗客の部屋から宝石が…しかも、きちんと選別して盗まれたのだ!

疑われるロゼーヌ、そして彼は犯人を捕まえて見せると主張する。
ルパン対ルパン―。
乗客たちの好奇の目が向けられていた。

ネタバレ等は続き以降で。
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一発合格!宅建解答テクニック10の法則/高橋克典
もう著者名だけで衝動的に買ってしまった一冊。
法律関係の資格や公務員受験など、試験対策としての法律の講師としてご活躍されている高橋克典さんです。

この本は解答テクニックとして、問題の出題傾向から解答の導き出し方を10の方法に分けて解説しています。
間違った勉強法を幾ら続けても負担が増えるばかりで目標には達せない事もあります。この本では正しい勉強法(=10の法則)を知ることで、現行の勉強量(もちろん充分に足りている勉強量と仮定して)から目標達成を目指します。

その方法は以下。

1.制度趣旨アプローチ法
制度が作られた趣旨に注目するというもの。
よく新しい法律を勉強するときに第一条までを重点的に押さえるように言われますが、法律は一定の指針を持って作られているので、殆どの条文は法律の趣旨に従っています。
後は例外を覚えれば、その法律は押さえられる!という事です。

2.消去法
法律以外のテストでも使われる、選択肢の消去法。
ホームズも実践している例のアレです
真実でないことを全て除けば、残った物がどんなにありえなさそうでも真実なんだよ、ワトソン

3.漢字透視方
選択肢の中にある漢字をキーワードとして考える。
…問題をよく読めって事か、結局。

4.判断保留法
消去法と似たもので、消去しづらかったら最後まで残して怪しい奴同士を比較しよう!というものです。
逆に全部消えてしまったときはどうしよう。
この流れじゃ敗者復活法とかつきそうです。

5.主語文末意識法
法律の問題の読み方の基本です。
誰が、どういう効果を受けるのか。
選択問題のような短い文章の場合、露骨に主語と文末に大事な要素が出ます。これを上手く押さえれば時短にも繋がりそうですね。

6.常識判断法
『最後は常識で判断』
高橋克典先生、金太郎張りに男前な発言です。

7.3対1分類法
四つの選択肢の中から一つの解答を探す…という場合に、問題をグループ分けして考える方法。三つが揃い、一つが違う方向を向いている文章であれば、その一つが怪しい…まさに解答テクニックです。

8.ひっかけ回避法
業法で他の制度や、民法の優先などに引っかからないようにするテクニック…だが、結局は充分な知識を持って、問題の一つ一つをよく読めという事らしいです。地道な勉強って大切。
結局、民法と業法、どちらが適用されるべきなのか…を、文面から読み取ってから問題を解くようにしないと危ないのです。

9.発想の転換法
テストは得意な分野から手をつける…センター試験では定石の時短法です。ただ高橋克典さんは、一歩進んで選択肢の問題でもそれを実践。解答に時間のかかる選択肢は後回しにして、回答が簡単な選択肢から結論を下します。
もしこれで解答に該当する物が見つかれば、かなりの時短に繋がります。
ちなみに例題で時間のかかる選択肢について『読んでしまった方は、時間をもっと大切にしてください』との事。反省してください。

10.類似比較法
選択肢を絞り込めたら、より平等になるような選択肢を選ぶ方が解答になりやすい…これはそうかなぁ…と思いつつ、法律の大元、憲法の大原則でもあるはずです。

冒頭でこの10のテクニックを紹介し、後は普通の宅建の試験対策の例題集と続いていくのですが、その例題集でも10のテクニックのうち、どれを使うのかを紹介しながら、解答へのアプローチを行います。
ここで大事なのは、10の法則があり、10パターンの考え方で良いのか?というと、それはNO。10の考え方を基礎に、それを組み合わせながら考えること。

え、10通りの法則の組み合わせって…!?
余り細かい計算はせずに、基礎をしっかり固めてみましょう。



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ドラゴンクエスト??3双華流浪・『モンバーバラの姉妹』/久美沙織
ドラゴンクエスト??両?皺宗?荵余呂蓮悒皀鵐弌璽丱蕕了佶紂戞?

姉のマーニャは『黒き炎、黒き豹、黒き薔薇』、そして妹のミネアは『黒き氷、黒き蝶、黒き百合』とホイミンの歌に称された対照的な姉妹が父の敵を討つための旅に出る…が、やがて父の死に絡む『進化の秘法』の存在に気づいていく。
そして…ただの人間が怪物となってしまう強大な力、そして影に潜む大きな敵の存在を知る。
これまでの章で断片的に出てきた背景が、段々とその正体を明らかにし始める。
悲しい定めを背負ったジプシーの姉妹の冒険を描いた、ドラクエシリーズでも人気の高い物語でした。

久美沙織さんはこの章を、マーニャの一人称で描いています。
能天気に見えるマーニャ。しかしその心中では真面目すぎる妹とのバランスを取る為にわざとそうした態度を取ることや、時に妹以上に人に気を使いすぎる一面や、自分を抑えて胸を痛めるような一面も見せます。

第三章のトルネコとは別の意味でストーリー性の高かった章ですが、原作で描かれる以前…エドガンとの出会い、そして城での思い出―バルザックの手によって奪われた多くの思い出を手に大いなる敵に立ち向かっていく姉妹、そしてエドガンの愛弟子のオーリンの交錯する気持ちを織り交ぜてドラマティックに仕上げています。
第三章の某商人の扱いとはえらい違いです。

