本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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探偵映画/我孫子武丸
きっと我孫子武丸さんの映画への愛情だけから生まれた作品です。

舞台はある映画のロケ現場。
そこではある有名監督の最新作となる探偵映画が撮影されていた。
しかしこの映画、実は筋書きを監督しか知ら無い。
役者たちは撮影の進行と共に段々とその真相に迫るはず…だった。
しかしその監督が突然失踪してしまう。
残された者達は映画を完成させるために、途中までしか撮影できていない作品の『結果』を自分たち自身で推理する事になるのだった…。


作品に登場するキャラクターが映画に関する仕事をしている為に、みんな映画マニア。
そしてそれが(特に役者は自分が犯人などの良い役に回るように)推理するんだから、もう…なんていうんだろう、我孫子先生の笑顔が思い浮かぶような作品です。
実際のトリックは読めばすぐに判るとてもシンプルなものなので書きません。
…だって、我孫子先生がこの作品で本当にしたかったのは自分の推理小説や映画に対する造詣の深さを自慢したかっただけでしょう!
…いや、でも実際にジャンルも結構飛び交ってますし、知識の深さには感嘆します。

でも一つの作品で幾つものトリックのパターンがある事や、安孫子先生の物語の組み立て方なども見えて、ファンとしてはとても興味深い作品になっています。
まぁ見方を変えれば前述のように知識をひけらかすような作品という捕え方にもなってしまいますが、個人的にはそういう見方ではなく、純粋に過去に存在した沢山の名作に対するリスペクトであったり、我孫子流の『お勧め作品』のリストであると思っています。

…あ、もちろんラストまで見れば意外と驚かされます。その辺りはしっかり決めてきますね、さすが!

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殺戮にいたる病/我孫子武丸
三月三十日付朝刊一面トップ

殺人犯と、その周囲の人々の目線から連続殺人を追う小説です。
冒頭がいきなり『エピローグ』な事から、この小説は人がどのようにして殺戮に手を染めていくのか…を描いた小説のように思えることでしょう。

異常性愛による殺人―。

いまでも世界各地でそのようなニュースが見られます。
確かにこの本はそうした事件を犯人の目線から…、或いは自らの家族が犯人なのではないか?という家族の目線から追います。

安孫子武丸さんの作品としては異常なほどに陰鬱で凄惨な表現を含む文章です。
そして随時にちりばめられている岡本孝子さんの『夢をあきらめないで』、『はぐれそうな天使』、『見送るわ』の美しいフレーズがストーリーと対照的でとても印象的です。

この本はそれ以上に触れれば全てがネタバレになってしまう。
ヒントは二つ。
冒頭の一文、そしてこの本は叙述トリックであること。

本の価値が半減しても良い人、どうやって読んでみてもこの作品のトリックが見抜けなくて参ってしまっている方は、ネタバレ等を続き以降で。
続きを読む…


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8の殺人/我孫子武丸
我孫子武丸といえば、新本格派の中でもユーモア溢れる文章のセンスの高さで知られる作家さん。
サウンドノベルというゲームのジャンルの人気を確立したかまいたちの夜の原作者としても知られ、奇抜なトリックによる事件のみならず、単に小説として読んでも面白い…そんな評価を受けている方です。

今作は速水三兄妹シリーズ第一弾として発表。
警部補の速水恭三、その弟で喫茶店マスターの慎二、その妹一郎(よみはいちお、女性)、そして部下の木下刑事。
登場人物による軽妙な掛け合いは三毛猫ホームズシリーズにも通じる、チームワーク良く笑いを誘ってくれます。

このシリーズの特徴は、タイトルに数字が入ること。
今回の8、そして自作の0、そして無限大をあらわすメビウス。
それぞれの数字が事件の核になっています。
今回の8では、被害者が蜂須賀であり、その屋敷も8という特異な形。
冒頭で犯人からの挑戦状の如くに触れられている、8の形の建物だからこそ可能なトリックとは?

弟の慎二、妹の一郎(いちお)の二人は、ミステリーマニアという設定で、作品のところどころで出てくるミステリーの名作についての話題にニヤリとさせられる事も多いのかも。
我孫子武丸、この人は真性のミステリーマニアです。

ネタバレ等は続き以降で。(トリックについての記載無し)
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