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Fujisaki

Author:Fujisaki

基本はシャーロッキアン。
でも雑食の本の虫。資格からマンガまでそこに文字がある限りっ。

紙魚、コナチャタテとはちょっと違う本の虫ですので、駆除はご容赦下さい。

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本の虫、中毒日記
読書感想文、乱発中。
シャーロック・ホームズ/アーサー・コナン・ドイル
シャーロック・ホームズシリーズを読んだ感想の目次ページへのリンク一覧です。

□ 短編集
シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズの回想
シャーロック・ホームズの復活
シャーロック・ホームズ最後の挨拶
シャーロック・ホームズの事件簿
シャーロック・ホームズの叡智(日本独自編纂の短編集、目次無し)

□ 長編
緋色の研究
四つの署名
バスカヴィル家の犬
恐怖の谷

短編集はリンク先がそれぞれの短編集に収録の作品へのリンクに、長編はそれぞれがダイレクトに感想文へのリンクになっています。
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シャーロック・ホームズの事件簿/コナン・ドイル
各記事への目次ページです。

三人称の作品や、ホームズが聞き手に回るだけの作品など、最後の短編集ながら新しい挑戦の多く見られる意欲作でした。
ホームズの一人称や、引退後が描かれているのも興味深いのと、本当の最後に際してのドイルからのメッセージもあります。
今回は東京創元社さんから出ている電子書籍版の短編集、翻訳は贋作ホームズの一つである『シュロック・ホームズ』シリーズの翻訳者でもあった深町眞理子さんでした。

まず、各作品への感想のリンクは以下です。

高名な依頼人
白面の兵士
マザリンの宝石
三破風館
サセックスの吸血鬼
ガリデブが三人
ソア橋の怪事件
這う男
ライオンのたてがみ
覆面の下宿人
ショスコム・オールド・プレイス
引退した絵の具屋

そして、ドイルからのメッセージ。
まずシャーロック・ホームズを『よくあるテノールの人気歌手のようになることを私は恐れる』としています。
既に作品自体が最盛期を過ぎているのに、人気に甘えて続けるような形にはなりたくない…と。
これは、事件簿を読んでいて、僕自身も感じたことです。
三人称であったり、ホームズの引退後の事件、依頼人(?)の語りだけ…といった、新しい試みをしている他に、過去のトリックの焼き増しのようなものも散見され、実際に作品の質が落ちているかどうかはここの判断にゆだねるとして、ドイルが従来のホームズシリーズのまま続けていく事に行き詰っていたのではないかと思うのです。

ところでホームズが一旦、滝に落ちて死んでしまったということになった時、ドイルは自分の著作の活動において、ホームズの著者という先入観が妨げになるという事を懸念していたといわれていますが、この最後の記述でドイルは言い切ってくれています。
かりにホームズが存在しなかったとしても、私はこれ以上多くを成し遂げることは出来なかっただろう

なんとなく後期のホームズがドイルの愛情を受けていないような印象があったので、このフレーズはちょっと救いだったような思い出が有ります。
では、後は存分にホームズとのお別れを楽しんで下さい。


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引退した絵具屋/シャーロック・ホームズの事件簿
僕が読んだシャーロック・ホームズの事件簿(電子書籍版)では何故かこの『引退した絵具屋』事件が一番最後に位置していました。
なので、作品の発表順で言うところの最後とは異なりますが、このブログにおいてはこちらが最後の記事という形になります。
随分と長い旅路になってしまいましたが、行きまーす。


ある日、ワトソンは部屋に入る際にある老人とすれ違います。
ホームズはワトソンにその感想を聞くのですが、この時のワトソンの答えが、非常にぶっ飛んでいます。
哀れな、からっぽな、惨めな負け犬というところだね
コレ、僕が人生の中で聞いた中で最も酷い表現の一つです。

ちなみにこの発言をした男は、普段は町医者として市民の病気を治す仕事に従事しています。
行きたくないなぁ、ワトソンの診療所…。

この散々な表現をされた男こそがヤードから紹介された事件の依頼人だった。
ワトソンに散々な表現をされたのも当然、散々な目に遭った跡だったのである。
元々は画材製造業の会社の共同経営者として腕をならし、余生を暮らしていくのに充分な貯金が出来たので61歳で仕事を引退していた。
生活に困ることのない悠々自適の生活、そして翌年には20歳も年下の女性と結婚し、人生を謳歌しているかのように思われた。
しかしチェスを通して知り合った近所の医師と、駆け落ちをしてしまったのである。
しかも男性の貯蓄を保管していた書類保管箱を一緒に持ち出していたという…。
何とかこの妻を見つけ出して欲しいという依頼だった…。


ホームズシリーズはこういう平凡に見える依頼の方が、アッと驚くような展開を見せるのですが、この作品も結構面白かったです。
ホームズは別の事件で身動きが取れないということでワトソンを派遣して、様子を調べさせるのですが、ワトソンからの報告を受けながら、余りにも表現が回りくどいことから『やめてくれよ、詩人気取りは』と、言葉を止めてしまうシーンが有ります。
ホームズがワトソンに言った言葉ですが、なんとなくドイルとホームズが対峙しているような感覚に陥るシーンでした。
ちなみにワトソンが詩人的に表現しようとした事は、ホームズに言わせると『要するに高い煉瓦の塀があるんだろ』のひと言でした。
やれやれ。

ちなみに最後の最後、ワトソン単独の調査は珍しくホームズに好評でした!
良かったね、ワトソン!

ネタバレ等は続き以降で。
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