ネタバレ等は続き以降で。
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TOEICテストの「決まり文句」/小池直己
TOEICに出題されやすいフレーズを重点的に勉強する本で、選出した会話イディオム231を5つの項目に分けて、1日1カリキュラム、合計5日間でマスターしようという無理のないなだらかな文庫サイズのテキストです。
一頁が1フレーズで構成は以下の通り。
良く出るフレーズ、そしてそのフレーズの利用例(英語)、そして和訳、使い方や同じ意味合いのフレーズの紹介と続きます。

イディオムの構成
・1日目:基本動詞を中心としたイディオム
・2日目:前置詞とasを中心としたイディオム
・3日目:口語と形容詞を中心としたイディオム
・4日目:重要イディオム(1)
・5日目:重要イディオム(2)

ところでこうした文章によるテキストといえばちょっと無理のある文章や何事!?と思うような妙なシチュエーションの会話が混じっているのが定番。
勉強ばかりして堅くなった頭をほぐしてくれる、マッサージのような存在なのです。

マッサージのような文章とネタバレ等は続き以降で。
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民法おもしろ事典/和久峻三
作家さんの中にも色々な経歴を持つ人が居ますが、弁護士推理作家の肩書きを持つのが和久峻三さん。彼は肩書きの通り弁護士の資格を持ち、法律事務所を構えたという経歴を持つ推理小説の作家さんです。

意外に推理小説の作家さんが積極的に触れたがらないのは法律の細かい部分。
もちろんそれは法律というものの難解さゆえのことですが、和久峻三さんはさすがプロだけに精通しており、法律という現実社会のルールをより詳細に持ち出すことで物語のリアリティを高める事が出来る作家さんです。

さて、そんな和久峻三さんですが、法律に関する本も多く出版しており、この作品も刑法、憲法、商法と続くおもしろ事典シリーズになります。

内容はいわゆるクイズ形式。
様々な民事的な例題を挙げ、それに対して幾つかの選択肢と、ヒントとして関連する法律の条文とが提示されるといった結構本格的に法律の勉強が出来る一冊です。
よりこだわりを感じるのは、複数回答も存在すること。
勘だけではなかなか正解に辿り着けません。

それぞれの回答に対して、違う理由(=条文や法の解釈)も述べており、一つの問題から最大限多くの知識を得られるように工夫がされており、クイズ形式の面白さの反面で参考書としての意味合いもかなり押し出されています。

他、間ごとにおもしろ裁判シリーズというエッセーが含まれ、世の中に存在する風変わりな事件の判例を紹介しています。
中には月亭可朝さんの例の事件まで…。

推理作家としての和久峻三さんのファンの方が読んで楽しめるのか?というと、答えはNO。
純粋に民法の勉強を、ちょっと遊び感覚に近づけて出来るテキスト。
ちなみに表紙は遺影と遺言書を持って不敵に微笑むブタ
なんでまたブタを選んだのかは不明です。



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ロックヴォーカル基本講座/福島 英
息があるから生きるのです』。

この言葉一つで随分と僕の人生は変わりました。
ロックヴォーカル基本講座なんてタイトルだから、本の虫は前は音楽の虫だったのか?なんて思われるかもしれませんが、別にロックヴォーカルを志していたわけではありません。
これを手にしたのは就職活動を控えた大学三年の頃。

僕は従来ダラダラといった感じで喋る癖があったので、就職活動までにはそれを直しておきたいと思い、そんなときに教えてもらったのがこの本。
良く聞こえる良い声を出す…そんな意味では歌も発声も一緒。
上記の言葉は、発声で一番大切な事を簡潔に述べていると思います。
お腹からしっかり息を吐き出しながら声を出す…判ってから見ればあたりまえの事でも、当時は感銘を受けた物です。

声の出易い姿勢や、母音(ボイン)の発声の際の口の形、子音(シイン)発声の練習の仕方、もっと基本的なところでは腹式呼吸の仕方や息の吐き方まで紹介。
ちなみに初心者は練習中の酸欠注意だそうです。
特に重要な腹式呼吸は出し方の説明のほか、イラストや普段の練習方法まで細かく説明していますが、何気に『細かいことには、こだわらないで続けること』とか、今までの解説を水泡に帰すような話題が出てくるのはロックヴォーカリストの講座だからでしょうか。

この本を発声の為に紹介するのには色々な理由があります。
確かに本来は歌の本であり、不要な部分も多いのですが、一方では『ことばで感情を表現することのトレーニング』や、喉のメンテナンス、はたまた表情などについても言及していること、そして何より社会人は飲み会などでカラオケが強要される事も多々!
本来の意味でも役立つこと間違いなし。

ちょっと購入の際には気恥ずかしさもあるものの、こういった一冊を持っておくことは凄く役に立つことだと思います。



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うちの猫がいちばん!猫の食事がわかる本/宮田勝重
手軽なサイズで猫の食事に特化した一冊です。
気ままが身上の猫は食事も偏食気味。
食べさせるにはそれなりの苦心と工夫が必要です。
この本は、そんな気苦労の助けとなってくれる事でしょう。

猫だから…と侮ること無かれ。
そのまま人間に置き換えても健康になれそうなくらいきちんとした内容で、例えば『食事の時間を決める、だらだら食いは禁物…』思わず我が身を振り返る事少々
『食事の量は体重、運動量、体調にあわせて』なんて、会社の上司にそっと耳打ちしてあげたくなるような内容ではありませんか。
勉強になります。

