『俺はただの傭兵だ。渡り鳥になにを言う。階級など知ったことか。そういう台詞は自分の飼い犬に言うことだな』
引き続き、下巻も読んでみました。
上巻で東京での任務を解かれた相良宗介はASでの試合でも上官に敗退、アーバレストを上手く使いこなす自信も持てず、戸惑っていた。
そして彼は任務に集中できず、周囲に迷惑をかけてしまうことを恐れてミッションから降りてしまう。
その頃、東京では千鳥かなめは謎の襲撃を受けていた。
相良宗介の退学と言う事実も知った彼女は、ある決意を固め、自らを警護しているもう一人のミスリルを誘き出す事を決めていた。
そして紛争地帯で、相良宗介のみに判るように仕組まれた暗号を辿っていった先には、死に掛けのガウリンが待っていた…。
叙情の上巻、そして人間模様の下巻といった感じでしょうか。
この作品を読んでいると、なんだかサイバーフォーミュラを思い出しました。
アーバレストのコンピューターとの自由会話モードによる会話が描かれているんですね。
それが新世紀GPXサイバーフォーミュラのレースマシンに搭載されている人間同様に成長するAIであるアスラーダと凄く似ていて…。
えぇ、ものすごく余談ですね。判る人だけクスッとしていて下さい。
この作品の中でアーバレストのコンピューターである『アル』はこの時点でようやく、製作者の死を知り、そして操縦者へ向けられた製作者の遺言を伝えます。
鉄くずか最高の兵器か…。
遺言にすぐには反応しなかった相良宗介ですが、その答えは徐々に出始めます。
著者自身にとってもアーバレストが好きになれた作品だったそうです。
またガウリンが最後の最後で良い活躍を見せてくれるんですね。
日本での生活に馴染んだ相良宗介を弱くなったとなじり、昔の彼を思い出させようとするシーンが有ります。
相良宗介自身はそれを否定し、自らの弱さを受け入れる事の大切さを口にしていますが、冒頭で紹介したフレーズと言うのは、否定しつつも組織に埋没しない自由な傭兵だった自分の強さを取り戻そうとした発言だったのではないかなと邪推します。
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