本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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間違いだらけのクルマ選び最終版/徳大寺有恒 ③ミニヴァン戦争
徳大寺有恒さんが人生の仕事として続けてきた人気車評シリーズの『間違いだらけのクルマ選び』。
30年の歴史に幕を閉じる、シリーズ最終版は総集編でした。

第三章はミニヴァン戦争。
最近の御大はどちらかといえばアンチミニヴァンとして知られています。
『間違いだらけの~』が終わりを告げたのも、そのミニヴァンが人気を集めていた事が影響するのかと思いきや、初期の御大はミニヴァンに対して日本のファミリーカーを大きく変える存在として期待している様子が伺えます。
本人曰く、『その予感がこのような形で的中するとは』。

もちろん、厭味です。
日本のファミリーカーを変えるような大ヒットになったものの、それは御大が理想としていたものとは違う方向でした。

ネタバレと、御大のアンチミニヴァンへの道は続き以降で。
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Nights of The Knife/TMN
TMNの解散後に出された、フォト&エッセー集です。

メンバーの写真と、TMNの人気曲6曲の歌詞が中心に構成されています。
当時見た人にとっては大人びた、そして今になって読み返してみるとまだまだ若さが目立つ三人の写真…木根尚登さんだけが変化がうかがえないという意見もあるかもしれません。

歌詞が掲載されているのはGET WILD1974FOOL ON THE PLANETIN THE FORSTHUMAN SYSTEM、そしてNights of The Knife

ここで登場した歌詞にまつわるエピソードとTMNの10年間の歩みを、作詞家としてTMNの活動の大半に帯同した小室みつ子さんがエッセーとして掲載しています。
そしてラストは2DAYSの東京ドームコンサートの写真が紹介されています。
このライブでTMNはその活動を一旦終えます。

最後のページの写真が本当に印象的です。
客席に向けられたカメラは、舞台へ向けて挙げられた何万もの手、そして熱い視線を映し出しています。
その写真にはメンバーは映っていないけれど、舞台さえも映っていないけれど、不思議とコンサートの一体感や、その熱さが伝わってくる、そんな写真です。
こんなに躍動的なコンサートの写真を見た事がありません。
このページを開くまで、そしてそれから今に至るまで。

ネタバレ等は続き以降で。
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間違いだらけのクルマ選び最終版/徳大寺有恒 ②好ましくもいつしか消え
徳大寺有恒さんが人生の仕事として続けてきた人気車評シリーズの『間違いだらけのクルマ選び』。
30年の歴史に幕を閉じる、シリーズ最終版は総集編でした。

第二章は『好ましくもいつか消え』。
御大を始めとする自動車評論家の間での評価は高かったのに、販売面で伸び悩んで短命に終わっていった車を紹介している項目です。
車ばかり見ているから、一般ユーザーよりも半歩ほど感覚が先に行ってしまっているので、少々世間の好みから離れてしまう事があると述べる御大。
自動車評論家とは何ぞや?という疑問に真正面からぶつかっていくような発言を堂々とする辺り、さすが御大です。

ネタバレ、半歩先を行った車種等は続き以降で。
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間違いだらけのクルマ選び最終版/①スポーツカーの浮沈
徳大寺有恒さんが人生の仕事として続けてきた人気車評シリーズの『間違いだらけのクルマ選び』。
30年の歴史に幕を閉じる、シリーズ最終版は総集編でした。

そこから、まずは『スポーツカーの浮沈』です。
間違いだらけのクルマ選びの歴史は、そのままスポーツカーブームとその終焉の歴史に沿っていたといったも過言ではないでしょう。

徳大寺さんは、解説でスポーツカーについて『日常的な風景を変えてしまう』ような雰囲気を持つ車であり、スカイラインGT-RやシビックタイプRのような、乗用車をベースにした車の関してはどれだけ早くても『ただの乗用車でしかない』と述べ、目に見える数字でスポーツカーを語ることを否定しています。
辛口さは相変わらず…と思いつつ、この項目中の車評を見るとシリーズ初期から『日常的な風景を変えてしまう』ような車の雰囲気をスポーツカーに対して求めている事が判ります。

ネタバレ、車種等は続き以降で。
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はらだしき村/原田宗典
原田宗典さんが開いている公式サイト、『はらだしき村』。原田宗典さんは、この中では尊重という役回り、そしてお父さんは図書館の館長という役回りを勤める、ちょっとしたバーチャルリアリティ空間を作って楽しませてくれるサイトです。

現在、このサイトは原田宗典さんの写真付き日記が読める他、書評や掲示板への書き込み、また先述の日記へのコメントが出来るなど、非常にコミュニケーションを重視した内容になっています。
このサイト内で掲載されていたWeb限定のエッセイを、一冊の文庫本としてまとめたのが、サイトの名前をそのまま受け継いだこの本です。

内容は、原田宗典さんの普段のエッセイと余り違いはありません。
幼少期~青年期のエピソード、好きな物について、日常に潜む些細な疑問など多彩です。
ただ、単純に面白さだけを問うと、原田宗典さんのエッセイにありがちな、本を抱えたまま噴出してしまうような感じではなく、もっと淡々と思いをなぞっていくような書き方です。
商用向けと、思ったことを書き綴れるWebとの自由さの違いなのでしょうか?
落ち着いた文面の原田宗典さんも良いです。サイトオープン記念の特別エッセイの、妙に肩が張った感じも要注目ですっ。

そして、普段どおり雑誌に連載したエッセイも収録されています。

『思い出の風景と風景の思い出』では、旅行やら故郷やら、風景という言葉をキーワードにしたエッセイ、『耳よりな話ばかり』は有線関連の雑誌に連載されていたようで、原田宗典さんの音楽的趣向が良く判るエッセイです。
『遠景および近景』は、これもまた真面目なエッセイ。
近景の部分で語れる家族への想い―。
エッセイの中で度々登場した有名なお父さんへの思いも綴られています。
そして、原田宗典さんの当時の特徴だった長髪。これが切り落とされた日の出来事もこのエッセイ集の中で語られています。

ところで、この本の中には偶然にも『美しい日本とは何か?』というタイトルのエッセイが登場します。
『本当に美しいものは、目には見えない。だから失ってしまい易くもある』
このフレーズを読むと、今の日本は無理に美しいものを見ようと、見える形にしてしまおうとしている…そんな気がしました。


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Web design 100/AXIS12月号別冊
実際に運用されているWebデザインを紹介、特筆すべき特徴などについての解説を加えるというサイトシーイングの本です。