他にも食べさせてはいけない食べ物。
これも、結構猫は人が食べている物を欲しがる傾向にあるので注意が必要です。
光り物の魚や、刺激物などもダメだそうで、気づかずに与えている食品が無いのか要注意です。わが家のは刺激物に該当し、お菓子の辛い(例の赤い危険なパウダー)物が好きでよくねだるのですが、嗅覚が麻痺してしまうようです。

食事の摂取も授乳期~離乳期~お・と・なまで様々。
妊娠期や高齢化や糖尿病や肝臓病(もちろん、飼い主ではなく猫が)に罹った場合の食事なども紹介されており、ところどころ猫のイラストがなければ、人間用かと勘違いしてしまいそうな詳細な内容です。

愛玩動物という時代が終り、コンパニオンアニマルという時代が訪れた現在、ペットの業界ではペットの高齢化、介護といった問題も新しく出てきつつあります。
今回、少し茶化し気味に書いたものの、栄養状態の良い環境で長く生き、飼い主と共に年を重ねていく『家族』である以上、これらの知識が知っている事が当然―そんな時代も、すぐそこまで来ているのではないでしょうか。



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図説 死んだらいくらかかるか/佐藤友之
タイトルから直球、まさにタイトルどおりの一冊です。
葬儀にかかる費用一切についての解説をしている本ですが、『図説』という程には図はついていないかなーという感じですが、一つ一つ丁寧に解説をしているのでその点は気になりませんでした。

個人的には序章の『死は突然にやってくる』が一番判りやすかったです。
序章では一つの葬儀を例に挙げ、町内のしきたりや親族とのやり取りなど、葬儀の具体的な話は出てこないものの、雰囲気がそれとなく伝わり、どういうポイントを抑えておくべきなのかがよく判ります。

続く章では現在の葬儀の傾向や、それに関わってくる費用の明細が紹介されており、いくらかの部分では実際の業者の価格を参考にしているので便利ですが、地域ごとの葬儀費用は大きく異なるようなので、その点は注意が必要そうです。
ただ、この本が1995年の出版ですが、第二章では『葬儀社は全国に八〇〇〇社!?』として、通産省も把握していないブローカーまがいの葬儀社の存在も含めて紹介しています。
数が多いだけに『葬儀業界に基準料金はないと思え』として、業界としてのまとまわりに欠けるゆえに談合的な価格の吊り上げがない反面、業界としての基準となる料金も無いことに触れています。

ちなみに費用に関しては価格はまちまちでも、必要となるものについては項目を六つに分けて紹介しています。
①葬儀社関係費
②斎場費
③接待費
④寺社謝礼
⑤埋火葬費
⑥その他(棺、車両関係、チップ、ドライアイス、写真等)

これらの説明や、原価の紹介もされているのはなかなか興味深く、ただ一方で人件費が加算される事で売価が原価の数倍になっているというのが興味深い点です。
しかしそうしたものを紹介した上で、第七章では『葬儀は遺族だけでできないのか』という章では、その方法を記しておきながらも『残念ながら、ほとんど不可能である』という結論を出しています。
この章で紹介されているのは、葬儀社を全く使わない…道具類の搬入にさえも葬儀社を入れない(=葬儀社が求める人件費を一切カットする為)葬儀です。
よって『棺も、デパートや仏具店をいくら探し歩いてもみつからない』なんて驚きの一文まで登場します。
要するに極論なのですが、それでも一通りの方法は書いているので、葬儀屋がどうしても嫌い!という人には参考になるかもしれません。

このほか、葬儀後の費用や葬儀に使う道具の解説などには図も多く記されているので、葬儀を出す前に一通り読んでおけばある程度費用面で自分が思う理想に近づけていくための知識になりそうです。
身近に感じることは一切無くても、必ず訪れる儀式である葬儀。
必ず事前に知識を付けておく事が役に立つ日がきます。
それは、寂しいことだけれど仕方ありません。



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ドラゴンクエストⅣ2闘武群雄・第三章『武器屋トルネコ』/久美沙織
ドラゴンクエストの小説化、第三章は『武器屋トルネコ』。
武器や貴重品を売買しながらお金を貯めていくことが目的という異色の章は、コアなファンが多い章でした。
戦争の陰謀や金策など、シビアな面も多い章を久美沙織さんはほのぼのとした物語として、語り口調も柔らかく、他の章で用いているような難しい単語は一切使わずに仕上げています。
これはトルネコの人柄を上手く表しており、家庭に恵まれて暮らすトルネコの優しさ、そして子供の頃に思い描いていた夢の続きを、武器屋としての立場からもう一度取り戻そうと決意していくまでの流れがよく判ります。

しかし何よりも特筆すべきは長さ。
第二巻は二章と三章の二つの物語を扱った一冊ですが、勘の良い人なら目次の時点で異変に気づくはず。
『第二章 おてんば姫の冒険……15
 第三章 武器屋トルネコ………175』
この本、247ページまでです。
第二章→15~173ページまで158頁
第三章→175~247ページまで72頁

第二章の半分以下
みじかっ。

小説にはしづらかったのかなぁ…と思いつつ、いつも馬車を暖めていた彼を思う。
画面が真っ赤になった頃に馬車から飛び出してくるのが定石でした。
この章の特色はお金で雇える傭兵ですが、ロレンスとスコットそれぞれが個性的なキャラクターとして、ただの補助的な戦力以上の役割を果たしているのが印象的でした。

