本の虫、中毒日記

読書感想文、乱発中。

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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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幻の指定席/山村美紗
山村美紗さんの古い作品、短編集を読んでみました。

□ 幻の指定席
電車の遅れを利用した、特急券の指定席のトリックです。
犯人の目線から描かれる作品です。
山村美紗さんの鉄道ミステリーというと、ご親友だったと言われる西村京太郎さん作品と比較してしまいます。
西村京太郎さんの数学のような綿密な組み立てとは異なる、山村美紗さんらしさの滲み出る鉄道ミステリーです。

□ 死人が夜ピアノを弾く
二時間ドラマにでもなりそうな、愛憎劇からの殺人を描いた作品です。
お風呂の水と、ガスを利用する事で死亡推定時刻を操作するなどの細かいトリックが行われています。
被害者が習っていたピアノの演奏で、周囲にも生きていることを伝え、かかってきた電話にも対応しました。
しかし思わぬところから事件の真相は暴かれることになります。
山村美紗さんらしい、女性心理を上手く描いた作品です。

□ 密会のアリバイ
自宅で殺されていた妻を手にかけた犯人を捜す、夫の執念の作品です。
山村美紗さんの作品で、男性のキャラクターがこれだけの執念を燃やすのは珍しい気がしますね。
テープレコーダーを使ってのアリバイ作りというのが、古きよき時代を思わせてくれます。
常連だから許される暗黙のルールを利用したトリックでした。
でも主人公が報われないですよね。
自分を裏切った妻の敵をとっても仕方がないと思う時もあったが、何かに熱中してなければ、たった一人になった淋しさをまぎらすことが出来なかった。

□ 新幹線ジャック
不可能とされた新幹線ジャックを実行した作品です。
グリーン車二両を人質とした理由は…?
いつの間にか犯人が増えていく、痛快なトリックです。

□ 不用家族
不倫相手との密会から戻ってくると、家が焼けて夫と子供が死んでいた。
犯人を探す中で、容疑者となった人物とは…。
こういう愛憎を描いた作品は、やっぱり山村美紗さんは上手いですね♪

□ 小さな密室
コインロッカーを使った犯罪です。
まだコインロッカーが真新しかった時代の作品だったようですね。
思わぬところから発覚するトリックなのですが、これも女性らしい視点といえるのかもしれませんね♪

□ 危険な忘れ物
刑事が、自らの子供の医療ミスで裁判相手だった医者が関わっていそうな殺人事件を全力で調査するという、倫理的にどうなの!?といった感じのする復讐劇です。
機械を共犯者とする手の込んだトリックが用いられています。
広いと白いって…東京弁であるんですねーって思ったりして。

短編集ではありますが、一つ一つ読みごたえのある短編です。
短くとも登場人物がしっかり描かれているのが、山村美紗さんの技量だなぁと思うのでした。




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京都の祭に人が死ぬ/山村美沙
山村美沙さんのミステリーを久し振りに読んでみました。
久し振りついでに、僕としては珍しくキャサリンシリーズ以外を読んでみました。

□ お祭を舞台にした殺人
今作、京都の祭に人が死ぬは、タイトルにもある通り京都のお祭を舞台とした短編集です。
お祭自体がトリックに用いられたり、情景として用いられたり…。
読んでいて情緒溢れる作品が揃っています。
…まぁ、どの作品でも人が死ぬんですけど
○○シリーズといった形にカテゴライズされる作品ではありませんが、女流推理作家の矢村麻沙子が登場する作品が多いので、彼女のファンは必読でしょう♪
余談ですが矢村麻沙子はきっと山村美沙さんご自身がモデルなのでしょうねぇ…。
他に俳優さんもよく登場するのですが、名前はもじったような名前が多く、「あの人だろうな」などと想像してほくそ笑むのも面白いかもしれません。
では、各作品のあらすじは以下で。

□ 華やかな殺意
城南宮で行われる曲水の宴が舞台となる作品です。
庭園を流れる小川へ酒を満たした盃を流し、その盃が自分のところに来るまでの間に歌を一首つくり、その盃を取って飲み干す…という催しです。
歌が出来ていない場合は盃を取らず、下流にいる人へと回っていくというシステムなのですが、この盃を飲んだ一人が青酸カリで毒殺されてしまった。
犯人は誰が飲むか判らない筈の盃を、どうやって特定の相手に飲ませることに成功したのだろうか…。

□ 祇園祭殺人事件
祇園祭の長刀鉾が舞台となった作品です。
長刀鉾の稚児となった俳優の息子は実は誘拐されていた。
犯人がそのような目立つ舞台を控えた子どもを誘拐した理由とは…?
…本編上、余り必要とは思えない死人が出ているのは内緒です。

