本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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桃太郎/芥川龍之介
『進め! 進め! 鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ!』(桃太郎)

芥川龍之介さんの桃太郎を読んでみました。
桃太郎を鬼が島への侵略者という視点で描いた作品です。

平和に暮らす鬼たちは、人間を恐れていました。

角の生えない、生白い肢体。
そして嘘をつき、欲深く、同士討ちもするケダモノ…。
鬼の目から見た人間であり、そして襲撃者です。

物事には表裏、色々な見方があるものです。
こちらに言い分があるとき、相手にも言い分がある。
桃太郎という英雄伝説を、暴力によって島を征した乱暴者という目で見る事で、そんな問題提起をする作品です。
そして平和を愛していたはずの鬼たちは、恋をすることさえも忘れて、桃太郎への復讐へ心を奪われます。
争いが、新たな争いを生む…。その繰り返しで、心がすさんでしまうのです。
世界中が戦争へ向かっていた時代柄を反映しているような、社会風刺の効いた作品ですね。

ちなみに桃太郎は雲よりも高いという桃から生まれたという設定で、その桃には沢山の天才が眠っていて、再び世に落ちるときを待っているのだそうです。
この設定にも皮肉めいたものを感じてしまいます。


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女/芥川龍之介
年内最後はなんとなく芥川龍之介さんで締めたかったので、短編ではありますが『女』を読んでみました。

クモの生涯を描いた作品ですね。
弱肉強食の世界で必死に生き、そして次なる生へ繋げていく。

人間としての感覚で読むとこういう人生は嫌だなって思ってしまうんですね。
必死に食って、子供を作って、死んでいく。
しかも人生の後半、クモは卵を産んだ後は天井にも糸を張り巡らせて青空の下からも遮断した場所で卵が孵るのと、自分が死ぬのを待ち続けるのです。
でもこの描写を通して芥川龍之介さんが描こうとしたのは、人生の縮図なんじゃないかと思うんです。
解釈や考察の仕方は色々とあると思うのですが、僕も今は子供がいなくて一生懸命に働いて、貯金したりするのですが、やがて子供が出来て、自分自身の何かを諦めて、時間も貯金も徐々に削って子供のために頑張って、気がついたら老後で…。

でも最後には『天職を果した母親の限りない歓喜を感じながら、いつか死についていたのであった』と続けるんですよね。
この辺り、芥川龍之介さんの少しひねくれた世間に対する見方があったのか、それともやっぱり人間にとっての一番の幸せは家庭を作って当たり前に死んでいく事だという結論なのか、非常に興味深いですね。

そういう人生も悪くないけれど、こういう風に凝縮して描かれると…やっぱり戸惑いますよね。
出来ることなら、このクモの人生に青空の下で生まれた子供たちと一緒に過ごす人生という選択肢を加えてみたい。
人間なら、そういう道を模索するのではないかと思うのです。

※この作品は近代デジタルライブラリーにて当時の情緒たっぷりに頂きました。…落書きつきで(笑)。


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忠義/芥川龍之介
忠義という言葉は日本人の美徳ですが、その在り方について何が忠義か?を考えさせられる作品が、芥川龍之介さんの『忠義』という作品です。

精神的に病んでしまった主に仕えた二人の家臣。
家の為には何か問題を起こさない内に隠居させてしまった方がいい。
この判断をしたとき、それぞれの家臣の『忠義』はどのように働き、どのような結果を残すのだろうか。
そんな二つの忠義を描いた作品で、一般に『板倉勝該事件』と呼ばれる実在の出来事をモデルにしている作品です。

□ 前島林右衛門の忠義
前島は本家からやってきた家老です。
彼にとっての忠義は、本家から来ているということもあって『家』を守ることでした。
今までこれといった失点のないままに続いてきた名家の名を汚すような事がないように、主を隠居させてしまわなければならない…。そう思い、主には内緒で養子を迎える準備を進めていた。
しかしこの事が主の耳に入ってしまい、彼は追い出されてしまうのだった…。

□ 田中宇左衛門の忠義
前島の後釜には乳人を勤めた田中が選ばれた。
彼は幼い頃から修理をよく知り、主が精神的に病んで癇癪を起こしたりする様子も子供の頃の無邪気さが今も抜けないようにさえ思えるような、とても心やさしい人でした。
そして精神的な病に対する考え方も、『家』に何かがあってはいけないというのではなく、大切な場で取り乱すようなことがあって『主』が罰せられるような事があってはよくないというものでした。
だからついに彼が本家の者ともめごとを起こしてしまい、隠居を言い渡すように命じられた時にも、最後にもう一度だけ『今生の望にただ一度、出仕したい』と、隠居との交換条件に登城を申し出た時にもその条件を飲んでしまった。
そして事件は起こってしまったのです。

前者は『主』を置いてけぼりで家への忠義を追求した為に失敗し、後者の場合には余りに『主』の気持ちを重視しすぎた為に登城を許し、事件を引き起こしてしまった。そして家は断絶、田中自身も縛り首となった。

何を持って忠義とするのか。
どのような忠義が正しいと言うのか…。



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