ネタバレ等は続き以降で。
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猫なんでも相談室/加藤由子
先日、うちの飼い猫が家出をしました。
…というのはオオゲサで、家だけで飼っている猫がたまたま何かの拍子に人間と一緒に外へ出て、いつも通り人間と一緒に家へ帰ろうと思っていたのが、人間が出た事に気づかずに締め出してしまったようです。
ずっと室内飼いで、アスファルトの感触さえも怖がって歩けないお嬢様は、外で随分と冒険をしたようで、たまたま帰宅した家族が開けたドアに飛び込むまでの約三時間を経て、随分と大人びた顔になっていたようです。

猫というのは群れて暮らす犬と比べると、気ままなところがあり、感情も読みにくい部分が多いのは確かです。

さて、次に猫が今回のように出てしまったらどうしようかと思い手に取ったのが『猫なんでも相談室』という、猫の飼育上でよくある出来事を挙げ、その時の対処法や回答を記してある一冊です。

大きく七項目に分かれています。
『猫の習性』では猫の動きから猫の感情を読み取るのに有用な項目が、『猫の住まいづくり』では猫の飼育環境を整える為の情報が、『手入れとしつけ』では飼育を始めて毎日の生活の中でぶつかりがちな疑問への回答、『食事と栄養』や『出産と不妊』、『猫の健康管理』では生誕~老後までの管理が解説されています。
また『猫の品種とキャットクラブ』では猫の品種と、その品種を立証する血統証を管理するキャットクラブについて解説しています。
自分自身飼育をしている立場から見て、大体の疑問についての答えが掲載されているので、始めて飼育する人はもちろん、ずっと飼育してきた人でも新たな発見があるかもしれません。

さて、今回のわが家の猫の大冒険。
とりあえず項目としては『家出』だろうと思い、調べてみました。
猫が居なくなるのは帰れない理由(事故など)があるか、または『帰りたくない理由』があるそうです。
なんじゃそりゃ。
読み進めてみると、複数飼育の場合に他の猫との関係が上手くいっていなかったりする事のようです。猫の社会も大変なのです。仕事から帰ってきて『お前はいいよなぁ』なんて愚痴はあてはまらないのかもしれません。
また、発情期で色々と忙しい場合にもあるようです。

…どうもうちの猫はどちらにも当てはまらないので、ただ締め出されて戻れなくなってしまっただけのようです。



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なるほど地図帳○○
なるほど地図帳のシリーズは観光用の本でありながらるるぶ等とは一画を博した路線を走って愛読者を掴んでいます。

そのコンセプトは、一言で表現すると地元の人間も楽しめる内容だと思います。
この本の構成は、前半がその地域のテーマ別の話題、そして後半が地図というものです。
前半は事細かで、良くある冊子のように食べ物が美味しいところ、地元の名産品、良く知られた観光地といった内容に加えて、例えばその地域の歴史や町興しの取り組みの紹介、その地域での暮らし方、お国言葉(方言)まで事細かに記してあります。
それぞれの歴史や、出来事に深く関係した人物、全国からみたランキング、また映画のロケ地となった場所の紹介まで、地元に住んでいる人でも思わず『へぇぇぇ』と唸ってしまう一冊です。
この一冊を読めば、ちょっと知ったかぶりで得意になれる!

もっと、きっと地元が好きになれる。

後半の地図は、普通の地図の上部に地域の歴史や主だった観光地の写真と解説が加えられています。ゼンリンの地図のように、地図の切れ目がどこのページに繋がっているのかが記されていて利便性は高められている物の、実際に移動しながら見るのには本の最後に掲載されている一枚物の地図の方が使いやすそうです。
訪れる前の場所の確認に使うのに適した地図でしょう。

そしてオマケで索引のようなものがついています。
有名なキーワードを50音順に並べたもので、記事や地図のページ数と一緒に解説がなされているので、調べたい事が明確にある場合には便利が良さそうです。



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図解スーパーゼミナール環境学/加藤尚武・編著
環境問題のゼミナール形式の参考書です。
ゼミの形式で、終講を含めて全部で19の環境問題に関する歴史や問題、対策、そして今後の展望などを解説します。

こうした本は沢山あるものの、この本の特徴はゼミナールというタイトルを取り、一つ一つを講義のような形式で専門分野とする著者を集めて書かれていることです。
一つ一つの講義は10~15ページ程度のサイズで決して長めではないものの、こうした環境問題の本に良くあるような『流れ』と敢えて切る事で、一つ一つの講義を独立したものにした事で、興味がある問題をコンパクトに学ぶことが出来ます。
イラストの多用、図表による明示といった講義らしさを備え、また短い範囲をその専門家が執筆しているので、説明が判り易い。
またその専門家には教職についている方も多く、彼らはさすが難しい事をまるで簡単なことのように伝えてくれます。

ただ一つだけ難点を言えば、多くの執筆者が参加した事によるメリットと反面で、著者ごとに説明のレベルに少しの差異があることです。
一方で噛み砕いて、環境学のスタートの人にもわかるように説明してくれているんだなという講義があれば、もう一方である程度は専門的に研究をしている人を対象にしたような難易度に跳ね上がったり…。
その意味では、この本を薦めるのは『このレベルの人』というのは掴みにくい部分もありますが、概ね判りやすく、入門~中級くらいが対象になると思います。

講義のところどころに挟まれるKEYWORDでは講義中に出てくる重要語句やタイムリーな話題の解説をしており、こういった本にありがちな『○○事件のように…』といった解説の際に、『○○事件って…?』といった足止めをくらわずに読んでいけます。