1997年の本だけに、やはり随所に古さが目立ちます。
GIFアニメがちょこちょこ見れる辺りには、既に斬新さではなく懐かしさを感じます。
この時期のWebデザインは今とは別の意味で、凄く凝っています。
技術も限られていたのだろうし、当時はまだまだダイヤルアップなどのナローバンドが主流の時代…画像の重さ一つにも過敏にならなければいけないような状況もあったのでしょうか。
それでもそんな状況でも他のサイトとの差別化をする為に色々なやり方が編み出されたものです。

パッと見たときに目を惹くような、インパクトのあるデザイン。
画像や写真自体の凄み…。

この時代だからこそ、ここまでこだわったのだと思います。
技術を詰め込んだシンプルさも良いですが、こういうのも面白い…というか、改めて見ると、逆に新しい感じさえします。

紹介されているHPの多くは海外のものです。
特にデザイン会社が多いのは、やはりさすがにこだわりがあるということでしょう。
もう十年も前の本なので、参考にするには古すぎる部分もあるし、現在では敬遠されがちな部分がある事も事実です。
しかし面白さ、人の目を惹くサイト…そういう部分では、インターネットの世界にも温故知新の時代が必ず来る。
長いときを経ても、人の心を掴むデザインの数々を見ていると、切実にそう感じました。きっと、またこんなデザインのWebサイトと出会える日がまた来るのでしょう。

谷村有美さんの公式サイトも紹介されており、古今東西を全く問わないので国ごとの趣向も楽しめる…一方、どういうサイトなんだろう?が見た目で判らないのは、ちょっと寂しい部分かもしれません。
英語の勉強も大事だと、妙なところで教えられた気分です。

頑張ります。




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爆笑剣豪伝 歴史人物笑史/シブサワ・コウ
日本で著名な剣豪のエピソードを集めた一冊。
剣豪同士の名勝負編、剣豪番付、同門同士のライバル編、そして剣豪の身の立て方、仇討ちの名勝負…。
有名人の色々なエピソードが語られています。

宮本武蔵VS佐々木小次郎といった名勝負から、新撰組の生き残りだった永倉新八のその後の人生、殺人について諭した勝海舟に向かって『あの時、私がいなかったら、先生の首はとっくに飛んでいってますよ』といった岡田以蔵のエピソード、そして剣道で彼を負かせた桃井春蔵。

剣豪たちの生き様の美味しいところをさらった一冊は、真面目からディフォルメまで様々なイラスト付き。

尚、史実については『歴史研究家ならいざ知らず、ファンは気にしないほうがいいだろう』(佐々木小次郎の老人説に対して)といった具合です。

変わったところでは、剣豪ではない物の、江戸時代に死罪の首斬りを担当してきた山田浅右衛門も登場。彼は刀の切れ味を試す仕事をしていた人で、その関係上から人を斬る機会の多いこの仕事に就任しました。
親族から他人まで、歴代首斬り担当の名前として引き継がれた由緒正しい名前なのでしたとさ。



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マスグレーヴ家の儀式/シャーロック・ホームズの回想 The Adventure of the Musgrave Ritual
以前、世界の名探偵コレクションで紹介した、ホームズのとんでもない一面を紹介した作品でもあり、ホームズがワトソンと出会う前に手がけた事件として紹介されたのが、この作品です。

ワトソンがこの作品の冒頭で、『日常生活においては頭がおかしくなるほどだらしない』と語ったホームズの日常生活は以下の通り。
葉巻を石炭入れに片付ける。
そこに片付ける時間があれば、本来の場所へ片付けられるような気もする。
パイプ煙草をペルシャスリッパのつま先に入れる
ホームズは煙草の収納場所については独特の考えを持っている様子である。
返事を出す手紙をジャックナイフでマントルピースに突き刺す。
そこなら返事を忘れない!?ある意味、合理的かも。

更に、部屋の中でヴィクトリア女王を意味するVRを銃弾を壁に打ち込む事で描いて見せた事に対して、ワトソンは『これでは私達の部屋の雰囲気が台無しだ』との感想を述べています。
ホームズが派手にやらかしているのに、割りと冷静なワトソンの突っ込みです。
幾ら19世紀のイギリスでも、同居人が部屋に銃弾を打ち込んでいるのですから、雰囲気以前にもっと感じるべきことはあったと思う。
ホームズについていけるワトソンも、普通の感覚を失いつつある…そう思うのでした。

そのワトソンが一番困ったのが、事件の調査に関係する書類の始末だった。ホームズがこうした書類が紛失することを嫌う為にワトソンが勝手に整理する事も出来ず、たまる一方になってしまうのだった。

そんなある夜、ワトソンは二時間ばかりの時間を割いての大掃除をホームズへ提案する。有無を言わせぬワトソンの態度に、ホームズは忌々しそうな表情を浮かべて、部屋からブリキの木箱を持ち出したのだった。

そして、その中にはワトソンの知らない事件に関連する書類が詰まっていたのだ。ワトソンの好奇心を察したのか、ホームズは言い放った。
この箱の中には言っている事件を、君が全部知ったら他の書類の整理をする代わりに、幾つか取り出して欲しいと頼むんじゃないかと思うよ

書類の整理が面倒だった名探偵は禁じ手に打って出たのだった…。

職業探偵としての道を歩み始めたホームズ。
しかしまだまだ仕事に恵まれずにいたホームズの元へ、かつての学友から持ち込まれたのが、彼にとって三番目の事件『マスグレーヴ家の儀典書』事件だった。
亡くなった父の跡を継いで、領地の管理に地方選出議員にと忙しい生活を送る彼の片腕となって働いていたのが、父の代から働いていた執事だった。
しかし執事が屋敷内にある一家に伝わる成人の儀式に関する資料を勝手に読み漁っているところを見て、依頼人は執事を解雇する事を決めた。何とかもう一ヶ月、せめて二週間…、体裁を整える為に…と懇願する執事へ対して、一週間の猶予期間のみを認めたのだが、その一週間を待たずして執事は必然と消えてしまった。
彼に思いを寄せる女中と共に…。

そして女中の足跡を追って辿り着いた池からは、古い金属の塊と、小石かガラスの破片のような物が数個入った袋のみで、死体を見つける事はなかった。
この謎を解明してもらう為に、依頼人はホームズの元を訪ねたのだった。
ホームズはようやく自分の能力を広く示すことが出来るチャンスに、全力で取り掛かったのだった。

