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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
枯葉色グッドバイ/樋口有介
樋口有介さんの作品を久し振りに読んでみました。

独特な世界観が、やっぱり好きなんですよねー。
でもなかなか読めないのは、彼の描く主人公というのが、自分自身と似ているような気がするからでしょうか。
読み始めるまでに時間がかかり、そして読み始めると一気に終わってしまいます。
今回の作品は元刑事が関わる殺人事件という、ありがちな展開ですが、その刑事がホームレスになっているという、ちょっと飛んだ設定の話です。

□ あらすじ
吹石夕子はある一家殺人の犯人を追い続けていた。
ある日、唯一生き残った長女の友人が公園で殺害されていた事を知り、事件との関係性を確かめるために現場を訪れた。
そこで、かつて自らの教官だった椎葉明郎と思われるホームレスを見つけたのだった。
まさかと思いつつ、彼女は椎葉明郎を確認して、彼を日当二千円+必要経費+いくらかの酒代で雇うことになった。
一家殺人、公園の殺人、そして生き残った長女の『実父』…。
三つの問題が絡み合う殺人事件へ、ホームレス刑事が挑む。

□ 無気力な元刑事
樋口有介さんの描く中年の主人公ってそもそも無気力な感じがしますが、いい感じで力の抜けたところがホームレスに合っているのかもしれませんね。
必要以上の正義感や義務感にとらわれず、淡々と処理をしていきます。
ある意味、ハードボイルドな感じもしますよね。
老練な刑事としての勘や、ホームレスらしい目線を駆使して調査を進めていきます。
とてもいいキャラクターなので、出来ればレギュラー化して欲しいと思うのですが、今のところ続編は無しのようですね。
二人も美女がご帰還を待っているのですから、ぜひ戻ってきて欲しいですね♪

ネタバレ等は続き以降で。
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彼女はたぶん魔法を使う/樋口有介
元敏腕の刑事にして、今はフリーライター兼探偵業を営む柚木草平を主人公としたシリーズから、タイトルからしてらしいなぁと唸らされる本作を読んでみました。
これがシリーズの第一作で、後々の作品ではぼかされている設定が結構ダイレクトに登場しているのが特徴的です。

□ あらすじ
柚木草平の元へ、不倫相手で警視庁の吉島冴子から持ち込まれた事件があった。
二人きりの姉妹の妹がひき逃げされ、死んでしまった。
姉としては殺人であると強く思っていたが、警察は単なるひき逃げ、交通事故として処理しようとしているようだった。
そこで元々は刑事であり、今はフリーに動ける彼へ調査の依頼を持ち込んだのだった。
死んだ少女の身辺を調べると、色々と不審な点が出てきて調査はそれなりに順調に見えたのだが、調査の途中で話を聞いていた死んだ少女の同級生が死体となって発見されるのだった…。
男女の愛憎劇、そして柚木の周辺に現れる様々な美女とのやり取りが興味深い一冊。


□ 初期の設定
第一作目とあって、後の作品では仄めかす程度で流されている設定がはっきりと綴られています。
まず柚木草平が警察を辞めた理由。
彼は元々警察の中で順調にキャリアを積む、有能な刑事でした。
しかし事件の途中にヤクザを射殺します。この出来事自体は正当性を認められており、警察からお咎めがあったわけではないのですが、結局、この事件を原因として彼は退職します。
その理由は、表向きには殺した相手に子供がいたということを知った為ですが、実際の理由は自分が殺意を持って相手を殺したという自戒から来るようです。
しかし表面上はヤクザを正当な理由で死なせたのに、子供がいたという理由で取らなくてもいい責任を取って辞めたのであり、この事で奥さんとの関係が悪化し、別居に発展してしまいます。
その奥さんとの間には長女がおり、月に一度は会うようになっています。
お互いにもめながらも、子供の為もあってか離婚にまでは至っておらず、同じく単身赴任中の夫が居る吉島冴子とはいわゆるW不倫の関係です。
奥さんは警察に取材に来ている記者だったそうで、別居後には人気の評論家として活動し始めます。
ちなみに柚木草平自身も犯罪のルポライターとして人気を博しているので、別居中とはいえなかなかの文筆家の夫婦だといえるでしょう。