各講義のテーマと執筆者は続き以降で。
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ドラゴンクエストⅣ2闘武群雄・第二章『おてんば姫の冒険』/久美沙織
ドラゴンクエストⅣの小説化、第二章は『おてんば姫の冒険』。
第一章のライアンに比べると元々の設定の多いアリーナは、よりイメージに近い男の子っぽい設定に練り直されています。

年齢は十五歳、見た目には麗しき姫。
しかし礼儀作法やジッとしている事が苦手で、男物の服を着て屋上で戦の夢を見ながら昼寝をしているような少女だった。
自分の事を『ボク』と呼び、外国の要人を向かえる際に父親から『口はきくなよ』と釘を刺されるような始末…。

ちなみにクリフトはアリーナの乳兄弟という設定で、口うるさいながらも自分の好きなように出来るように奔走してくれる彼を、アリーナも内心は重宝がっているという関係です。
ブライはそのアリーナの教育係。古くから仕えており、王にも軽口を叩けるような信頼を得た老魔法使い。
原作では老いてる割にはヒャドしか使えないじゃん!と、ゲームにありがちな設定でしたっけ。

そのアリーナが冒険のたびに出るきっかけになるのは、城へやってきた要人の告げた武術大会開催の知らせだった。
その話を聞くや否や姫の瞳はらんらんと輝き始め、周囲の人間はその頭の中で描かれつつあるであろう不穏な計画に眉をひそめるのだった…。

姫さまが、お部屋の壁を破っておいでです
やがてそんな報告が王の下へ届いた。
王はブライに告げた。
『あれを、頼むぞ』

おてんば姫の冒険が幕を開けたのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
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続・谷川俊太郎詩集
現代詩人の代表となる人物を集めた詩集シリーズ、谷川俊太郎さんです。

この方、谷川俊太郎?と思われるような、詩集に興味のない方にも実は有名な人物で、彼の言葉に触れた人も大勢いるはずです。
詩以外の創作活動…絵本や童話なども手がけているのですが、谷川俊太郎さんの代表的な仕事といえば、詩に次いで翻訳が挙げられます。
彼は漫画『ピーナッツ』…例のチャーリー・ブラウンとその飼い犬であるスヌーピー、そして周辺の仲間達とで織り成すコミックの翻訳者であり、あの暖かな雰囲気をそのままに日本語訳するという大仕事を請け負ったのが彼です。
またその他にも『マザーグースのうた』の翻訳や、作詞家として鉄腕アトムの楽曲や、様々な学校に校歌の歌詞を提供しているので、もしかしたら彼の言葉を歌っていた人もいるかもしれません。

漫画『ピーナッツ』のタイトルには、ピーナッツを食べながら気軽に読める漫画という意味があるという説があります。 (注:著者がつけたタイトルではないそうなので、著者の意向ではないものです)
谷川俊太郎さんの作品にも、そんな雰囲気を感じることがあります。
眉間に皺を寄せて、生きるとは…、自分とは…。そんな重苦しさに捉われることではなく、もっとソフトな『そう、そう!』と言える作品。
そういえばこの詩集に収録されている『汽車と川』という作品に『ピーナッツをかじりながら』なんて一文もあります。とてもロマンティックな作品です。
谷川俊太郎さんの作品に音楽を乗せた楽曲も発表されており、詩から感じる身近さや言葉のリズムのよさは著名な詩人の中でも他の追随を許さない水準だと言えそうです。

この詩集はそんな谷川俊太郎さんの詩作品にエッセイを加えたもので、解説には寺田 透さん、坂上 弘さんが参加しています。



僕が一番気に入っている作品は、『私の家への道順の推敲』という作品で、なんと谷川俊太郎さんの自宅へ行く為の道順を説明している作品で、もうそれ以上でもそれ以下でもありません。
これには伏線のようなエッセイがあり『道順の話』で、自分の家への道順を説明するのが苦手だと打ち明けており、ドイツ人に道を教えるのが面倒になった谷川俊太郎さんは『ドント・カム・トウ・マイハウス』と告げたそうです。
『くりかえしているうちに、少しずつ上手になってきた』と言っているものの、この作品は故意にそうしているのか、それともこれが谷川俊太郎さんの限界なのか、わかりづらいです。
道順の説明なのに『おまけにあろう事か』や、『崖とか人工湖の如きものも存在しないから、危険は事実上無視できる』といった道順の説明に似つかわしくない言葉まで飛び出す始末。
何かを教えるのが下手な人は、概して余分な説明が多い。
天才、谷川俊太郎さんにしてもそれは変わらない様子でした。




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環境問題資料事典Ⅰ深刻な環境問題/古川清行・編著
もはや知っておかないと恥をかく、環境問題に関する資料です。

資料というと、研究をする人、レポートや論文を書く人…そんなイメージが湧いてきて、『いいの、俺は。文庫本で充分。千円で充分お釣りが来る』となってしまいがちです。

しかし人はイラストや写真の少ない本を読んで、どれくらい理解できるのだろう。

例えばこの本の『失われる世界の森林』。
森林伐採と焼畑によって森林が減少してしまった現場の写真が掲載されています。
森林伐採は別として、例えばテレビで焼畑による消失の跡を見て『あぁ、焼畑をしてたんだな』と言えるでしょうか?
これを呟けるかどうかの違いって、正直大きいと思う。
それが一瞬で見分けられれば、『なんかコイツ出来る奴』といった評価にも繋がるはずです。
この本は豊富なイラストから、環境問題の現状や発生までの過程等を見せてくれます。それは文字を覚えて理解したつもりになるのではなく、頭に問題を焼き付ける知識です。