ネタバレ等は続き以降で。
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マンガ日本の歴史がよくわかる本【室町・戦国時代~江戸時代】篇/小和田哲男、小杉あきら
挿絵の多い歴史の本と、文字の多い歴史のマンガを間違えて購入したのがこの一冊。
よく学校の図書館に置いてあるような本の、文庫本です。

時代としては室町時代の政治がドロドロしていた時期から、合戦の時代を経て、安泰の江戸時代へ入り、吉宗の時代までを描いたものなので、幕末を除けば、かなり美味しい部分を抽出した一冊だと思います。

内容はマンガです。
歴史の描き方として特徴的なのが、出来事の流れ(誰かと誰かが争いあう等)を、個々人の物事の考え方や性格から描いている事で、年表的に見せられるよりも、「こういう事情があって、こうなったのか」や、「こういう性格だからこういう判断で動いたんだな」といったものが非常に判り易くいです。

文字よりもイラストの方が判りやすい部分も多々あり、生類憐みの令での犬の生活ぶりなどはチラリと描かれているだけですが、それでも理解しづらい文章を読んで覚えるよりは、この一頁が頭に残ればそれだけで覚えられる…。

最近の教科書にはマンガが増えてきていると聴いた事があります。
そういう教育のあり方も、新しい時代にはいいのかもしれない。そんな風に思わせてくれる一冊でした。

尚、巻末には監修の小和田哲男さんによる関が原の合戦についてのコラムがついています。結局、このページから開いた為に、僕はイラストの多い歴史の本と勘違いしたのでした。



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定価200円の殺人/吉村 達也
10年以上の読書暦を持つ方なら、きっとご存知の角川mini文庫。
本当に手のひらに収まるポケットサイズ。
200円という低価格に、あっさりと読みきれるサイズの文庫本は、活字離れが叫ばれ始めた時代に、角川文庫が次世代の本のあり方を考えて発表した新商品でした。

その第一弾として発表された幾つかの本の中の一つに、この定価200円の殺人がありました。
作家は推理作家として、ホラー作家としても知られる吉村達也さん。
まさに第一弾に相応しく、200円を題材として起こる殺人を描いたものです。
200円に笑う者に降りかかる悲劇…。
それは200円の価値を最大限に引き出して見せようという角川mini文庫のコンセプトそのものを小説にしたような内容でした。

小さな文庫本はその後も多岐に展開。古典の名作を取り上げたり、CDや宿を紹介するレビューとして、時には一番短い手紙といったシリーズものとして様々な作品が送り出されました。

現在は新作が止まって久しい角川mini文庫。
しかし手軽な価格とサイズで、読書の楽しさを知った人も決して少なくないはずです。もう携帯電話やi podといった新世代のメディアがはびこる社会で、角川mini文庫の担うべき役割は終わってしまったのかもしれませんが、実に面白い試みでした。



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大きなビートの木の下で-BOФWYストーリー-/紺 待人
BOФWY―。
日本のロック界へ大きな足跡を残したロックバンド。
そして、今尚彼らの音楽に影響を受けた事を公言するロックバンドは後を絶たない。

この本はBOФWYの最終メンバーとなった四名―氷室京介、布袋寅泰、松井常松、高橋まことの半生…音楽と出会ったばかりの無垢な少年時代~やがて出会い、BOФWY(暴威)となる直前までのドキュメントを綴ったものです。

氷室京介の状況後の挫折。
自分のバンドを失くした状態からの再スタート…そして、この本に登場するメンバーや、後に脱退するメンバーと出会っての再起。

そこまでの人生の紆余曲折を様々に紹介しています。
メンバー四人ともに、それぞれに歩いてきた道。
そこにあるのは、『いかにも伝説になりそう』な男の姿ではなく、どこにでもいる音楽好きの四人の青年の姿です。
少し興味深かったのは、布袋さんの身長のエピソード。
グングン伸びる息子に、服を購入する母親は大変だったそうです。

脚色なのか当時はある程度のフィルターがかけられていた部分があったのか、後にここのメンバーが語った内容と微妙に食い違う箇所もあるものの、バンド自体が語られることは多々あっても、結成前夜までの物語はなかなか目にすることがないので、興味深い一冊です。

そういえば、後に布袋さんは氷室京介さんからバンドの誘いがあった時に、怖くて断り切れなかったとの旨の発言をしていますが、作品中ではそういう風には紹介されていません。
意外と高橋まことさんのバンドとの出会いの風景がドラマチックというか、綺麗に感じました。個々にどうしても目立つ、目立たないはあるものの…、やはり一人一人を見れば挫折も努力も人一倍。

また、バンドの人気曲である“CLOUDY HEART”のエピソードとなった出会いと別れについても、チラリと描かれています。CDをBGMに個々の歩いてきた道を辿ってみるのも、なかなか風流かもしれません。

尚、この本は続編が予定されていたそうですが、発売はされないまま中止になってしまったそうです。



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シャーロック・ホームズの秘密ファイル/ジューン・トムスン
シャーロック・ホームズシリーズには数多くの『語られざる事件』が存在します。
その幾つかは、ワトソンが発表する作品を選ぶ中で、こちらよりもこちらの方がホームズの才能を如実に表しているのではないか…といった比較対照で発表の機会を与えられなかったもの、他にホームズシリーズとして発表されている作品の中にも存在するように、時期的に事件関係者への影響やプライバシーを重視して、発表できずにいたもの…。
様々な理由で発表されないままとなり、発表された事件簿の中で事件の概要とタイトルだけが触れられるに留まったままの作品があります。

ジューン・トムスンがホームズシリーズのパスティーシュの作品群は、そうした語られざる事件のみに焦点を当てた作品集です。
これまでに単発で取り扱った作品はあったものの、それらをこうして何作にも渡ってシリーズとして発表したのは、初の試みです。

ジューン・トムスンといえば、ホームズとワトスン―友情の研究という、ホームズの研究所を発表している方で、この本のタイトルから見ても判るとおりホームズとワトソンの友情を重んじる傾向にあり、本作中でも、コナン・ドイルの原作と比べると、ホームズが友情に厚い傾向にあります。
原作でも別に冷たいわけでは無いですが、読んでいてジューン・トムスンのワトソンびいきが少し判るような気がしました。
ワトソンファンには、オススメの一作です。

上記の一点での多少の違和感を除けば忠実に再現できていると思いますが、本作の解説をされている法月綸太郎さんの指摘でなるほどと思ったことが一点。
ジューン・トムスンの描くシャーロック・ホームズの時代に、植民地が無い。ホームズシリーズを紐解けば、様々な事件の起源となった場所に植民地があるのですが、確かにそういう部分が異なるように思えます。
法月さんはジェネレーションギャップのように解説されていますが、その通りなのか、もしくは意図的にかつて植民地だった国への配慮として取り上げなかったのか…、どちらかなのでしょう。