□ くらやみ祭りに人が死ぬ
くらやみ祭りとは宇治の県神社の祭りの事だそうで、今回はこちらが舞台です。
著者には珍しく、最初から犯人目線で描かれている作品です。
短編と言う制約の為か、それとも著者が不慣れだったのか、警察と犯人の行き詰まる攻防戦という感じではなく、ちょっとコミカルな感じさえ漂う作品です。
理詰めにすれば素人の犯罪なんてすぐ暴かれちゃうんですよという趣の事件でした。

□ 鞍馬の火祭り
借金取りから逃げる為に鞍馬の火祭りの日に紛れて、取立て屋を焼き殺した犯人のその後の人生を描いた作品です。
新たに奪った戸籍…しかし、その戸籍の本来の持ち主に気づかれない為に悪戦苦闘しなければならない…。
山村美沙さんの作品は京都を舞台とする事が多いせいか、登場人物は誰もスマートな感じが多いのですが、この作品の主人公たちは非常に人間臭く生きています。
誰かに成りすますことの難しさを描いた作品です。

□ なぜあなたは京都で死ぬの
この作品はお祭りは関係ないようですね…。
自殺に見せかけられた死を、お茶の作法で解き明かすという作品です。
そういえばFCゲームの『京都・花の密室殺人事件』でもそういったトリックがありましたっけ。

□ 鬼法楽殺人事件
京都廬山寺の鬼法楽が舞台です。
この豆まきに登場した女優が死に、そして続けて男優も死んでしまいます。
間違えて殺してしまった…という、結構推理小説では禁断の手法のような気がするのですが…。
ペアのセーターが三枚…という、愛憎入り混じる設定が、山村美沙さんらしいような気がします。
愛云々は…ちょっと難しかったかなぁ。(←読んだら判ります♪)

□ 時代祭に人が死ぬ
時代劇のような衣装を身にまとい、町中を練り歩く時代祭が舞台となった作品です。
市長が殺され、そして続けて静御前が殺される。
っていうか、市長の乗った車が爆破された時点でお祭り、やめましょうよ

□ 感想
お祭りの概要を呼んでいるだけでも楽しめる一冊です。
ただ人が殺されたのにお祭り、続くんだーとか、ちょっと思うところはあります。
後、青酸カリ多いですねー。
短いながらも、どれも山村美沙さんらしい作品になっているのはお見事です。
後、長編と違いとしてラストシーンが挙げられます。
長編の場合は山村美沙さんの場合は一番しんみりさせると言うか、女王らしい美しいラストシーンを描くのですが、短編では謎解きのキーとなる一言を投げかけて終わらせてみたり、読後感に凄く違いがあります。
ちょっと山村美沙さんの印象が変わった一冊でした。




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京都西陣殺人事件/山村美紗
京都の西陣にある旧家、そして昔ながらの遊び方や男っぷりにスポットを当てた殺人事件を読んでみました。

ただし、この作品で一番の見所はキャサリンの口から飛び出した『私、日本の男性には、イチローといういい友人がいるけど』でしょう。
これはたまたま新幹線『ひかり』の食堂車で相席した女性と親しくなりたいという気持ちを話した時にキャサリンの口から不意にこぼれてしまった発言です。
こういう不意の時の方が本音が出るということもありますしね、えぇ、思わぬタイミングでの友達宣言です。

閑話休題。

父親の関係で東京での仕事を終えたキャサリンは新幹線で京都へ戻ろうとしていた。
そんな時、新幹線で建築家の女性と知り合う。
彼女は京都の古い建物を勉強しに行くところだというので、浜口のツテで西陣の旧家を尋ねる事になった。
そこで旧家をじっくり見せてもらった後、屋敷の主の誘いで余興を楽しむ事になった。
店では舞妓を見受けする事がステイタスであるというカルチャーショックなど、楽しく過ごせたのだが…、翌日にその女性が殺されてしまったのである。
そして容疑者である妻は自殺のような死を遂げ、やがて本人も自殺のように死んでしまう。
犯人である妻が自殺をし、それに絶望した主も自殺をした…。
しかし、事件はそう単純なものではなかった。


今回の作品で際立つのはキャサリンの財政力です。
正しくはキャサリンの父親の財力なのですが…。

京都に住むのに、6千万円の家を買う。
事件の関係者に接触するのに1千万円分の株を買う。
1千万円かけて接触した関係者に、さらっともう4、5千万円つぎ込む。


一冊の本の中で既に1億円以上のお金が動いています
ちなみに家を購入したのは、前に借りていた部屋を一旦解約した為ですが、この購入の際には『アメリカだと五千万円も出せば、プールつきの家が買える』などと、あぁ…買ったんだろうなと思わせるような発言をしています。

キャサリンの豪勢振りとは対照的なネタバレ等は続き以降で。
続きを読む…


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