特に様々な問題の相関図は便利。
環境問題は複合的に色々な問題が絡み合っていたり、段階的に問題になっていったりします。そういうものは図や表で見るからこそ理解しやすいのも事実です。
また目に見える衝撃で、改めて環境問題というものに対する認識をしなおすという事もあるでしょう。

本自体の難易度は、実は入門レベルにも対応する程度。
それらしい数値やイラストなども豊富なので、レポートや学校の宿題には丁度良い資料になることでしょう。
このⅠが現状、ⅡとⅢが取り組みに関する内容です。

序章では人間が歴史的に環境とどう付き合ってきたのか?にも触れており、こちらはどちらかといえば歴史の勉強ながら、温故知新…かつての環境との付き合い方の知恵の中に新しい時代へのヒントが隠れている事もあるかもしれません。
作者の古川清行さんは歴史の参考書を沢山出されている人なのです。



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間違いだらけのクルマ選び最終版/徳大寺有恒⑪マークⅡVS スカイライン
徳大寺有恒さんが人生の仕事として続けてきた人気車評シリーズの『間違いだらけのクルマ選び』。
30年の歴史に幕を閉じる、シリーズ最終版は総集編でした。

第11章はマークⅡ VS スカイライン。
今ではライバルというには性格の異なる二台ですが、そもそもはライバルとなる車同士でした。
この章では二台に絞ってそれぞれの変化をたどっていきます。

この章の冒頭で御大は『マークⅡが完勝し、マークⅡが消滅した』と書いています。勝者であるはずのマークⅡがマークXという後継車はあるものの消滅していった過程とは…?

御大が示したマークⅡのすごさはマーケティングです。
ユーザーが求めるものを、その望みどおりに具現化し、提供する。簡単に見えて、それが一番難しい。トヨタはマークⅡを通してそれをやってのけたのである。
ユーザーという保守的な怪物に対して応え続けてきた結果こそ『完勝』だった。
しかし、文章は最後こう締めくくられる。
もうみんな、マークⅡに飽きてしまったのである

ネタバレ等は続き以降で。
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気づいたらすぐやる人が成功する人/㈱アスカ 代表取締役 丸 淳一
千葉県で葬儀業界でもトップクラスの企業であるアスカグループを立ち上げたのが丸 淳一さん。
倫理学にも精通し、現在では様々な講演をこなし自社の発展と同様に後進の育成にも熱心な人物として知られています。

その丸 淳一さんの著作がこの『気づいたらすぐやる人が成功する人』で、自らの半生を振り返ることや、成功の秘訣…それも裏技などではなく、まっすぐに…だけど忘れがちで、時に出来ずにいる王道を突き進むことを伝える一冊になります。

丸さんは冒頭で、ある程度の収入を得るようになった人が進みがちな二つのタイプに触れています。
傲慢になり、周囲を見下す人
自分の幸せを分けようとする人

自利から利他へ転換したときに発生する大きな力は、一生自分を向上させていくことが出来るものだとし、この本を後者になろうと思う人の為に書いた旨を伝えてくれます。

第一章『わが道、その半生を振り返る』では丸さんの幼少期から独立までの経緯が書かれていますが、ただの自伝に留まらず、後の章で触れているような丸さんの考え方が培われてきた経緯がよく見えます。
丸さんは、自分で選んだ部分も、選ばざるを得なかった部分も含めて、苦労人だと思います。
自分自身を『先天的にすぐれた資質を持ち合わせているということは、私の場合はない』とし、ただ何か面白いと思えた事に熱中する事があるだけですと語る。
確かに丸さんの人生を読み進めて行くにつれて、その通りだと感じさせられます。

それでは、続き以降で、少し丸さんの半生に触れる事でこの著書が伝えようとしている事が届けられればと思います。

ネタバレ等は続き以降で。
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環境法の新たな展開[第3版]/富井安利、伊藤護也、片岡直樹・共著
広島大学教授の富井安利さんが中心となって出された一冊がこの本です。

環境法の歴史を追ってその成り立ちから考え、そして現行法体制へ対する問題点などを指摘しています。
第一部で戦前からの公害問題の勃発、それに対して制定した『公基法』、そしてそれで充分ではなかった法体制を徹底的に見直し、公基法の改正、十四の法律の集中審議~成立という佐藤栄作内閣の歴史に名を残す『公害国会』などから入るように、この本はある程度の難易度を持つ一方で、これから環境法の勉強を始めようという人にも充分に対応する内容になっています。
ただし環境問題というものに対する基礎知識は持っていたほうが読み易い(文中で詳しく解説がなされていない環境問題の用語が登場する)かもしれません。

読み終わった感想を率直に言えば、イタチゴッコ…のような。
問題勃発~法整備の繰り返しを続けてきた歴史がここにあります。
いつの世にも被害者ありきの前進…それは寂しいものです。

また未だに認められない環境権。憲法13条、25条に根拠を持つとされる健やかな環境を享受する権利ですが、日照権や景観権、嫌煙権といった大枠には環境権の中に含まれる個別の権利は徐々に認められるようになっている権利ですが、1993年成立の環境基本法でも環境権という形では認められないままになったもので、環境法の著書の中ではこの権利の確立を求める声は非常に大きいです。
この著作でもその提唱~否定、そして今後の課題なども含めて解説されている他、環境権に対して否定的な判例、好意的な判例も紹介されているので参考に出来ます。
『人権としての環境権が普遍的な原理に高まるよう努めなくてはならない』…これは富井安利さんが環境権について語った項目の締めの言葉です。
高まれば良い、高まって欲しいではなく『ならない』。
この言葉には環境法を伝え、提唱していく人間の重みを感じました。