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悩みはイバラのようにふりそそぐ 山田かまち詩画集/なだいなだ編
山田かまちさんが短い生涯の中で残した作品を、絵と詩とに分けて紹介したもので、水彩画とデッサン、そして詩…と、三つに分けられています。

幼少期から、晩年までを一冊に集めているので、先に紹介した『10歳のポケット』、『15歳のポケット』、『17歳のポケット』と比べると入門編にはいいかもしれません。
ページをめくるごとに進んでいく作風の変化は、思春期という時期を駆け抜けていく若者の姿そのもの―。
そこには甘い恋や、未来への不安、そして自分自身に対する懐疑…。
誰もが通ってきた、様々な複雑な気持ちが綴られています。

一つ特徴的なのは、ばっさりと項目分けが行われている事。
山田かまちさんの詩画集の多くは、イラストと詩を交互に掲載しているもので、詩と絵とどちらも均等なバランスになりがちなのですが、この本の場合は電文で打ち直した詩が、文字だけでずっと綴られています。合間にノートに書き綴られたようなイラストが数点挟まれてはいるものの、ほぼ詩のみで構成されており、山田かまちさんの詩というものを裸の状態で読むことが出来ます。
意外とイラストを除外して読むと、作品の雰囲気が違って見えるのも事実。
この作品を通してみた、画家としての山田かまちさんも、詩人としての山田かまちさんも、どこか新鮮に感じられました。




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ギター殺人事件:AC/DC
本を購入するときに、よく見るのが表紙のイラストとタイトルです。
小説の多くは表紙のイラストの雰囲気が、中身の作品の雰囲気を表すことが多いので、僕はタイトルと同時に表紙を見て本を購入します。
このブログ内で紹介しているパーネル・ホールシリーズはその中でも最たるもので、殺人事件の表紙に踊るディズニーキャラクター達の名前に釣られて購入したのがきっかけでした。

それはさておき。
CDではジャケ買いがありますが、タイトルに釣られて購入するケースもあるでしょう…特にオムニバスなどでは。
僕は推理小説好きなせいか、ロックの大御所であるAC/DCのライブアルバムをタイトルで購入してしまいました。
ギター殺人事件…。
興味を惹くじゃないですか。

AC/DCはリズミカルなメロディが魅力のオーストラリア出身のロックバンドです。
バンド名は交流・直流兼用の意味合いで、家で練習に励むAC/DCのメンバーのうるささを掃除機に書いてあったこの文字で例えた事が名前の由来だったそうです。
本作、ギター殺人事件は殺人事件映画などのサントラ…でもなんでもなく、“If You Want Blood”というタイトルのアルバムにつけられた邦題であり、メンバーのお腹にギターが突き刺さるという衝撃的なものでした。
本作は後に急逝してしまうボン・スコットが在籍した時代の唯一のライブアルバムであるのと同時に、この時代の洋楽アルバムにつけられていた邦題の中でも奇抜なものの一つとして、今でも多くの人々から愛されている作品だそうです。

本の虫が、ちょっとした検索ミスでこういう作品に触れる事もあるのです。世の中、不思議なものです。



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「不思議‐なぜ?」動物おもしろ百科
動物の形や行動、そして名前の由来―。
様々ななぜ?へ答える一冊です。

項目は動物の行動(例:クジラは何故潮を吹く?)、動物の形(例:亀にはなぜ甲羅があるのか?)、そして動物に関する話題(例:歴史に登場する動物や動物の名前の由来)といった項目に分かれています。

冒頭からいきなり猫の七不思議シリーズから始まるものの、猫に特化せずに色々な動物を紹介しています。
ちょっと気になる動物に利き手はあるのか?や、ライオンは本当に百獣の王か?といった気にせずに使っている言葉の確証…。
また、鶏のトサカに意味はあるのか?、ツキノワグマの月の輪(胸元の模様)の理由は?…。

ばかばかしい、だけど言われてみると気になる。
そんな話題が豊富に収められたこの一冊、なかなか面白いです。

ちなみにこの著者の實吉達郎(旧字体のため、本によっては実吉達郎の表記)さん。
僕がどうしてこの一冊を手にしたのかにも関わりますが、日本シャーロック・ホームズクラブの会員、立派なシャーロッキアンなのでした。
ホームズばりの観察眼か、実際にアマゾンなどで動物に触れてきた経験から語られる部分も多く、その上でオランウータンの名前の由来については、オランは人、ウータンは木の意味のようだったという事を口にしています。

僕自身、興味深かったのは動物の名前の由来。
ヤギ、ゴリラ、熊…。
意外と考えた事のない動物の名前の由来が沢山掲載されていて読み応えがありました。また、ここの項目でもその経験を活かし、謎の動物に対して、例えば熊は呼吸の音から?など、実際に近くで見聞きしてきたからこそ言える推論を繰り広げています。



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この地球を受け継ぐ者へ ―地球横断プロジェクト「P2P」全記録/石川直樹 ①北極圏
地球横断プロジェクト「P2P」。
北極から南極までを最大限人力で移動することで横断し、その間に様々な人々と触れ合い、お互いの文化や知識、旅を通して経験したことなどを共有していく―そんなプロジェクトが行われた事をご存知でしょうか?
十ヶ月間をかけて、若者達が辿った地球横断の旅。
その参加者の一人で、冒険家として知られる石川直樹さんが綴った日記とエッセー。
それがこの一冊にまとめられています。
ページ数が膨大なため、読書と並行して項目ごとに分けて紹介して行こうと思います。

第一回目は、北極圏。
旅の最初が北極というのも、また過酷な話だと思いますが、旅に備えて様々な訓練を行ったことや、体力に余裕があるというので、プロの目から見ればあながちおかしくは無いのかも知れないですが、読む側からは最初から猛烈で、今後大丈夫なのか!?とさえ思ってしまいそうな展開です。

北極の旅ではあるものの、思いのほか寒いといった記述は見当たりません。北極の旅の最後の日記に、石川さんは興味深い記述を残しています。
『マイナス35℃―寒すぎ。
 マイナス25℃―動いていればOK、動いていないとかなり寒い。
 マイナス15℃―快適。
 マイナス 5℃―暑い。
 プラス  5℃―暑すぎ、といったところだろうか』
人間の体の適応能力の高さに驚かされる記述です。