□ 感想
登場人物の女性が一から十まで全員いい女というのは、定番でしょうか。
軽妙なトークで、結構女性から興味を示される割りにいい関係にまでいたらないように一歩引くあたり、ハードボイルドになりきれない柚木草平の性格が出ていて面白いです。
奇麗事の奥にある切実な現実や、複雑な男女関係などが出てきて、怪しい人は犯人じゃないけど、でもやっぱりグレー…みたいな、直接の犯人、犯罪のきっかけとなった人、利害関係でそれを言い出せなかった人、最後まで読み終えてみると予想外にたくさんの関係者が出てくることに驚かされるのではないでしょうか。
本格派というわけではないのですが、最後まで読み終えて思わず感嘆の声が出るような鮮やかな結末でした。
物語としては結構重たいところもあるのですが、それを主人公の絶妙な切り返しで上手く和らげていて、とても読みやすい作品でした。
著者の作品はページ数以上に手軽に読めるのですが、やはりその最高峰はこの柚木草平シリーズではないでしょうか。


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ぼくと、ぼくらの夏/樋口有介
樋口有介さんのデビュー作を読んでみました。

先に一つだけ言わせてください。
18禁じゃないほうです。

閑話休題。
文体には心なしか、若さというか、最近の作品にあるような徹底して作りこまれたような隙のなさは見られないものの、やはり出てくる登場人物の個性は樋口作品に共通する、それです。
どこと無く冷めた目線で見ながら、でも気持ちのどこかでは優しい言葉を見つけられていて、それを口に出すかどうかを迷っていたり、上手く出せなかったり…。
凄く大人びた描写をする反面、実は凄く幼さを感じさせるキャラクター達には、高校生という設定は相性が良いのかもしれません。

□ あらすじ
戸川春一は父子家庭で家事を全て担う高校生だった。
どこか冷めて周囲に溶け込まなかった彼は、不意に刑事をしている父親から同級生が自殺をした事を聞かされた。
自殺したと聞かされてもピンとこないくらい目立たない少女だった岩沢訓子の死に、春一は何か釈然としないものを感じていた。
そしてたまたま出会った同級生で、テキヤの娘である酒井麻子にその話をした事がきっかけで、少年と少女は同級生の死の真相を探ろうと動き始めるのだった…。
少女が妊娠していたという事実、しかし浮かび上がらないその相手。子供たちが独自の目線から事件の真相へ迫る。


□ 刑事の息子とテキヤの娘の恋愛物語
樋口有介さんの作品なので、推理小説といっても人間の描写がやはり面白い。
デビュー時から既に女に引っ張られていくハードボイルド風な主人公…という定番のパターンは生きていました。
でも後の作品では樋口さんの筆の下、こんな高校生本当に居るのか!?というくらい、ハードボイルドな雰囲気をまとう少年が増えてきた中で、この戸川春一という少年には、本当に自分が少年だった頃の匂いが残されていると思いました。
それは樋口さんの描写自体の幼さもあったのかもしれないけど、ハードボイルドというよりは口下手、不器用な感じで、少女はそんな少年に腹を立てながらも、どこかで通じ合っていく。
言葉がないと判りあえないというのは、大人の理論であって、何かを伝えようとしているんだなという事を感じるだけで、本当はコミュニケーションは成り立つものだったんですよね。この幼い二人の間には、そんな尊い関係があるように感じるのです。

□ 個性豊かなキャラクターたち
酒井組の面子があまり登場しないままに終わってしまったのですが、春一の父親や学校の先生、麻子自身にしても、みんな個性豊かで、どこかの作品で主人公になって登場しそうなくらい、表情豊かに登場しています。
父親も樋口作品の定番?離婚した妻との関係や恋愛感情などもあったりで、愛らしい。
デビュー作にしては、スピンオフ作品をどんどん期待したくなるような濃厚さです。
…ただ残念かな、この作品に続編は無かったんですね。本当に惜しいです。

□ 感想
トリック云々を語るような作家さんではないので、どちらかというと結論ありきで一つの真実へ向かっていくまでの描写を楽しむ方が正解なんだと思うのですが、自殺に対して靴を並べて脱いでから行うということへの猜疑心であるとか、女の子ならアドレス帳(今なら携帯電話でしょうか、この作品は1988年発表です)を持っているべきであるとか、凄く新鮮な目線から事件に対して疑問を投げかけていくというのは興味深いです。
春一の父親は自殺をする前に靴を脱いだ好意を自殺の作法のようなものだと受け流してしまいます。
恐らくこれは、推理小説や映像作品やらを数多く見てきた僕らにとっても同じような感想なんだと思うのですが、確かに『なんで死ぬのに靴を脱ぐんだ?』という思いはあったと思うんですね。
そういった若い目線にこだわって書かれている点は、なんとなく幼い頃の自分と対峙するようでむずかゆいような面白さがありました。今の著者とは少し違った魅力を感じられる良作だと思います。


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