この著書の中では環境法から環境アセスメント、大気汚染、水質環境、廃棄物、リゾート開発に関連する法律と、その制定までの歴史や現状を記しているほかに、実例として伊藤護也さんは『瀬戸内海環境保全と法』ということで、瀬戸内海での実例から問題を解説しており、細かな数字を挙げながらの詳細な解説は条文を覚えるだけでは判らない問題の根本などもよく見えてきます。

今回紹介したのが第3版で1999年出版。初版は1994年でした。
巻頭で著者も触れている通り、この五年間の間における状況の変化は大きく、環境アセスメントの部分の改訂、廃棄物の部分では新たに誕生したリサイクルに関する法律の登場を踏まえたうえでの解説へと書き直されており、それに伴い最後の『地球環境の保護と法的課題』の章も手直しされています。

まだ(2007年9月現在)第4版が出ていないのは、いい事なのか、悪い事なのか…。



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ドラゴンクエストⅣ1魔起黎明・第一章『王宮の戦士たち』/久美沙織
ドラゴンクエストⅣの小説版、序章を過ぎてからはゲームと同様に進行していきます。
まず第一章は『王宮の戦士たち』。
戦士の国、バトランドの戦士ライアンが主人公になります。
この小説版を読んで気づいたのですが、ゲームでのライアンというのは意外と設定が少ないキャラクターでした。ゲーム開始後、子供達が消えるという謎を追う…そのように始まる中で、他のキャラクターのように素性や役職が判るような部分は余りありませんでした。

久美沙織さんはこの作品中において、ライアンの設定を練り上げています。それが以下の設定です。

山で自然と共に暮らしていたライアンだったが、ある日、王宮の戦士たちを助けたことから城へと招かれ、そのまま城の馬の管理を任され、やがて山での暮らしから得た知恵を変われて戦士となった。
真面目な彼の人柄を買ったある老大臣が彼を取立て、自らの養子とした。そしてライアンは周囲からのやっかみはあるものの出世をした。
しかし老大臣の死後、彼は町住みの一兵卒に身を落として、養父への恩を城への忠義を果たすことで返そうと誓った。
しかしその能力や不幸な生い立ちを見た王は、ライアンにチャンスを与え続け、やがて彼は一つの隊の隊長を勤めるまでになったのだった。

こんな設定です。
また、養父との暮らしの中で忘れていた家族の温かみを知り、孤独感を募らせている…そんな部分も物語の中で幾度か垣間見えます。
そういえばライアンは各章の中で唯一、人間が仲間にならなかった章なのでした。
他に特筆すべき点は、ライアンの持つ剣にも設定があり、ライアンの気持ちに呼応して、時にはライアンの意志を引きずり込んで敵を切り裂こうとする魔剣で、本来は殺戮を好まないライアンの優しさと相俟って、心理面から物語を盛り上げていきます。

ネタバレ等は続き以降で。
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名探偵、大競演!シリーズキャラクター総登場短編集3/赤川次郎
各レビューへの目次のページです。

赤川次郎さんが持つシリーズは多数。
この本の裏表紙によると、30年の作家人生で480冊以上の著作…だそうです。
定番の三毛猫ホームズなどは別として、どこから読み始めれば良いのか?という人も少なくないはず。
そういう方にお勧めなのが、シリーズ・キャラクター総登場短編集。短編集を集めたアンソロジーです。
『名探偵、大登場!』、『名探偵、大行進!』という先に出た短編集に続く、短編集最後となる第三作目で、こちらは先の二作に比べると、少しシチュエーションに癖のあるシリーズが取り上げられています。

短編ごとのレビューは以下のリンクから。

天使の寄り道(天使と悪魔シリーズ)
地上に研修へ来た天使と、怠けすぎた為に地獄を追放された悪魔の二人が主人公となる作品。
本来、悪魔の方は天使を堕天使として地獄へ連れて行かないと地獄へ戻れないという事で、天使のマリについて廻っているのだが、なかなか上手く行かない…。
ポチの上手い犬っぷりもあわせて見所です。

わが家は子子家庭(子子家庭シリーズ)
突然何らかの事件で姿を消した父。そして同日に家を出てしまった母。
残された二人の子供は、力をあわせて生きていくことを決めるのだが、父親の犯した『何か』の証拠を求めてやってくる大人たち…。
子供が知恵を絞って上手く大人をやり込める…そんな痛快な一作。

十二年目の帰宅(真夜中のオーディション)
友人の代わりに受けた風変わりなオーディション…それは、実在の人物を演じ、実在の家庭へ溶け込むというものだった!
この作品は演者の演技や周囲の反応と同様に、その演技を依頼した人間とは?も一緒に考えながら楽しむことが出来ます。

犯人を捜す犯人(MとN探偵局)
マフィアと女子高生…そんな不釣合いの二人が力をあわせて事件を解決する…そんな物語です。女子高生のひたむきな思いはマフィアの気持ちを揺るがせ、強大な組織力を動かし始める。

一億円もらったら(一億円もらったらシリーズ)
使う当てのない莫大な財産を持つ老人。
それを、誰かに少し分けてみたら?
お金を使って揺れ動く人の気持ちを人間ドラマとして楽しむ…しかし、それを金持ちの遊びにしないのは、渡す相手の条件『そこにドラマがあること』だった。
最終的にはお金の価値を超えた結末が待っている、そんな爽快な一作。