北極の旅は事務局が安全なルートを選んだことや、ある程度の運もあってか、首尾よく終了できた様子ですが、やはり旅の始まりだけに靴擦れにはかなり苦しんだ様子が描かれています。
ただ北極ならではの苦難としてトイレの方法が紹介され、寝袋で横になったまま水筒へ出し、朝になると凍結してしまっており、それを解凍するのだが、火に近づきすぎて穴を開けてしまったエピソードを紹介。
『これほど悲しいことはない』とは石川さんの弁。
また、場所柄ホッキョクグマの存在も脅威で、大事に至る場面は無かったものの、ひやりとさせられる場面や、ライフルを構えたり、スノーモービルで追い立てることで人へ対する恐怖を植えつけたり…。
これがただのキャンプ日記ではない事を再認識させられる場面も多々紹介されています。

途中、幾つかのエピソードがコラム形式で間に挟まれており、その中でも『チームビルディング』という、チームをより一致団結したものに完成させるための活動について記載されており、これは凄く勉強になるものでした。
もちろん旅を通しても、ずっと彼らはチームとしての団結力を高め続けていくわけですが、スタート地点に立つ前に、お互いがお互いをフォローし、高めあっていくチームになるための訓練をしていたのでした。



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モルグ街の殺人/エドガー・アラン・ポー
エドガー・アラン・ポーが生み出した、世界初の探偵小説であり、密室殺人を扱った世界初の推理小説でもあるのが、この『モルグ街の殺人』です。
没落貴族であるオーギュスト・デュパンと、彼の生活や事件解決の語り手である『私』が主な登場人物で、この二人の関係が俗に言う探偵役とワトスン役の起源となりました。
また日本でも江戸川乱歩の名前は、エドガー・アラン・ポーをもじった物だというのは有名な話です。

僕はホームズ~デュパンの順番で入ったのですが、この二つの作品は良く似ています。名探偵と語り手という分担や、論理的に分析をするというスタイルが共通しているせいかも知れませんが、デュパンのシリーズ中で、その相棒役はいつでも『私』でしかなく、必要以上に自分を押し出さない。
よって時にはホームズよりも注目される機会があるワトソンと比べると、語り手に徹している『私』は、個性に弱く、僕達読者にはその名前さえ明かされていません。

今作ではまず二人の出会いから始まります。
意気投合した二人は、『私』のパリ滞在期間中を一緒に暮らすことに決め、昼間はよろい戸を締め切り蝋燭で暮らし、夜になるとフラフラと街へ出て行く…。
そんな奇怪な暮らしを送っていた。

ちなみに夜の街には手を携えて行くそうです。

そんなデュパンの分析的な一面。
それを忌憚無く発揮したモルグ街で起こった殺人…。
喉を切り裂かれた女性、そして犯人が発したと証言者が語るのは、幾つもの異なる国の言語だった。
交錯する情報の中で謎に包まれた犯人像へ、オーギュスト・デュパンが迫る。

ミステリー初の名探偵が解決した最初の事件は、それ自体が奇怪なものだった。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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憲法講話-常に手元においてるお気に入りの本/TBテーマ
FC2のTBテーマに『常に手元においてるお気に入りの本』というのがあったのでやってみようと思います。

どちらかというと雑食で読み漁るタイプなので、これが常に!という感じのものはないのですが、宮沢俊義さんの著書で『憲法講話』という本は、大学以来ずっと読みふけっています。

内容は憲法の基礎です。
現行憲法を、戦前の旧憲法と照らし合わせ、またその起源を添えながら解説するという内容です。
本自体がもう四十年も前の内容なので、憲法自体が潜在的に持ち続ける問題への提唱はあっても、昨今の憲法から派生した新しい権利や問題についての言及は少ないですし、現在的なものではありません。
ただ、それだけに凄くピュアな憲法の本です。

最近の憲法の本を読めば、確かにタイムリーな話題は沢山追加されていますし、もうここ数年来の本を開けば、そこには『改憲』なんて言葉も踊っています。

それも大事な問題だし、これから考えていかなければいけない問題であるのは間違いないけれど…なんとなく、この『憲法講話』の持つ独特の、憲法の根本的な問題だけを見つめる一冊の雰囲気が大好きで、色々な法律の本を読んでも、最終的にはこの本の雰囲気に浸ってしまいます。
改憲はこれから必要なものだと思うのですが、憲法に関する本で改憲という言葉を目にすると、よもや逃げであったり、問題をあやふやにするようなきらいがあるようで、個人的には余り好意的には受け入れられない部分が有ります。
そうではなく、現状の憲法でしっかりと向き合っている姿勢というのは、読んでいて興味深い部分でした。

また基本に忠実な内容だけに、色々な本を読む合間に頭に入れておくと程よい復習になるので、そういう意味でも重宝しています。

まだまだこれからも長く付き合っていけそうな、そんな一冊です。


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学校では習わない日本史/山本博文
『読み方で江戸の歴史はこう変わる』という本を改題したのが、この『学校では習わない日本史』です。

僕はコレまでの傾向でこういうタイトルだと、歴史のこういう出来事の裏には『ドロッドロな事がありました』とか、実は些細な出来事が原因でした!とか、そういう流れの内容を想像しがちでしたが、この一冊はそういうゴシップめいた内容ではなく、色々な出来事や制度の実情を追求する本です。

例えば赤穂浪士の事について記載している部分では、こういう出来事がありました…と忠臣蔵について触れ、多くの本ではその後のエピソードであるとか、エピソードの真偽などについて触れるのですが、こちらでは元・山一證券の支店長達の最後の仕事ぶりになぞらえて、武士の物事の考え方から赤穂浪士の思想や美学についてを追求し、その上で、だからこういう流れになっていったという見方をします。
これも確かに、歴史上の出来事を習うだけの歴史の授業では知り得ない部分です。

また制度面からの見方も面白く、留守居役が実は困った存在、そして強大な権力を持っていたという事や、時代劇では定番となった白州のお裁きも中追放(手限仕置き、幕府の重要な直轄地からの追放)までしか町奉行には下せず、それ以上の刑罰に関しては老中へお伺いを立てなければならないなど、まるで刑訴法の授業のように事細かに説明します。

確かにこういう本の内容は学校の授業ではない部分です。
他、鎖国令という物の存在自体を疑問視し、法令を読み取るなど、日本史を歴史としてだけではなく、様々な専門的な立場から見るというのは難しいようで、なかなか面白い。
そこにはベールに隠されていた本来の江戸の姿が見え隠れするようです。

しかし山本博文さんが伝えるこの本の内容を通してみると、江戸時代というのは、意外なまでに現在との差異の少ない、仕組みとしてよく出来た時代だったのだと思います。
そしてその良さは、たとえ江戸時代が終わった今でも脈々と引き継がれている部分が少なくないのだと、改めて繋がっている歴史を感じさせてくれます。

尚、本作にウサギは出てきません



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江戸に学ぶ粋のこころ/小山 觀翁
江戸時代の文化を紐解く本で、テーマは『粋』。
今でも日本人の心に一つの美学のあり方として脈々と受け継がれる粋という感覚を通して、江戸時代のトレンドを探ります。

ジャンルは『スピリット』、『ライフスタイル』、『カルチャー』、『マスコミ』、『アート』、『ランゲージ』。

最初のスピリットでは、まず『粋』とは何か?を考えます。
普段の生活のなかで起こりえるシチュエーションなどを挙げて日本人が感じる『粋』という物はどのようなものなのか?を考える、この本のメインとなる部分です。
まずはこの章を通して、粋の概念を決めた上で読み勧めるのがベター。

ライフスタイルでは初代藤十郎の電文から読み取る粋の美学、そしてお金について考えます。
カルチャーでは組織によって反転した文化と文学等から当時の粋を読み取ります。
マスコミでは広告、瓦版などを通して粋、当時のマスコミが庶民の目を引く為に行っていた表現などを学びます。
アートでは浮世絵や錦絵など、当時の江戸の人々の目を楽しませた芸術から、当時の人々の感性を読み取ります。
ランゲージでは、江戸弁とも言える様々な言葉遊びのような尾頃から派生した江戸独特の言葉から、粋を読み取ります。

こうして様々な面から『粋』を読み取る一冊。
現在ではトレンドなんて横文字を使って表現をするようなジャンルなのかもしれませんが、言葉は違っても粋という言葉は現在のトレンドという感覚にも大きな影響を及ぼしているんだという事を実感し、遠いようで実は近い江戸の文化を再認識する事が出来る一冊でした。
特にマスコミというのは、意外と江戸時代の人々も今の僕達も、感覚的にはそれほど変わらないのかな?という感じがしました。



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グロリア・スコット号/シャーロック・ホームズの回想 The Adventure of the Gloria Scott
『ここに、こんな書類があるんだけどね、ワトソン』
ホームズがそう言ってワトソンに渡した変色した手紙―。
結果的にある治安判事の命を奪う事となってしまったというその手紙の内容は、しかしさっぱり意味不明のものだった。
面食らうワトソンに笑いかけるホームズ。
頑強な老人がこの手紙を読んだ事ですっかり打ちのめされてしまったのだという事を伝える。

なんだか面白そうな話だ 。』
↑ワトソンの反応です。
これを見ていると、切り裂くジャックはワトソンだったんじゃないのかとさえ思ってしまう。この医者、たまに冷酷な一面を見せているような気がして仕方がない。

ホームズがワトソンにこの手紙を見せたのは、これがホームズが始めて手がけた事件だった…という事からである。
この事件の中心事物、地位もあり、そして世間を知っているトレヴァー老人の一言、『きみの身を立てる道はこれかもしれないな』から、ホームズは自身の推理癖がただ好奇心を満たすものではなく、職業として…それはやがて世界初の諮問探偵という形になる…成り立つという可能性について考えるようになったという意味では、まさに探偵としてのシャーロック・ホームズの産声となった事件です。

尚、このトリヴァー老人というのは、ホームズがカレッジ時代の二年間に作った『唯一の友人』だそうです。
せ、切ねぇ…。

出会いも劇的で、彼の飼い犬だったブルテリア(愛らしい顔をした闘犬の一種)に噛み付かれ十日間ばかり床に伏したのが知り合うきっかけでした。
文面から察するに大怪我です。

そして更に親しくなる為の共通点というのが…友人がいないこと

…なんなんだ、こいつらの関係!

それはさておき、親友と呼べる間柄にまで発展した二人。
長期休暇に彼の実家、ノーフォークへ招待されたのだった。先に紹介された老人というのは、この親友の父親だったのである。
友人がホームズの推理能力について語るのに興味を抱いた老人は、自分からどのような事が見出せるのかを試そうとする。そこでホームズシリーズの定番、一目見ただけで依頼人の素性などを読み取る、あの世界的に有名な推理が披露されたのである。
ホームズは『ここ一年ほど誰かに襲われる事を警戒している』、『若い頃にボクシングの経験がある』、『採掘の仕事をしていた』、『日本へ来た事がある』、『かつてJ.Aのイニシャルを持つ人と親しかった』…最後の推理までを聞くと、老人は思わず卒倒してしまった。
ここまでの推理を受けて、老人はホームズに対し、冒頭で述べたような職業としての推理の道を提案したのだった。

しかし、ホームズは老人が自分に対して何を知っていて何を知らないのか…懐疑的になり、自分がいては落ち着かないようだと悟ると、大罪を切り上げる事にした。
その最終日の前日、老人の古い友人という船乗りの男が訪れる。
そして、この男が平穏な暮らしに大きな変化をもたらすのだった。

切り上げた後、研究をして過ごす日々を続けていたホームズ。
そこへ友人から知らせが入る。
それはホームズの助言と援助を求める物で、ホームズが現地へ駆けつけてみると、丁度老人が息を引き取ってしまった後だった…。

ネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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失われたムー大陸の謎 日本人はムーの子孫だった!/超科学研究会・編
サブタイトルの凄まじさについ衝動買いした一冊。

タイトルの通り、ムー大陸の謎を追求すると同時に、ムー大陸と関連するとされる文化(例えば縄文土器とエクアドル土器)、モアイ像(ムー大陸の生き残りの人々が立てた鎮魂の像?)や、更には遺伝子レベルでの類似点など、日本人がムー大陸と何らかの関係、言ってしまえば『子孫』である可能性を追求する本です。
こういう文献でたまに目にするのですが、確かにムー大陸と沖縄というのは何らかの関連性があったのではないか?という仮説はこの本に限らず存在するそうです。

だから無理があるなんて言わないで。

ただこのコンセプトも意外と冒頭部と巻末部で触れているのみで、後はムー大陸の謎に迫る、様々な仮説を検証するといった本です。
個人的にはムー大陸の崩壊の一日の様子を描いた部分が興味深かったです。この部分の大半は家庭どころか『空想』なのかもしれませんが、大陸が消えてしまう瞬間…どんな事が起こっていたのか、それはとても興味深く、身の震えるような空想でした。