心中無縁仏(心霊バスガイドシリーズ)
すずめバスというバス会社に勤める事になった主人公。
そこで最初に乗ることとなったのは、絶対に出る!と評判の心霊スポットへ行くというものだった。
そこで出会った幽霊が語る、不可解な事実。
死者が多弁に語るという、推理小説のタブーに気持ちよく踏み込んだ一作です。

以上、六作です。
全体的にこの三巻収録はこういったちょっと癖があるものが多く、正統派ではありませんが、それぞれに個性豊かで面白い作品ばかりです。
よく考えれば、代表作の三毛猫ホームズシリーズも猫が主人公ですし、実はこのカテゴリーは赤川次郎さんにとっては得意中の得意なのかもしれない!?と思いました。



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間違いだらけのクルマ選び最終版/徳大寺有恒⑩シビックの混迷
徳大寺有恒さんが人生の仕事として続けてきた人気車評シリーズの『間違いだらけのクルマ選び』。
30年の歴史に幕を閉じる、シリーズ最終版は総集編でした。

第10章は『シビックの迷走』。
ホンダという会社を映し出す代表的な車種として、この章ではシビックのみに触れています。
ライバル車の台頭、アメリカ市場との兼ね合い…。
御大の言葉で言えば『路線が右往左往』したシビックの歴史に対して、ホンダというメーカーの性格がよく現れていると御大は語り、その歴史を振り返ってみることでホンダというメーカーの歩みをも振り返ろうという事のようです。

1~7代目までのシビックとネタバレ等は続き以降で。
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名探偵、大競演!シリーズキャラクター総登場短編集3:心中無縁仏/赤川次郎
赤川次郎さんが持つシリーズは多数。
この本の裏表紙によると、30年の作家人生で480冊以上の著作…だそうです。
定番の三毛猫ホームズなどは別として、どこから読み始めれば良いのか?という人も少なくないはず。
そういう方にお勧めなのが、シリーズ・キャラクター総登場短編集。短編集を集めたアンソロジーです。
『名探偵、大登場!』、『名探偵、大行進!』という先に出た短編集に続く、短編集最後となる第三作目で、こちらは先の二作に比べると、少しシチュエーションに癖のあるシリーズが取り上げられています。

第六作目ではついに探偵という言葉からも離れた心霊バスガイドシリーズ第一作目となる『心中無縁仏』。
主人公の町田 藍は大手バス会社で肩叩きを受けて退職、新たな勤務先としてすずめバスという会社の面接を受けに行く。モルタル二階建ての建物は彼女曰く『お化け屋敷』。
しかし仕事をしなくては収入がない。
町田 藍は覚悟を決めて入社したのだった…。

このすずめバス、変わったコースを廻る事を売りにしている会社だった。
かつてはバスガイドがビキニやセーラー服を着ていることを売りにしていたが、最近ではようやくコースの中身の重要性が判り始めて、犬の散歩に適した公園探しのコースや、今回町田 藍が乗車し、すずめバスの経営を立て直すきっかけとなっていく『快気ツアー』。
本当に幽霊が出そうだといわれる場所を巡っていくという、本格的なホラー志向のコースで、出発も遅めの夜10時だった。
急に行く事になり、戸惑う町田 藍。
その理由は行き先がよく判らないという事だけではなく、彼女の霊感が強いという事があった…。

行き先は霊心寺という廃寺。
元々は企業城下町として栄えた一画だったが、五年ほど前に工場の閉鎖に絡み企業内のみならず町を二分して存続派と工場を閉鎖して新たな就職先を…と考える会社側派閥とに分かれていがみ合うようになってしまった。
結局、工場は閉鎖したのだが元々はその企業の繁栄のみに支えられていた小さな町は対立の余波もあり、多くの住民が流出してしまうような結果となり、やがて寺も廃業してしまったのだ。
そして幾つかの墓は無縁仏として放置され、荒れるままになっている…。

そこで彼らが見た鬼火。
この鬼火がすずめバスが行くとよく見えるという事で話題を集めたのだが、町田 藍はその背後に隠れる霊の存在に気づいていた。

対立の中で起こった悲劇。
存続派と会社側とに挟まれて心中という選択を選んだ若いカップル。
せめてと二人を一緒の墓に入れてやったのだが、ツアー参加者の一人の体を借りて町田 藍に接触してきた心中した男曰く、一緒に墓に入っているのは別の人間だという。
彼女は仕方なく、心中した相手を探す事になるのだった…。

設定は無茶苦茶な部分が多いけれど、感動的なエピソードの多い物語です。赤川次郎さんは他の作品でも死者が喋るという推理小説のタブーに踏み込んでいますが、どの作品でも厭味なく死者に語らせるその姿勢には、いつでも感服させられるのです。



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キテレツ大百科[2]片道タイムマシン/藤子・F・不二雄
アニメでもおなじみのキテレツ大百科。
原作は農協系の出版団体による雑誌に掲載されていたもので、現在のように人気を博すようになったのはテレビ放送がされるようになってからの事で、月刊誌へ三年間で連載を終えた原作に対し、テレビ放送は原作をはるかに上回る八年間も続きました。

文庫本第二巻では一巻で手にしたキテレツ大百科をより使いこなし、様々な発明品を開発していく様子が描かれ、よりファンタジックに、人に幻想を見せたり、動物を操ったり…。
どことなくドラえもんに通じる作品が多いのも特徴の一つです。

ちなみにこの二巻でキテレツはアニメの最終回と同様にキテレツ大百科を失います。しかしアニメ版とは少し違う、そんなラストシーンはどちらとも甲乙つけ難い感動物なのです。

ネタバレ等は続き以降で。
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