まだまだ謎の多い『ムー大陸』。
それが存在したのかどうかは未だに判りません。
もしかすると明日には『ムー大陸は存在しなかった!』なんて記事が世界中の新聞を賑やかせて、こうした本も水泡に帰すのかもしれませんが、それでも―。
何でも解決してしまう科学がはびこる21世紀という時代。
こういうロマンが残っていること、まだ人々に空想する自由が残されていること…そういう事実が嬉しくなる一冊です。

こうして検証している本を『空想』と表現するのは正しい事ではないかも知れないけれど、書いていて楽しかったんだろうなぁ…そんな、ちょっとした羨望が生まれる一冊です。





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道 LA STRADA/光原百合
光原百合さんが『道』というコンセプトを掲げて綴った詩集です。
黒井 健さんの純朴なイラストに添えた言葉は、道を風景として捉える事もあれば、人生として捉える事もあり、そして人の気持ちとして表現する事もあります。

基本的なコンセプトとして、人生としての旅を描き、そして前向きに歩いていくことを色々な視点から見た『道』を歩いていく事を通して伝えようとするものです。

『道があるから
 また つぎの旅が始まる』

道。
黒井 健さんの優しいイラストと、光原百合さんの穏やかな言葉で伝えられるメッセージは、強くて切ない。



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環境ホルモン・何がどこまでわかったか/読売新聞科学部
環境ホルモンについての本で、内容は独自の研究や調査結果というよりは、今まで出揃っていた事実を総ざらえした上で、正しい情報と誤った情報とを整理したものです。

読んでいて思ったのは、ニュースで報じられて『事実』だと刷り込まれていた内容が、科学で実証されていない様な事が多く含まれていたという事、そしてその情報に安易に踊らされた事によって様々な社会問題が引き起こされた事、です。

一時期はカップ麺や給食の食器についても社会問題となりましたが、後に(今でも反する研究結果などが発表されているものの)カップ麺は安全である事が確認された。
給食の食器に至っては安全である事が発表された段階でさえ、変更が進められたとも。

本文ではある研究者の一言を紹介している。
多少の環境ホルモン物質にさらされるリスクと、ガラスや陶器の食器を割ってけがをするリスクを考えれば、高齢者にとっては当然、軽くて丈夫な樹脂の食器の方が優れている
それがいい事なのか悪いことなのかは判らないけれど、問題が沈静化した今になって振り返ってみれば、こんな単純な結論にさえ辿り着けないほど、当時の私達は交錯するニュースで混乱の中にたたされていたのだと思う。

こうした事実を考えた上で、環境ホルモンとは?を考え、社会問題を経た日本の取り組み、そして各国での問題への取り組み方を紹介。
その対比から日本の法制度の問題を浮き彫りにしています。

他、11名の専門家による寄稿も、それぞれの立場から見た環境ホルモンという問題、そしてその問題へ対する取り組み方や考え方…。
川崎 一さんは様々な情報の混在の中からニュースで取り扱いやすい研究結果のフレーズが先走って報じられている様子に対して『少なくとも、サイエンスのレベルで見た場合、おかしいと思います』と苦言を呈しています。

どうしても私達の殆どはニュースで取り扱われている事実に対して、玄人ではありません。人一人が詳しいジャンルなんて、せいぜい1~3程度。
その他の事については、ニュースを頼りにしている部分があります。
しかし、そのニュースが果たして事実なのか?については、昨今の番組での情報の捏造問題等も含めて、一旦考えるという時間を置くようにしなければならないのかもしれません。
もちろん、ニュースを作る側の姿勢も併せて、変化していかなければならないはずです。



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Paint shop Proパーソナル
最近、本屋でよくパソコンソフトを置いているのを見かけます。
そこで見つけたのが、Paint Shop Proパーソナル

これ、パーソナルと書いてあるものの、中身は型落ちのPaint Shop Pro 9です。
型落ちをこういう形で販売するというのが面白いなーと思いました。
最新ではないにしても、機能は画像をいじるソフトとしてはかなり高い水準です。
定番ソフトのフォトショに比べると機能が幾分か劣るものの、一般的な使い方…デジタルカメラの写真を少し補正したり、少し加工する程度なら、フォトショよりもシンプルなインターフェイスは使いやすいし、何よりも動作が軽い。
ただでさえ重い写真のデータを加工するソフトが重いのは、ロースペックパソコンにとってはかなりの苦痛ですが、PaintShop Pro9は以前のバージョンほどではないけれど、明らかに10以降のバージョンよりは全ての動作が軽快です。

背伸びしてフォトショを買うのではなく、等身大にコレくらいのソフトをきっちり使いこなせるようになった方が出来ることの幅が広がるという見方もあるのかもしれません。

価格も型落ち価格、\1,898!
最新型の一般価格が\10,500である事を考えるとかなりの破格です。
意外と使えない、動物やら建築物やらのスタンプ機能がオススメです。
…Paint shop Pro9として買った人間が言うんだから間違いないさ。

いいソフトですよ。
なんだか複雑な気分ですが。



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勇気の詩集/やなせ・たかし
アンパンマンでも有名なやなせ・たかしさんの詩集です。
タイトルにもある通り『勇気』が題材です。

ただ勇気が題材ではあるものの、『こうすれば勇気が出る!』や、『勇敢なのはいい事だ!』という内容ではなく、どちらかといえば『勇気があればなぁ…』といった、勇敢な人になりたいというとても等身大な立場から描いた詩で、読んでいて共感する部分が非常に多いです。

『あのとき
 ほんの少しの
 勇気があったら…』
繊細なイラストと共に綴られる言葉は、まるで自分自身の言葉のように胸に残ります。

一方で最後に掲載された詩の中では、『きみの勇気を忘れたか』と綴る。勇気は、どこかで見つけるものではなく、どこからか生じる物ではなく、自分の中にあるもの、それに気づくかどうかなのかも知れない。

一つの詩に対して、一つのイラスト。
その多くは人間の姿で、姿かたちはやなせ・たかしさんの代表作であるアンパンマンのばたこさんのように線の細いキャラクター達ですが、その表情や動きは、生命力に溢れ、詩の世界を体現するかのようなきって離せない、そんなイラストでした。

尚、この詩集はギフト用。
冒頭には渡す相手、そして自分の名前を書く欄が用意されています。
amazonで検索したところ、同様のシリーズで『幸福の詩集』のみ、マーケットプレースで見つかりました。
¥350。30年も前に出た本ですが、紐解けば今も言葉は色あせない。



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赤毛の巨人/シュロック・ホームズの冒険
タイトルから攻めてきているシュロック・ホームズの第二弾です。
この作品から、駄洒落が効いて来ています。

シュロック・ホームズが依頼人の職業を言い当てる。
それは『書籍製造人(ブックメイカー)』。
言い当てられた依頼人は驚く。彼は『(競馬の)賭け屋(こちらもブックメイカー)』だったのである。
特徴として、指のタコと黄色い糊の跡、そしてナイフ。
本を綴じる際に出来るタコ、そして製本に用いる糊、切りそろえるためのナイフ…が、賭け表をめくって出来たタコ、職業上の防衛のためのナイフ、そして食事の卵…。

依頼人がシュロック・ホームズの元を訪れたのは身に覚えのないある貼り紙についてだった。
『グッドの賭け屋いわく、賭博は最大の悪業なり!』と書かれた講演の案内をする貼り紙が出回っていたのである。自らの職業を否定するような発言を彼がするはずも無く、またこのような評判が広まれば自身の生活にも支障を来たしかねない。
そして驚くべき事に、彼の知人の同業者であるジョブやエイモンの名前でも同様のチラシが出回っているというのだ。
彼は自分達の生活を守るため、シュロック・ホームズへ助けを求めたのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
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松本人志 愛/松本人志
松本人志さんのエッセー、第三弾です。
こちらは全編『○○について』という形式を取り、一つ一つの事項について語りつくします。


『映画について』の項目では、『はい、映画は撮りません』の一言。
つい先日、カンヌで…という話題が流れたばかりの今から見ると、逆にその意識の変化が見えて面白いかもしれません。
笑いの組み立てと映画のカット割りとを比べて、笑いをする人は映画は撮れると話す一方で、自分が作るのであれば笑いの要素がどうしても抜けない、そして映画でやるならテレビでやるのとは違う形でないと意味がない、では笑いを入れた映画とは…『やっぱりないんですよね。』とこの当時の松本人志さんは結論付けます。
しかし、この単行本が発行されて七年。
『笑いを入れた映画』は、カンヌの舞台へ。

ラストでは、色々と憶測を呼んだ『ごっつえぇ感じ』の終了についても語っています。
そして、最後の最後では自分の人生の幕引きにまで…。

『松本』、『遺書』同様に軽妙な語り口である物の、意図的に笑わせるような面白さを重視した内容ではなく、人間としての松本人志の面白さがにじみ出るような、そんなエッセーです。



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アスコット・タイ事件/シュロック・ホームズの冒険
シュロック・ホームズとワトニィ博士を主人公に据えた、シャーロック・ホームズシリーズのパロディ、シュロック・ホームズシリーズの第一弾にして、著者であるロバート・L・フィッシュにとっても出世作となったアスコット・タイ事件。

シュロック・ホームズのシリーズとしては、この作品は日本人にはわかりづらい内容の作品で、英語の隠語を用いた電報から、シュロック・ホームズが誤った方向へ事件を解決していくというものです。

依頼人がシュロック・ホームズの住む『ベイグル街』を訪れる旨を電報で送ってきた。その文面から依頼人が非常に動揺している事を読み取る二人。
その理由は…電報にそう書いてあるから

またホームズお得意の依頼人の観察による推理は、片鞍乗馬に凝っていて、最近ラブレターを書き、そしてベイグル街のホームズ宅へは炭坑を経由して来たというもの。
その理由はそれぞれ、衣服についた流行の鞍の跡、そして指先についたピンク色のインク、目の下の粉…だったが、事実は服をアイロンで焦がした跡と、食べたイチゴの残りが指についていた事、そして急いで化粧をした為に肌に粉を吹いていた…という事で、ホームズの反応は、『そりゃ、いずれかでしょうな』。

依頼内容は伯父についてだった。
仕事が上手く行かなくなり、悪い連中と付き合い始めた伯父。
ある日、服の内側へ縫い付けられた封筒を見つける。
その中にある手紙は…意味不明の内容で、どうしても気になった依頼人はシュロック・ホームズの元を訪れたのだった…。

ネタバレ等は続き以降で。
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株式仲買店員/シャーロック・ホームズの回想 The Adventure of the Stock-broker's Clerk
ワトソンが結婚後、開業医として診療所を始めた時期の事件です。
彼が開業したした場所は以前は相当に流行っていた診療所だったらしく、最近流行らなくなってしまった理由について、『世間というのは、他人の病気を治す者はまず自分が健康でなければならないという原則を振りかざし、自分の病気も治せない医者は、その手腕まで不信を抱くものだ』と語る。

当然です

ただこのワトソンの理論も間違えていなかったようで、開業して以来ホームズと会う暇もないほど忙しかったとの事。
ホームズも仕事の用事でもない限り出掛ける事はなかったと語るワトソン。
ちなみに彼は珍しくホームズと一緒に散歩を楽しみ、帰って来たところ、依頼人が待ちきれずに退席してしまっており、ホームズの八つ当たりの標的と成った経験を持っています。

そんなホームズが珍しくワトソン宅を訪れる。
もしもまだ推理活動へ対する興味が薄れていないのであれば、一緒に事件解決に出かけないか?との誘いである。ワトソンは『あのような経験は、いくらでも味わいたいと思うよ』と返す。
…この医者の対応もどうかと思う。

隣に住む開業医に自らの患者を任せ、ワトソンは一緒に出かけることになる。
それにしても隣同士に診療所を構えているという歪な関係の二人の医者だが、ワトソンが今回ホームズの事件へ同行する為に患者を任せるのと同様に、隣の医者も出かける際には同様の措置を取るらしい。
この時代のロンドンの医者というのは、実に気ままであったらしい。

事件の依頼人は転職したばかりの株式仲買店員。
最初に勤めていた会社が倒産し、ようやく同様の仕事で転職先を見つけてホッとしているところへ、ある男が訪れた。
彼はよりよい条件で、依頼人を雇いたいと言う。そして彼の転職予定だった会社には既に話を持ち込み、相手側の会社の『拾ってやった』などという失礼な発言と共に、彼から何も言ってこなければうちの会社に来たという事だという賭けをする。
相手先の会社の失礼な言葉や、ずば抜けた好条件から、依頼人はそちらの会社へ行く事を決める。
しかし、その会社は殆ど事務所と呼べるような設備も無く、仕事も単調なものでしかなかった。

そして、何よりも―。
彼を引き抜きにきた男と、その会社の代表者とはどうも同一人物のような気がするのだ。
何かまがまがしい物を感じた依頼人は、ホームズの元を訪れたのだった…。

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